来週からの日経平均についてその②🏋️
結論から、金曜日(3/27)の現物市場が閉まった時点のデータとしては嵐の前の静けさ(一見ニュートラルだが、内部には巨大な爆弾を抱えている状態)と言えます。
データから読み取れる現在の日経平均の状況と、前回記事を掛け合わせた週明けの見立てを、解説いたします。

1. 騰落レシオ:市場はまだ「売られ過ぎ」ではない
• 最新値(3/27時点・25日): 99.10
騰落レシオは100が中立、120以上で買われ過ぎ、70以下で売られ過ぎと判断します。
現在の99.10という数値は完全にニュートラルです。
つまり、金曜日の15時の時点では、相場全体としては過熱感も悲壮感もない、均衡を保った状態でした。週明けに大きく下落したとしても、指標的には「底打ち(売られ過ぎ)」のサインが出るまでには、まだかなり下落の余地(値幅と日柄)が残されていることを意味します。

2. 空売り比率:警戒感は強いが「パニック」には至らず
• 最新値(3/27時点): 41.0%
市場の売買代金に占める空売りの割合です。40%を超えているため、投資家が下落を警戒してショート(売り)を仕込んでいる状態です。
ただし、本当に市場が総悲観になるパニックセリングの局面では、この比率が45%〜50%近くまで跳ね上がります。現在はそこまでの極端な数値ではないため、まだ「下落の初期〜中期」の心理状態と推測されます。

3. 信用残・評価損益率:週明けの「時限爆弾」
• 最新値(3/19時点): 信用倍率 5.68倍 / 評価損益率 -5.97% / 買い残 約5.8兆円
※最も警戒すべきなのがこのデータです。
信用取引(借金をして株を買うこと)のデータは発表が1週遅れるため3/19時点のものですが、非常に重い事実を示しています、、、
評価損益率のマイナス5.97%自体は、
個人の懐がそこまで痛んでいない(通常マイナス15%〜20%でパニックになる)水準に見えます。しかし、問題は約5.8兆円という膨大な「信用買い残(将来の売り圧力)」です。
過去に信用買い残が5兆円を超えた時期(2006年)
データとして明確に残っている過去のピークは以下の時期です。
• 2006年2月10日時点: 約5兆9,836億円(※2005年以降のデータ遡及での過去最高水準)
• 2006年6月上旬: 約5兆2,800億円台
当時の相場で何が起きたのか?
2005年後半から2006年初頭にかけては、小泉政権下の「郵政解散選挙」に伴う猛烈な株価上昇(いわゆる小泉・竹中相場)があり、個人投資家が熱狂して株式市場に押し寄せていました。誰もが「買えば儲かる」と錯覚し、レバレッジ(信用取引)を限界まで膨らませていた時期です。
しかし、そこに冷や水を浴びせたのが2006年1月の「ライブドア・ショック」でした。
1. 急落の引き金: ライブドアへの強制捜査をきっかけに、個人投資家が好んで信用買いしていた新興市場(マザーズなど)が大暴落を起こしました。
2. 追証の連鎖(パニックセリング): 株価急落により、限界まで膨らんでいた約5〜6兆円の信用買いポジションに一斉に含み損が発生。「追証(マージンコール)」を回避するため、投資家は優良株まで手当たり次第に投げ売りせざるを得なくなりました。
3. 長引く低迷(戻り売り圧力): 一度急落した後も、この「5兆円超のしこり(含み損を抱えた買い残)」が重石となり、株価が少しでも反発すると「やれやれ売り(建値決済)」が降ってくるため、本格的な相場の回復に長い時間を要しました。
「2006年当時」と「今(現在)」の決定的な違い
過去の歴史を振り返ると恐ろしくなりますが、プロのアナリストとしては「当時と今では市場の吸収力が違う」という冷静な視点も併せてお伝えしなければなりません。
• 市場全体の時価総額(パイの大きさ)の違い
• 2006年当時の東証1部の時価総額: 約500兆円
• 現在の東証プライム市場の時価総額: 1,000兆円以上
つまり、同じ「5兆円〜6兆円」の買い残であっても、市場全体に対する比率(インパクト)は、現在のほうが相対的に小さくなっています。1日の売買代金も当時の2倍以上に膨らんでいるため、昔のように市場全体が完全に機能不全に陥るリスクは低減しています。
これらのデータを、「週末の先物急落(51,250円への暴落)」と組み合わせると、非常に厳しいシナリオが浮かび上がります。
金曜日時点では評価損益率が-5%程度で耐えていた5.8兆円の信用買いポジションが、週明けの2,000円近いギャップダウンによって、一気に個人投資家がマイナスの致命的な含み損に突き落とされることになります。
これにより、月曜日から火曜日にかけて、資金的余裕のない個人投資家の「追証(追加証拠金)回避のための投げ売り」や「強制決済売り」が連鎖的に発生する可能性が極めて高いです。
先ほどのエリオット波動の「第A波(あるいはC波)」の強烈な下落は、この信用買い残のパニック売りが燃料となって引き起こされると考えられます。
相場が本当に底を打つのは、この「5.8兆円の買い残」が投げ売りによって綺麗に整理され、騰落レシオが70台まで低下し、空売り比率が45%を超えた時(セリング・クライマックス)になると考えております🐟
底打ちを見極める4つの重要データと目安
1. 信用評価損益率:パニックのバロメーター
• 底打ちの目安: -15% 〜 -20% (最悪期は-25%)
現在(3/19時点)は「-5.97%」でしたが、これが「-15%」を超えてくると、個人投資家の多くが含み損に耐えきれなくなり、証券会社からの「追証(追加証拠金)」の警告が鳴り響き始めます。さらに「-20%」に達すると、自らの意志に関係なく強制的に決済される(ぶん投げさせられる)レベルとなり、歴史的に見てもこの水準が強力な「底打ちシグナル」となります。
2. 空売り比率:反発のためのエネルギー(燃料)
• 底打ちの目安: 45%以上 が数日続く(極端な場合は50%超え)
現在(3/27時点)は「41.0%」でした。パニック相場になると「まだまだ下がる」と恐怖に駆られた投資家や、ここぞとばかりに売り叩くヘッジファンドによって、空売り比率が急上昇します。
これが45%〜50%という異常値に達すると、「売るべき人は全員売った」状態(極度の売られすぎ)になります。空売りはいずれ「買い戻し(ショートカバー)」をしなければならないため、この比率が異常に高まった翌日〜数日後は、強烈なリバウンドが発生しやすくなります。
3. 騰落レシオ(25日):市場全体の売られすぎ度合い
• 底打ちの目安: 70割れ (60台に突入すれば大底圏)
現在(3/27時点)は「99.10」と中立でした。これが連日の下落によって70を下回ってくると、東証プライム市場のほとんどの銘柄が売られすぎている状態を示します。過去の〇〇ショックと呼ばれる暴落時も、概ね騰落レシオが60〜70台に突入したあたりでセリング・クライマックスを迎えています。
4. 出来高の急増 + チャートの「長い下ヒゲ」
• 底打ちの目安: 普段の2〜3倍以上の大商い(売買代金5兆〜6兆円超えなど)
データだけでなく、その日の「値動き」も重要です。株価が暴落し、個人投資家の絶望的な投げ売りが出たところを、大口の機関投資家が「底値で全部買い拾う」ことでセリング・クライマックスは完成します。
この時、チャートには「記録的な大商い(出来高の急増)」と、日中の大暴落から一気に買い戻されて引ける「長い下ヒゲ(ローソク足)」が同時に出現することが多いです。これが最も視覚的にわかりやすい大底のサインです。
次回は僕たちトレーダーが知っておくべき
市場のプレイヤーについて解説していきます。
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