パールと宇宙人と「ちゅ~る」
週末の土曜日、僕たちは昼食を終え、まどろみながらテレビでYouTubeを見ていました。
画面には、地球外知的生命体がもうすぐ地球にやってくるという、オープンコンタクトの動画が流れていました。

尚ちゃんはそれを眺めながら、「宇宙人って本当にいるのかしら?ねえ、どう思う?」とちょうど遊びに来ていた江波さんと、真向かいに座っている僕に向かって何気なく尋ねました。
江波さんは、「私、いると思います」という風に大きくうなずきました。
そのあと、僕が「さあ、どうなんだろうね」と言おうと口を開きかけた時、おもむろにパールが振り返って、甲高く鳴きました。
「ニャニャニャ!ロニャミョ~ラローン」

「私、宇宙人のこと知ってる!まだ野良猫だった頃、何度か会ったことがある」
パールはそう僕たちに言いました。
「え!?宇宙人に会ったことあるの?いつ?」
尚ちゃんは思わず声を上げて、パールに聞き返しました。
パールはまた僕たちに向かって鳴きました。
「ラララン、ニョロロロルン」
「彼らには秘密があるのよ。それ、知りたい?」
僕たち3人は生唾をゴクリと飲み込み、大きくうなずきました。
パールは僕らが座っているテーブルの前まで歩いてくると、この部屋には僕たち以外誰もいないのに、なぜか声をひそめてこう鳴きました。
「ラランチュ~ララ、ニャ~チュ~ルリン」
「それじゃ、ちゅ~る2本くれたらとっておきの宇宙人の極秘情報を教えたげる」
僕たちはすぐに座っていたテーブルの椅子から飛び上がり、台所まで急いで走って行って、パールにちゅ〜るを2本食べさせました。

あっ!!という間にパールはちゅ~るを平らげ、僕らをゆっくりと見渡したあと、満足そうな表情を浮かべてリビングの向こうへ歩いて行きました。

そして、ベッドの上にのぼり、

寝てしまいました。

僕たち3人は、ただ呆然とその場に立ち尽くしていました。
その時、心の中のもうひとりの僕自身である、まるもるが僕たちに向かってつぶやきました。
「猫の詐欺に会うなんて、君たちもよほど騙されやすいんだね~」
すると、パールは眠たげな声で鳴きました。
「ラランチューララ、ララニャチュ~ルン」
「明日ちゅ~る3本くれたら、もう少しだけ宇宙人のこと教えたげる」

あなたの猫が宇宙人の話をしたら、
それはきっと猫詐欺です。
Have a nice day
