まだ頑張れる、と思う日ほど。
「まだ頑張れる」
そう思っているときほど、呼吸は静かに浅くなっている。
気づけば、また、息を詰めていた。
やれることがあるなら、今やったほうがいい。
それが、わたし以外の誰かのためになるなら、なおさら。
そう思えることは、きっとわたしの優しさでもあるのだろうけれど、気づかないうちに、自分の中の大切な「余白」まで埋めつくしてしまっていることがある。
完璧にこなしたい気持ち。
期待に応えたい気持ち。
迷惑をかけたくない気持ち。
それらは全部、わたしを前へ進ませてくれる力でもある。
だけれども、その力に背中を押されるまま走り続けていると、ふとした瞬間に、自分の呼吸だけが追いついていないことに気づく。
頑張り屋さんほど、息を詰めることが、上手なのかもしれない。
苦しいわけじゃない。
むしろ、まだ頑張れる。
そう思っているときほど、呼吸は、静かに浅くなっていく。
気持ちを張りつめたまま、一日を走り抜けて、家に帰って、家事をする。
ひと通りやり終えて、ようやく落ち着いて座れたとき。
「あれ?今日、ちゃんと呼吸できていたかな」と、思う夜がある。
「余白」って、何もしない時間のことだけではないのだと、つくづく思う。
ほんの数秒、深く息を吐いて、新たな空気を吸うこと。
すぐに返そうとしていた言葉を、少しだけ胸の中に置いてみること。
次の予定の前に、空を見上げること。
そんな小さな「間」があるだけで、心の中に風が通ることがある。
息を吐いて、少し間があって、また自然に吸う。
その繰り返しがあるから、前へ進めるのかもしれない。
頑張り屋さんこそ、「余白」を持っていていい。
いや。きっと、頑張り屋さんだからこそ、「余白」が必要なのだ。
息を詰めて走り続けるのではなく、呼吸をしながら歩いていくために。
今日の自分に、ほんのひとつ分の深呼吸を。
それだけで、きっと十分なのだと思う。
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