🧸育児エッセイ|スピノサウルスのトサカを見つけた日
息子と行った公園で、今日から新しい遊びが加わった。その名も「化石探し」。
大きい石から小さい石まで。
形に特徴のある石、いや「化石」を見つけて並べていくのだ。
息子の解説までついてくるのだが、これが面白い。
「平べったいこちらの化石は、
現在見つかったミノカサゴの化石です」
「こちらは現在見つかった、
ギガノト(サウルス)の筋肉です」
「こちらはティラノの寄生虫の化石です」
いつの間に覚えたのかわからない単語たち。
流暢に話すことばの中にたくさんの成長が見える。
知っていることばをを思い出しては並べているのだろう。
思わず顔が綻ぶ。まだまだたくさん聞きたいと思った。
「見てみて!こんな化石を見つけたよ!」
細長い木の棒を見つけて息子に渡す。
すると息子はニヤリと笑い、渾身の紹介を披露してくれた。
「ママ、いいものを見つけたねぇ!
これはクジラの骨みたいな、ホネクイハナムシによく似ているけどちょっと違うくて、ティラノサウルスの筋肉みたいでしょう?
実は、スピノサウルスのトサカなんだよ」
一生懸命ことばを紡ぐ健気な姿、真剣な眼差し。
そして発せられることばの奇想天外さ。
そのギャップが可愛くて、堪えきれず声を出して笑ってしまった。
そうなんだねぇ、いろんな化石を知っているんだねぇ。
いっぱい勉強したんだね。
そう言いながらぷくぷくのほっぺを触る。
息子は照れくさそうにニコッと笑う。
5時の音楽が流れる。帰る時間だ。
たくさんの親子連れて賑わっていた公園だが、気がつけば数組になっていた。
「帰ろうか。」
砂だらけになった小さな手を取る。
もう片方の手にはスピノサウルスのトサカの化石が握られていた。
化石の山を後にする。
歩きながら公園を見渡した。
砂場に残っている砂の山。
滑り台の下に集まっているどんぐりたち。
見過ごしそうな小さなものだけれど、
それらもどこかの親子の、小さな思い出の跡なのだ。
そう思ったら懐かしいような切ないような気分になった。
「ちょっと待っていてね」
息子にそう言って小走りで化石の山に戻り、写真を撮った。

この小さな思い出を、残しておこうと思った。
なにも特別なことはない、平凡な日常の切り取り。
それをnoteで綴るのが、わたしのひとつの趣味になりつつある。
あの化石の山のように、数年後にはこのnoteも宝の山になっているのだ。
その日が楽しみで仕方がない。

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