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#203 非正規制度つくった人たちを一生恨む

こんにちは、立竹落花です。
今朝、同僚から以下の記事を教えてもらいました。

Yahoo!のリアルタイム検索の話題キーワードでも、「非正規制度つくった人たちを一生恨む」というタグが一時2位に浮上するなどかなり話題になっていたようですね。

今までnoteでは、「司書の~」と書いておきながら、あまり図書館のことを書いてきませんでした。
司書であるアイデンティティが強い反面、毎日強い葛藤を持って働いているので、うまく形にできなかったというのが正直なところです。

ですがこの記事が話題になり、書いてみようという気持ちになりました。
本記事ではあくまで立竹落花個人の主観として、図書館司書の実態、そしてジレンマを書いていこうと思います。

素敵な仕事ですねと言われること

リアルでも、SNSでも、そしてこのnoteでも言われることがあります。
それは、「図書館司書だなんて素敵な仕事ですね」という言葉です。

もちろんそう言われるのは、とても嬉しいです。
僕は司書の仕事が好きですし、僕の一つのアイデンティティになっていますから。
ですが反面、複雑な胸中を持っているのも事実です。

なぜなら最低限度の生活ができるか否かのギリギリの収入しかいただくことができていないからです。

図書館司書の実態

僕は非正規雇用の図書館司書です。
仕事自体は好きではありますが、待遇は全くよくありません。
今や図書館司書の仕事をしている人の大半は非正規雇用です。
2023年時点では全体の76%が非正規雇用という統計もあります。
おそらく今ではもう少し上がっていることでしょう。

年収でいえば300万円にも届きません。
責任者の僕ですらこの体たらくですから、そうでないスタッフはこれよりも少ないです。そういうスタッフの方が多いのが実状なのです。
非正規の中にもさまざまな種類があるのですが、収入がとても少ないという意味ではどの立場も共通しています。

そしてもちろんこれは週5フルタイムで働いての収入です。
中には退職金や賞与をいただている方もいますが、僕はもらっていません。
これに不満を覚えている人はたくさんいますし、それを国会で訴えている方々が上記の記事に書かれた人たちです。
ですがこの話を伝えると、こういう声も挙がってきます。

「好きな仕事をしているんだからいいじゃないか」
「収入に不満があるならやめればいいじゃないか」

ごもっともな部分もあります。
僕が関わった他の司書の方と話していると、自分の仕事に誇りを持っている方がとても多いです。
「この仕事が好きなんだな」と感じられることがとても多いです。

でも、だからといって最低限度の生活が脅かされる恐怖を感じなければならないのでしょうか。
収入に不満があるからやめる。もちろんそれは真っ当です。
ですが、それで自分の好きな仕事を手放さなければならないというジレンマに多くの図書館司書は悩まされていると思います。
自分の仕事に情を持ちすぎだよと言われればそうなんですけどね。

上記の記事で訴えている皆様は、何も大金をよこせと言っているわけではありません。
仕事量や責任に見合った給料、最低限度の生活ができる給料を望んでいるだけなのです。
……まあ、これは多くの国民の皆さんが訴えたいことかもしれませんね。

自治体や国は、図書館になるべくお金をかけないという選択肢を今でも取り続けています。
「来年度はまた予算が削られる」という言葉を、毎年毎年上長の口から耳にします。
極論にはなりますが、このまま図書館司書の非正規問題を野放しにしていては、将来日本から図書館が消える可能性も出てくるかもしれません。

だから長い目で見て、図書館の存在を後世まで続けるべく、上記の記事の皆様は戦っているのだと思います。

「非正規」って差別用語では?

仕事にはやりがいがある。だけどそれに見合った収入はもらえない。
これを「やりがいの搾取」と僕たちは呼んでいます。
そうなってしまったのは、日本に「非正規雇用」という働き方が生まれたからというのが大きいです(それが全てではありませんが)。
僕はこの「非正規雇用」という言葉が好きではありません。

正規とは
正式に決められていること。また、その決まり。

oxford languageより引用

つまり、図書館で働く7割以上の職員の皆さんは「正式に決められていない」形で働いている人たちだということです。
それなのに、図書館の仕事の根幹を担っている人が多いのです。
ちなみに言えば、図書館の館長も非正規である例が増えています。
それだけでもいかに図書館司書の実態がおかしなことになっているかがわかると思います。

個人的に僕はこの言葉は差別用語だと思っています。
人に対して、仕事に対して「非」という漢字を使うことって、冷静に考えれば決してあってはならないことなのではないかと。
「非」の漢字を背負っている人たちに重い責任を背負わせている国や自治体——恨まれても致し方ない部分はあると思います。

終わりに

図書館の仕事は好き。
だけど見合った収入をもらえないから手放すor手放したい。
そんな人を僕はたくさん見てきましたし、note上で「司書」と銘打っていますが、僕も毎日そのジレンマに悩んで働いています。

ここまで司書のことを書いてきました。
しかし、非正規の問題は、司書に限ったことではありません。
介護士や看護師、さらには学校の先生など——図書館司書以上に社会を支えている人たちもこの問題を抱えています。

資本主義——お金が生活をするうえで一番重要な社会である限り、僕たち非正規で働いている人々は、この問題にぶつかることと思います。
僕は司書の端くれとして、この問題と戦っていきたいです。

この記事が、僕たち図書館司書の実態や非正規雇用について、少しでも知られる機会になったらこの上ない喜びです。
ここまで読んで下さって、ありがとうございました。




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