「やばいよ」から「気持ちいい」へ。2回目のパーソナルレッスンで見えた変化
先週のレッスンでは、
「やばいよ、やばいよ」
そんな言葉が何度も出てきました。
もちろん悪い意味ではなくて、
驚きや発見や、今までとは違う感覚に出会ったときの「やばい」でした。
そして今日。
2回目のパーソナルレッスンでは、その「やばいよ」は出ませんでした。
その代わりに、たくさん出てきた言葉があります。
「気持ちいい」
この言葉を聞けたことが、僕はとても嬉しかったんです。
前回は45分かけて見つけた感覚が、今回は25分ほどで「これなら大丈夫」と思えるところまで戻ってきました。
たった1回のレッスンでも、体はちゃんと覚えているんだなと思いましたし、
何より、ご本人の中に安心材料が増えてきていることが大きな成長だと感じました。
今回のレッスンでは、
潜ること
浮かぶこと
スタートの復習
まずはここを丁寧に確認しました。
前回時間をかけて練習した「力を抜いて動く」という感覚。
これが少しずつ自分のものになってきていて、
最初の復習の段階で、もう表情が違っていました。
泳ぎって、ただ形を覚えるだけではなくて、
「これなら自分は大丈夫」
そう思える安心感がすごく大事なんだなと、改めて感じました。
そして後半は、新しくキックの練習へ。
今回お伝えした大事なことは、
バタ足は進むためだけのものではない、ということです。
バタ足は、
浮くため
体のバランスを取るため
手を回したときに体がぶれすぎないようにするため
そんな役割がとても大きいんです。
でも、多くの人が
「バタ足は強く打つもの」
「水しぶきをたくさん上げるもの」
と思っています。
ビート板を持って、バシャバシャと激しく打つ。
たしかに、そういうイメージを持っている方は多いです。
でも、進むためだけにキックをしようとすると、
どうしても力みやすくなります。
すると、足はどんどん硬くなっていきます。
実際に今回も、最初にキックを見たときは、
膝がピーンと伸びたまま動かす、いわゆる棒キックのような状態でした。
このキックだと、足の甲やすねで水をうまく後ろへ送れません。
上と下には動いていても、後ろへ水を送る感覚が出にくいんです。
だからまずは、
「うまく蹴ること」ではなく、
「自然に膝が動くこと」
ここから練習を始めました。
壁に手をついて、立った状態で練習です。
片手を壁に置いて、体がぐらつかないようにする。
その状態で、足を前、後ろ、前、後ろと動かしていきます。
ただし、足先だけを動かそうとするのではなく、
膝が前にも後ろにも動くように意識してもらいました。
この動きができると、足先だけではなく、
太ももから動くキックに少しずつ変わっていきます。
さらに、足だけで無理に動かすのではなく、
腰のひねりも一緒に使っていきました。
たとえば右足を後ろに動かすときには、
右の腰が少し右後ろへ傾いていくような感覚です。
動かすというより、ふわっと傾く感じ。
その腰のひねりと一緒に足が前後すると、
無理がなくなって、膝も自然にやわらかく動いてきます。
力で蹴るキックではなく、
脱力したキック。
頑張って打つキックではなく、
体の流れの中で自然に動いていくキック。
そこを目指して練習しました。
そして次に、気をつけの姿勢で両足をそろえて、
今の動きをそのまま使ってみる。
すると形としては、バタフライキックのような動きになります。
でも、ここで大事なのは
「バタフライのキックをやること」ではなく、
浮いた状態でも膝が自然に動く感覚を覚えること。
そこから最後は、
右足、左足と交互に動かすクロールのキックにつなげていきました。
こうやって書くと技術練習なんですが、
今日のレッスンで僕が一番嬉しかったのは、実は練習の最後に聞いたお話でした。
先週のレッスンのあと、
ご本人が家で奥さまに
「今日、こんな練習をしたよ」
と話されたそうなんです。
すると奥さまが、
「え、それ私にも教えて」
と言ってくださったそうで。
そこから家でも水泳の話になって、
今度は
「じゃあ練習に行ってくるわ」
となったときに、
「私も行く」
さらに娘さんも一緒に、
家族でプールに行く流れになったそうです。
その話を聞いたとき、
僕はすごく嬉しくなりました。
ただ泳ぎ方を教えるだけじゃなくて、
水泳が家族の会話になっている。
水泳が家族で一緒に動くきっかけになっている。
それって、すごく素敵なことだなと思ったんです。
レッスンをしていると、
つい「何メートル泳げるようになった」とか
「フォームがどう変わった」とか
そういう目に見える変化に意識が向きやすいです。
もちろんそれも大事です。
でも、本当に嬉しいのは、
水泳がその人の人生の中で、あたたかい時間をつくっていること。
家族で会話が増えたり、
一緒に出かけるきっかけになったり、
「やってみようかな」が生まれたりすること。
そういう場面に出会えると、
ああ、この仕事をしていてよかったなと思います。
水泳は、ただ泳げるようになるためだけのものじゃない。
できなかったことができるようになる喜びもあるし、
体が気持ちいいと感じる瞬間もあるし、
家族とつながる時間にもなる。
そんなふうに、水泳を通して人生に関わっていけるようなレッスンを、
これからもしていきたいと思います。
今回の2回目のレッスンは、
「やばいよ」から「気持ちいい」へ変わった時間でした。
この変化は、泳ぎの変化でもあり、
心の変化でもあるんだと思います。
少しずつ、でも確実に。
その人の中にある「できるかも」が育ってきている。
その時間を一緒に見られることが、
僕にとって何より嬉しいことです。
笑顔で来て笑顔で帰る 楽泳スイミング
