水の音で、水泳は変わるかもしれない
「中原コーチ、今の音どうだった?」
今日のレッスンで、男の子が何度も聞いてきました。
去年の10月くらいから一緒に練習している子です。
最初は、水が本当に怖かった。
顔をつけるのも怖い。
鼻からぶくぶく息を出すのも怖い。
でも、お家の人とプールには行っていたみたいで、最初に見せてくれたのが、ビート板をぎゅっと握ってのバタ足でした。
ただ、そのキックが、
「バシャバシャバシャ!」
と、水しぶきだけが大きく上がるキックだったんです。
膝だけが曲がって、太ももが動かない。
水を押すというより、水を叩いているような感じ。
だから、頑張っているのに進まない。
むしろ疲れてしまう。
でも、本人は一生懸命なんです。
だからこそ、
「違うよ」
だけでは変わらないなと思いました。
この半年で、その子は少しずつ変わっていきました。
潜れるようになった。
浮けるようになった。
そして、またバタ足の練習へ。
でも、やっぱりキックは昔のクセが残っていました。
どうやったら伝わるかな。
補助をしたり、足を持ったり、動きを説明したり。
でも、なかなか感覚が繋がらない。
そこで今日は、ちょっと違うことをしてみました。
「水の中で、音を聞いてごらん」
そう伝えました。
まずは、いつものキック。
「パチャン、パチャン、パチャン」
水を叩く音。
次に、太ももから動かして、水の中へ足を落とすようなキック。
「ズドン、ズドン、ズドン」
水の中に響く音。
そして伝えました。
「ズドンの音のほうが、水を押せてるよ」
「この音になるようにやってみよう」
すると、その子が少しずつ変わり始めました。
キックをするたびに、
「今のはズドンだった!」
「これはちょっとパチャンだった…」
と、自分で確認し始めたんです。
水泳って、見えないことが多いです。
足の動きも、自分では見えない。
水の感覚も、言葉だけでは分からない。
だから、
「なんでできないの?」
ではなく、
“自分で確認できる材料”
を渡してあげることが大事なんじゃないかなと思っています。
今回は、それが“音”でした。
もちろん、音だけですべてが解決するわけではありません。
でも、
「良いってどんな感じ?」
「悪いってどんな感じ?」
を、自分で感じられるようになると、子どもは少しずつ自分で上達し始めます。
僕はそこを、すごく大事にしたいです。
水泳は、
ただ頑張らせるだけじゃなくて、
「分かる」
「感じられる」
「できたかも」
を増やしていくことが大切なんだと思います。
今日も、そんなことをプールで感じました。
笑顔で来て、笑顔で帰る
楽泳スイミング
