見出し画像

アニメ『異国日記』が終わって

終わってしまった。
原作7巻のとこでアニメは最終回になってしまった。
残り8~11巻はやらないの?!
11巻の最終話読んで大号泣した身としては、あそこまでアニメにして欲しかったよう(涙)

なんて思いましたが、アニメはとっっっっても良かったです!
 今期のアニメで1番良かった!(2番はフリーレン)
こんなにも丁寧に槙生ちゃんと朝ちゃんの心模様を描いてもらえるなんて。
こんなにも声がピッタリ、はまるなんて。
ほんとうに素晴らしいアニメでした。

ということで感想を書きましょう。


異国日記はとにかく名言が多く、刺さる言葉ばかりなのでどれか選べと言われたら相当悩みますが、
やっぱり最終回、朝ちゃんの校内ストリートライブを見た後の千世ちゃんのこのセリフ⬇

「I witness you」

なにそれ、かっこいい!
って言っちゃうのは朝ちゃんですが、私もそう思いました。
かっこいいよ、千世ちゃん。

「I witness you」は
「あなたを見ている」
「あなたの行動を見届ける」という意味ですが、
「あなたの努力を見ているよ」
「あなたの頑張りを見ているよ」という応援の意味が込められている言葉だそうです。

これ、千世ちゃんは自分自身にも言っているのかなって思いました。
医学部入試の女性差別問題で心が折れた千世ちゃん。
しばらく登校しなかったのでしたが、ばったり駅のホームで朝ちゃんと会います。
その朝ちゃんに「自分の人生、終わったと思った?」と聞く千世ちゃん。
両親を事故で亡くした朝ちゃんに向かって何を…と原作読んだときも胸が痛くなる瞬間でしたが、そのあとの朝ちゃんの

「思わない! 終わってない!!」
「生きてるから!!」
の言葉。

原作でも泣きましたが、アニメでも泣きましたがな。

両親の死と、孤独との向き合い方を探して、彷徨って彷徨って、乗り越えた朝ちゃんだからこそ、心から出てきた言葉なのだと思いました。
そんな朝ちゃんが誰かのために、ほんの少しでいい、世界を変えたいと思って校内ストリートライブで歌う姿には心打たれるものがありました。
その朝ちゃんに向かっての「I witness you」

見ているよ
だから私のことも誰か見てて欲しい

そんな千世ちゃんの思いが込められていたのかな、と思いました。


また、この異国日記はアニメオリジナル(アニオリ)の演出がとても秀逸で、うまいなぁと何度も唸りました。
最終回の母・実里と父・はじめが小さな朝ちゃんを間に挟み、手をつなぎあってる描写なんてたまらなかったです。
小さかった朝ちゃんがどんどん大きくなって、独りぼっちで砂漠に立つ。
でも砂漠に水をやり、オアシスができて、その向こうにはストリートライブを聞いてくれる観客たちがいる。
なんつー憎いアニオリ入れてくるんですか。
そういやこのアニメ作成してるの「朱夏」でしたね。
夏目友人帳作ってますもんね。
うーん、さすが。


ほかにも8話だったかな?
孤独を持て余し、どうしていいか分からない朝ちゃんに、嘘でも優しい言葉をかけない槙生ちゃん。
その槙生ちゃんの小説を読んで、声をあげて泣く朝ちゃんの「おとうさんとおかあさん 死んじゃった」のシーン。

涙腺が……
やっと父と母の死を「現実」として受け入れた大切な場面で、その大切なところで朝ちゃんの声を担当している森風子さんの演技が素晴らしく、もう涙が止まらなくなりました。
声優さんて、すごい。


あとどうしても気になったのは亡くなった朝の母・実里(槙生の姉)と同じく亡くなった父・はじめです。

実里の孤独や苦しみ、父・はじめの虚無感の伝え方がアニメの方が声のトーンやちょっとした動作などで、マンガでは分かりにくかった部分が補完されました。
こういうところがアニメのいいところだな~なんて感じていました。
それにしてもほんと、はじめは「虚無」でしたね。
これは多分ですが育った環境の影響が大きいんじゃないかと。
この辺り原作でも深堀りされていないので想像でしかないのですが、(子どもができても)結婚はしない、でも父親としてはできる限りのことはする、という積極的とはいえない選択肢を選んだのは、はじめなりのけじめなのだと思いますが、余程のことが過去にあったのだろうと考えてしまいました。

結婚だけはしたくない、なにか。

そう考えるとあれだけ「普通」にこだわった実里は、なぜはじめを選んだんだろうと不思議でなりませんでした。
実里の朝への言葉「なりたいものに、なりなさい」は、なにものにもなれなかった実里の苦しみから出てきた言葉と考えられそうです。
子どもである朝にはなりたいものになって欲しいという願い。
それは既に「なにもの(小説家)」になっている妹・槙生の影響が強いのではないかと感じました。

しかし死んでしまった2人のことは想像するしかなく。
残されたものはこうやってあれこれ考えるしかなく。
それを朝ちゃんは1人で抱えるしかなかったんですよね。
それは「大きな穴を覗き込むような作業」だったんですね。


槙生ちゃんの朝ちゃんに対する気持ちの変化や、笠町くんとの関係性、お姉さんである実里への思いが変わっていく様など本当に丁寧に描かれていて、上質なアニメーションてこうも心地よいものなのかと、心が満たされました。
また声を担当した沢城みゆきさんがあまりにも槙生ちゃんそのもので、素敵!ってなりました。
声優さんて、すごい。(2度目)

槙生ちゃんの生きづらさは見ていて苦しくなることがありますが、ここまで言語化できて、俯瞰で物事を見れる人が近くにいてくれたらいいな、って何度か思うことがありました。
槙生ちゃんみたいになりたいとまでは思わないのですが、なんか魅力的なんですよね。
あそこまで突き抜けた才能があって、周りの人に恵まれていて、日常的なことはできないことが多くとも、編集さんとキチンと打合せて、サイン会もやって、作家仲間のじゅのさんと交流を持ち、えみりママとお付き合いできる常識的な一面もある。
そういうとこが羨ましかったりします。
かっこいいんだよなぁ、槙生ちゃん。


異国日記に出てくる人物はみな、何かしらの生きづらさを抱えながら生きていて、原作ではこの後、えみりの同性愛の話が進んでいきます。
アニメではそこまで踏み込まなかったでしたね。
色々難しいのかな?

高校の校内の場面ではかなりリアリティがあり、思春期独特の脆さ、はかなさ、残酷さ、むき出しのエゴや葛藤などが分かるシーンがさらっと流れていきます。
あぁ、学校ってこんなだったよね、と口の中が苦く感じる場面がうまく演出されていて、こういうのうまいなぁと感心しながら観ていました。

そして、ともすれば重々しい物語になりそうなところを朝ちゃんの幼さからくる屈託のなさ、愛されて育ってきた人が持つ素直さが澄んだ空気を生み出していました。
この空気こそが『異国日記』なのではないかと。


そしてそしてOPとEDの曲がとっても素晴らしかったでしたね!
OPはTOMOOさんの「ソナーレ」
EDはBialystocksさんの「言伝(ことづて)」

「ソナーレ」を校内ストリートライブ歌う朝ちゃんがまた良いので貼っておきます⬇
部長、ギターうまっ!
そして朝ちゃんの歌、いいねぇ〜

とりとめもなく語ってしまいましたが、ほんとうにいいアニメでした。
終わってほしくなくて、ちょっとロス気味です。
この後が気になる方はぜひ原作読んでいただきたいです。

ちなみに春アニメで気になっているのは、ダントツ『黄泉のツガイ』だ!!!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集