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ashikari
1番目が決められなかった
長男は1番を決めるのが苦手だった。
好きなものという概念を認識してから、数々の好きなものを質問されてきた彼。そのたびに、ひとつだけを答えるのを避けていた。1番好きなものは?と聞かれても、絶対にふたつ以上答える。
1番好きな動物は?
我々から見ると『ゾウ』しかない質問なのだが、「ゾウとキリンとカバ」と答える。これは彼の優しさだったのかもしれない。
そんな彼も少しずつ順位付けするようになってきた。これは成長なのだろうか。皆平等ではない世の不条理を学んだのか。今では、1番好きな動物は『アフリカゾウ』と答え、2番目に好きな動物は『キリン』と答える。
ある日、全部の中で1番好きなものを聞いてみた。『ゾウ』と答えた。2番目を聞いてみた。『ポケモン』と答えた。3番目を聞いてみた。『マンモス』と答えた。
おやおや、ここまでウルトラマンが出ていない。少し意地悪な気持ちで、「あれ?ウルトラマンは?」と聞いてみた。
少しの間、黙り込む長男。大好きで憧れの存在を忘れていた自らに落胆しているのだろうか。そして、彼はこう答えた。
「0番目だよ」
さながら一休さんのような回答に、我々は面を喰らった。なんと、殿堂入り扱いだったのだ。長男は少し勝ち誇った表情をしている。
パパとママの0番目は君だよ、とそんな綺麗な答えなんて瞬時にできるはずもなく、本当にぐうの音もでなかった。
