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予告詐欺疑惑の『アド・アストラ』|宇宙旅行気分で、ブラピのドラマを見る

死んだと思っていた宇宙飛行士の父が、太陽系の彼方で生きていた!
しかも、地球に甚大な被害をもたらす反物質装置と一緒に。

って聞くと、とっても面白そうですけどね。
がっかりレビューが溢れる『アド・アストラ』(2019年)を見てみました。

宇宙版『地獄の黙示録』
地上にもありがちな人間ドラマだけど、
宇宙の映像美は抜群!

予告詐欺っぽくはある。

予告がアクションシーンが多めで、SFアクション臭を匂わせている。
しかも、ブラッド・ピットにトミー・リー・ジョーンズって大物揃い。

宇宙の果ての陰謀とか、失踪した父の謎とか、SFミステリー・アクションだったら、さぞかし盛り上がっただろう。
映像も美しいし。

期待して映画館に行けば、実は、淡々とブラピが内省する人間ドラマ。
思ってたんと違う!ってなりますね。

観客の期待と違ってたから、批評家には評判よくて、一般の観客からのウケが悪いアンバランスな評価になるんですねー。

↓予告は見ちゃダメ!期待しちゃダメ!

SF映画っぽくない『アド・アストラ』

実はストーリーは、宇宙版『地獄の黙示録』なんですね。
英雄的宇宙飛行士のはずの父が、宇宙の果てで危険人物となっているから、探しに行って(殺して)こい、というわけ。

その旅の中で主人公は、孤独と向き合い、父を理解しようとし、自分の生き方や元妻との関係を内省する。
父との対峙を果たし、父の呪縛から解かれ、愛と人生を取り戻す話。

宇宙SFの醍醐味の、未知との遭遇的感動は一切ない。
むしろ科学的に無茶苦茶な行動が、全て成就することに、引いちゃうかも。

そして、舞台が宇宙スケールなのに、テーマが家族や愛だから、ちっちゃい感じがするかもしれない。
そしたら、外宇宙と内宇宙の対比構造を楽しんで。

宇宙の映像は、めちゃめちゃ綺麗。

SF映画の中でも、際立つ映像美。
臨場感があって、静かで綺麗すぎる…。

生活感や日常感のあるものを排除し、映り込みも全部消して、かなり力を入れて画面作りしていることがわかる。
その辺りは『2001年宇宙の旅』の雰囲気に、少し似ていますかね。

宇宙アンテナタワーとか宇宙船、レアな木星や海王星描写など、宇宙空間は、かなり鮮明でとにかく美しいです。

深宇宙を感じることを目的に大スクリーンで見れば、満足できそう!

キャストは豪華。

主演は、初めて宇宙に登場するブラピ。
珍しく、ブラピがほぼ笑いません。
あのチャーミングな笑顔を、どこかで見たかった。

トミー・リー・ジョーンズが父役。
顔のパーツが、どことなく似てる。
狂気の混じった、頑固親父を演じています。

トミー・リー・ジョーンズは、日本では缶コーヒーBOSSのCMでお馴染みですが、彼が高IQの持ち主で、ハリウッドきっての知性派だとご存知?

苦学生として奨学金でハーバード大に進み、アル・ゴア元副大統領とルーム・メイト。
大学時代は、フットボールの最優秀選手賞もとっているスゴイ人。
大の親日派で、浮世絵の熱心な収集家でもあるそう。

ただのコーヒー好きの宇宙人爺ちゃんじゃないから!

2024年に亡くなったドナルド・サザーランド(サザーランド父)も出てます。
『ロード・オブ・ザ・リング』以来、久々に目にしたリヴ・タイラーも妻役で登場。

がっかり予防!
楽しむための7つのコツは?

・絶対期待しない!謎も哲学も期待しない!
・圧倒的映像美で宇宙旅行気分を楽しむ
(月、火星、木星、海王星へ)
・『地獄の黙示録』との比較検証を楽しむ
・冷静沈着、55歳渋顔ブラピの心の演技鑑賞
・ブラピとトミーの顔面の類似性検証を楽しむ
・そんなワケない!次々成功する非科学的行動へツッコむべし。
・宇宙より家族。最後は心の小宇宙(コスモ)を抱きしめるブラピに安堵

↓今まで見た中で、1番素敵に見えた木星。
深い深い宇宙の孤独に飲み込めれる体験を!

見ても意味が分からなかった人へ
各シーンの簡単解説

月面での資源紛争

地球を離れても、どこに行っても、資源を巡って争う人間を表現。

実験船における実験動物による船員殺害

ケフェウス号の船長を襲ったヒヒの中に、父や自分の中にある怒りを見たとロイは言う。
進化しても根本は変わらない、霊長類の暴力性を象徴。

プルーイット大佐

仲が良かったが、最後はロイ父と喧嘩別れしたプルーイット。
「ロイ父を殺害してでも、反物質装置を破壊せよ」という宇宙軍からの極秘任務だったこと告げる。
「時に宇宙探査は逃避行になり得る」と、ロイ父の行為を逃避と示唆し、彼を連れ戻せなかった後悔の念が汲み取れる。

ラントスの両親とロイ父の関係

ラントスは火星生まれ。
彼女の両親は、ロイ父と揉めて殺された模様。
我が子を残して、ロイ父と遠い海王星まで行ったものの、知的生命体がいないことが分かり、帰還を切望したが、永遠に帰りたくないロイ父に却下され、反乱を起こしたと思われる。

きっと、子どもに会いたかったよね。



それにしても、圧倒的危険な宇宙空間でドンパチ争っちゃうのは、ちょっと信じられない。

そんでもって、宇宙飛行士って、コミュ力半端なくてユーモアやウィットをいつも言ってるイメージだけど、ここにはそんな人がほぼいなかったな。

人間の攻撃性や支配欲を見ると、イーロン・マスクの着てたTシャツの「OCUPPY MARS」を思い出しちゃうよ。
インパクトあったなあ!


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アンドレ安堂 記事にご満足いただけたら、とっても嬉しいです☺️

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