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80年代傑作SFホラー『遊星からの物体X』|映画史に残る、類まれな異星生物デザイン

まず、ポスターヴィジュアルが、カッコ良すぎですよね。
名作SF映画として名高い、ジョン・カーペンター監督の1982年公開『遊星からの物体X』。

ホラーなのに目を凝らして見たくなる、類稀なるエイリアン造形。
今見ても色褪せない、素晴らしい映像体験でした。

今ならCGでどうとでもできそうな、宇宙生物ややられる側の人体描写だって、特殊技術や演技でなんとかしなきゃいけない時代。
情熱を原動力に、人間の想像力や知恵で生み出されたものって、やっぱりパワーがあるよなって、感動してしまった。

後世の映画にも出てくるほどの、
センス抜群のメインヴィジュアル。
原題って、すごくシンプルなのね。

80年代映画の底力を見せつけてくれ。

低予算でも、良質なエンターテイメントを撮れることを実証する、ジョン・カーペンター監督。
閉鎖空間での恐怖を描く侵略SFストーリーもさることながら、独創的なクリーチャーデザインと、CGなしの特撮技術でこのような高品質な映像が出来ることが素晴らしい。

仲間内でお互いを疑う心理描写の妙と、どうやって撮影してるの?!ってのと、なんちゅうエイリアン造形だ!ってのと、見どころたっぷり。
しかも、B級ホラーによく出てくる、余計なことをするクズもいない。

私が物心もついていない時代の作品だけど、様々な地球上の生物の要素を組み合わせた、独創的なクリーチャーデザインにもう釘付け!

特殊効果アーティストの神童
ロブ・ボッティン

映画界に大きな衝撃を与えたこの恐ろしい変形プロセスを生み出したのは、弱冠22歳だったロブ・ボッティン(あるいは、ボーティン)という方らしい。

14歳から『メン・イン・ブラック』やMJの『スリラー』などを手がける巨匠リック・ベイカーに弟子入りしてたとか。
企画を聞きつけて頼み込み、この映画のために彼は1年以上連日連夜働き、具合が悪くなって監督に病院に入れられるほどだったとか。

調べてみると『トータル・リコール』も彼だった。
うわー!彼の芸術作品だったんだ!

侵略ホラーSFの新古典

原作は、ジョン・W・キャンベルのSFホラー古典小説『影が行く』。

1951年のハワード・ホークス版『遊星よりの物体X』にならって、このタイトルなのだと思うけど、原題は『The Thing』なので「なんとも形容し難い宇宙からの物体のソレ」みたいな感じなのだろう。

ホラーSFの古典と呼ばれる1951年作品よりも、より原作に忠実なストーリーの別作品って感じだから、そんなにリメイク感はなかった。

体を乗っ取られたのは誰だ!

ストーリーも、相当に面白いんですよね。

ヘリに乗って銃を構えるノルウェー隊員が、疾走する1匹のハスキー犬を必死に殺そうとしてたのはなぜか?
ノルウェー隊の基地が全滅していたワケは?

通信機能の麻痺した冬の南極基地という閉鎖空間。
次々にわかってくる、生命体の恐怖の生態。
仲間の誰がヤツに乗っ取られているのか?
自分は乗っ取られているのか、いないのか?という極限状態の人間同士で疑心暗鬼。
そして、衝撃的なエイリアンの姿。

誰が敵かわからない状態での、登場人物の心理描写が秀逸で、不気味さを高めている。

主役は、ヘリコプター操縦士のマクレディの、カート・ラッセル。
青い目のくるくるロン毛ヒゲのワイルドな風貌で頼もしいのだが、マクレディ自身も怪しい状況に陥るのが、また良い。

ハスキー犬から始まる
衝撃のモンスター化映像。

予想以上で、驚きましたね。
可愛いハスキーのワン公が、あのような姿になるとは…。

取り込んだ生物に同化・擬態して増殖する謎の物体。
SFホラーとあるのでグロテスクな生物が出てくるんだろうな、とは思ってたけど、恐怖よりもデザインや撮影技術への感動が勝る。
「わ、スゴ!」って。

犬の変態した姿が、なんて言うか、犬っぽくてよかった。
顔とか体が開いて、犬らしさを残した顔みたいなのが出てくる。

これらが、後世のクリーチャーデザインに影響を与えているらしい。
後の『ヘルレイザー4』に参考にされた?っていう、人間の顔も出てきたな。


↓グロいので、視聴注意。

頭から離れない!名シーン。
足が生えて歩くノリスの頭に衝撃。

1番印象的なシーンは、みんな一緒かな?

意識を失ったノリスに、仲間たちがAEDを当てるとこからの一連の恐怖。

突然ノリスの腹が割れて、AEDを持っていたコッパーの両腕が食いちぎられる。ギャアアアア!
ノリスの腹から、ノリスの別動体が出てくる。

慌ててマクレディが、火炎放射器でノリス的生物を燃やすものの、ノリスの頭部だけテーブルからゆっくり落ち、その頭部から甲殻類のような6本の足と2本の触覚が生えて、スタコラサッサと部屋から逃げようとするシーン。

両腕食われるシーンは、リアリティを出すために、両腕のない役者にコッパー顔のマスクを被せて撮影したらしい…!

つーか、顔だよ!足の生え方だよ!
『トイ・ストーリー2?3?』に似たオモチャいたよね。

ノリスの顔とか、色々フィギュアにもなっているらしい。。

考えた人スゴいし、映像にしたのスゴイ。


↓みんな見た方がいいと思うよ!

旧作ハワード・ホークス監督
『遊星よりの物体X』との違い

監督であるジョン・カーペンターは、4歳の時に見て強烈な印象を受けたハワード・ホークス製作の『遊星よりの物体X』(1951年)がきっかけで、SF映画を撮るようになった、とWikipediaに書いてあった。

ハワード・ホークス版の物体Xは、人間や犬を取り込んだり同化せず、彼らの血液を栄養源にして増殖する植物性生物で、見た目はフランケンシュタイン風の大男。

地球侵略の危機に直面しながらも、好奇心の塊で宇宙生物に近づく科学者がいたり、おしゃれな大人のラブロマンスも入れつつ、みんなで力を合わせて撃退する、ちょいコメディのSF作品だった。

カーペンター版は、ホラー感マシマシの特撮作品だし、結果を明らかにしない意味深ラストだったから、だいぶ雰囲気は違う。

ただ、タイトルコールやクレジットを見ると、旧作へのリスペクトが分かるし、あの頃のシンプルなグラフィック表現ってカッコいいなって改めて思う。

ハワード・ホークスは、20年代から70年代で活躍した、どんなジャンルの作品も撮れる「映画の神様」と呼ばれたハリウッドの伝説的監督。

私も大学でとった「映画論」で見た『ハタリ!』や『リオ・ブラボー』で初めて知った。『モンキー・ビジネス』や『紳士は金髪がお好き』で、マリリン・モンローが一気に好きになった記憶。

コメディや西部劇のイメージが強かったけど、こんなSFものも撮っているとはね。

↓ハワード・ホークス版はこちら


↓『遊星からの物体X』を踏襲した、前日譚である『遊星からの物体X ファーストコンタクト』も2011年に公開されているらしい。
(こっちはまだ見てません)


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アンドレ安堂 記事にご満足いただけたら、とっても嬉しいです☺️

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