世界制作と知識創造
これまでの情報技術の研究開発経験を知識創造プロセスとしてまとめ,Research Creation Model (RCM)として提案したことがある[1][2].
この知識創造プロセスでは,7つの要素(①あわせる、②かぞえる、③ぬきだす、④よむ・かく、⑤わけてつなぐ、⑥なぜ・どうする、⑦くらべる)から構成している.下図では、①あわせるを「適応」、②かぞえるを「計測」、③ぬきだすを「抽象」、④よむ・かくを「入力・出力」、⑤わけてつなぐを「分解」と「結合」、⑥なぜ・どうするを「目的・手段」、⑦くらべるを「比較」とした.

このRCMをグッドマンの世界制作の方法と比較してみると,共通点が多いことに気づいた.

この二つのモデルを2極思考連続体で比較すると「2極のズレ」が見えてくる.
グッドマン(記述の哲学): 「世界をどう表現するか」に重きを置く.つまり「記述(Version)」が世界を作る
山本修一郎(工学の創造): 「機能する仕組みをどう作るか」に重きを置く.つまり「人工物(Artifact)」が世界を変える
「2極思考連続体」をここに導入すると,「記述すること(言葉・モデル)」と「作ること(実装・システム)」は分離されたものではなく,連続的な一つの「世界制作」のプロセスであると統合できる.
RCMによる「情報技術による価値創造」とは、グッドマンの言う「新しいバージョンの世界」を,具体的に実現する行為であると言える.
参考
[1] 山本修一郎, 情報技術研究における知識創造プロセスの回顧, AI学会,KSN研究会,2021.3.19, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2021/KSN-028/2021_08/_article/-char/ja/
[2] Shuichiro Yamamoto, A Research Creation Model, 25th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems, 2021 l, Procedia Computer Science, Volume 192, 2021, pp. 1813-1820, https://doi.org/10.1016/j.procs.2021.08.186
