わたしいきてる〜第14話 入院6日目。5日ぶりの意識回復でぴーちゃん浦島太郎になる
8月3日~入院6日目。
昨日のMRIの結果がよかったようで、午前10時、報告があった。
『人工呼吸器を抜管し、その後、鎮静剤ドルミカムもストップしたところ、意識が回復しました。』
ぴーちゃん、5日ぶりに意識回復!!!!
戻ってきてくれた!!ほんとにうれしい!!
しかしながら、ほっとしたのも束の間、
【ぴーちゃんが自分の『今』を受け入れられるのか?】
という不安が私を襲ってきた。
目が覚めたぴーちゃんに会える喜びと、不安と両方の感情を抱えて、私はICUのドアを開けた。
私が想像していた通り、ぴーちゃん質問の嵐が始まった。
ぴーちゃんはまだ話せないようだった。
でも、私とぴーちゃんは言葉がなくても意思疎通できるという特技を持っている。
ぴーちゃんが話せなくても、表情と行動で何を言いたいか、私はだいたいわかる。
点滴を見ては、
『なにこれ?』
心電図を触っては
『なにこれ?』
頭を触り、
『なにこれ?髪は?』
ぴーちゃんの質問にすべて子供だましや、まやかしではなく、すべて正直に答えた。
そして、ポニーテールできるくらいの長さにやっと伸びた髪がないことに気づいたぴーちゃんは、尼さんのように丸刈りされたことに怒っているように見えた。
私はぴーちゃんに伝えた。
「髪はまた生えてくるから大丈夫!
いのちの方が大切だからね!」
ぴーちゃんからしてみたら、あの意識朦朧中の決死の叫びから、もう5日も経っているなんて思ってもないだろう。まるで浦島太郎だ。
私は、そんなぴーちゃんを見ながら、5日前、意識があるかないかのギリギリの状態で、自分が危機的状況だということがわかっているかのような、
『ママ、祈ってよ!
私が助かるように祈ってよ!!』
と、叫びながら必死で助けを求めるぴーちゃんをつい数時間前の出来事のように思い出していた。
ぴーちゃんは今の自分の状態をどう思っているのだろう。
今の私たちにとって、ネガティブは敵だ。
『言葉には最大限に気を遣うようにしよう』
と思った。
続く
