日本バスケットボール最大の問題は、実力ではなく「構造」である。


「もっとシュートを入れろ。」

「もっとフィジカルを強く。」

「もっと1on1を。」

世界大会が終わるたびに、そんな反省が繰り返されます。

しかし私は、もっと大きな違和感があります。

日本は、課題を分析しているようで、原因を分析していません。

日本は「育成」を語るが、「育成システム」はほとんど議論されない。

例えば、U17日本代表が世界で苦戦するとします。

すると、

* シュート力
* フィジカル
* ディフェンス
* リバウンド

といった技術的な反省が並びます。

もちろん、それらは事実でしょう。

しかし、それは結果です。

本来問うべきは、

「なぜ、その選手がそう育ったのか。」

です。

日本は選手を評価する。しかし、育成環境は評価しない。

海外では、

「この選手は、どんな育成環境で育ったのか。」

が必ず議論されます。

一方、日本は、

「この選手は上手い。」

「このコーチは優秀。」

という個人評価で終わることが多い。

しかし、代表選手は突然生まれません。

U12、U15、U18と続く育成環境の積み重ねです。

代表は、育成システムの成績表です。

日本は「代表監督」を選んでいるつもりで、「国内実績」を選んでいる。

これも構造的な矛盾です。

世界大会を戦う監督なのに、

評価基準は、

* 国内大会
* 国内リーグ
* 国内実績

が中心。

つまり、

世界を戦う人を、日本国内だけの物差しで選んでいる。

これは冷静に考えると不思議な話です。

バスケットボール後進国ほど、世界を学ぶ。

サッカーを見れば分かります。

日本サッカーは、

海外指導者を招き、

海外リーグへ選手を送り、

海外で学び続けました。

「日本流」を守ったから強くなったのではありません。

世界から学んだから強くなったのです。

では、バスケットボールはどうでしょう。

世界との差を語りながら、

指導者人事も、

講習会も、

評価制度も、

国内中心です。

この矛盾に気付かなければなりません。

「世界との差」を埋めると言いながら、世界を知らない人同士で議論している。

これが私には最大の矛盾に見えます。

世界との差を議論する会議に、

世界の育成を知る人がどれだけいるでしょうか。

海外クラブで育成年代を指導した人。

FIBAの育成プログラムを実践した人。

ヨーロッパのアカデミーで学んだ人。

そうした人たちの知見を中心に据えなければ、議論は国内の常識から抜け出せません。

問題は「誰が悪いか」ではない。

私は特定の監督や選手を責めたいわけではありません。

問題なのは、

同じ構造のまま、人だけを入れ替え続けていることです。

システムが変わらなければ、結果も大きくは変わりません。

日本が本当に変えるべきもの

変えるべきは、

* 指導者の選考基準
* 指導者教育
* 海外との交流
* 育成哲学
* 試合環境
* 評価制度


です。

世界大会は、選手だけの試験ではありません。

日本の育成システム全体の試験です。

選手に「世界との差」を埋めろと言う前に、

大人が「世界との差」を埋める努力をしているのか。

そこから問い直す必要があると私は考えています。

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