医師・医学生1,158人に聞いた「使っているAI」ChatGPT一強?それとも医療特化AIの時代?
2026年度春現在、医師や医学生はどんなAIを使っているのでしょうか。
ChatGPTなのか。
Geminiなのか。
それともOpenEvidenceやPerplexityのような、医療・検索・論文に強いAIなのか。
今回、医師・医学生を対象としたアンケートデータをもとに、
「どのAIが使われているのか」
「何の目的で使われているのか」
を分析してみました。
対象は、全回答1,745件のうち、職業が「医師」「医学生」と回答されていた1,158件です。
内訳は、
医師:893件
医学生:265件
でした。
私自身はChatGPT中心。でも用途でAIを使い分けるようになってきた

まず、私自身のAI利用について少し書いておきます。
私は普段、ChatGPTを中心に使っています。
記事作成、文章の整理、アイデア出し、医学コンテンツの構成、画像診断に関する説明文の作成など、かなり幅広く活用しています。
一方で、Geminiは画像生成、特にNano Banana Proを使う場面が増えています。
医学記事のインフォグラフィックや、SNS投稿用の画像、アイキャッチ画像などを作るときには、テキスト生成AIとはまた違った便利さがあります。
さらに最近は、Claude Codeの勉強も始めました。
WordPress記事の整理、データ分析、サイト改善、自動化など、今後かなり使えそうだと感じています。
つまり、私自身も、
文章・構成・相談はChatGPT/Claude
画像生成はGemini / Nano Banana Pro
コードや自動化はClaude Code
というように、少しずつAIを使い分けるようになってきました。
では、医師・医学生全体ではどうなのでしょうか。
最も使われていたAIはChatGPT

今回のアンケートで最も多く名前が挙がったのは、やはりChatGPTでした。
医師・医学生1,158人のうち、ChatGPTに言及していた回答は497件。
割合にすると、42.9%でした。
職業別に見ると、
医師:383件、42.9%
医学生:114件、43.0%
でした。
ここが面白いところです。
医師でも、医学生でも、ほぼ同じ割合でChatGPTが使われていました。
つまり、ChatGPTはすでに、医師・医学生に共通する「標準的なAIツール」のような位置づけになっているのかもしれません。
Geminiは医学生でやや多い

ChatGPTの次に多かったのはGeminiでした。
全体では126件、10.9%。
職業別に見ると、
医師:9.2%
医学生:16.6%
と、医学生でやや多く使われていました。
GeminiはGoogle系のAIであり、検索との相性、スマホでの使いやすさ、画像生成機能などがあります。
医学生の場合、講義資料の理解、レポート作成、調べもの、日常的な学習補助として使いやすいのかもしれません。
また、画像生成AIとしての利用も今後増えていきそうです。
OpenEvidenceは医師寄り

一方で、特徴的だったのがOpenEvidenceです。
OpenEvidenceは全体では48件、4.1%でした。
ただし内訳を見ると、
医師:45件
医学生:3件
でした。
つまり、OpenEvidenceはかなり医師寄りのAIといえます。
これは納得感があります。
OpenEvidenceは、医学論文、疾患、治療、エビデンス確認など、より臨床に近い文脈で使われやすいAIです。
ChatGPTが汎用的なAIだとすれば、OpenEvidenceはより医療特化型のAIに近い存在です。
現時点では、利用者数としてはChatGPTが圧倒的に多いですが、医師の中ではOpenEvidenceのような医療特化AIも使われ始めているようです。
医師はAIを「調べる」「整理する」「書く」ために使っている

AIの使用目的を見てみると、医師で多かったのは、
医学知識・疾患調査
論文検索
文献整理
抄読会準備
文章作成
メール作成
英語論文の要約
などでした。
特に医師では、論文検索・抄読会・文献整理が比較的多く見られました。
AIを診断そのものに使うというよりも、
医学情報を短時間で整理する補助ツール
として使っている印象です。
たとえば、
「この疾患についてざっくり整理したい」
「鑑別診断を抜けなく確認したい」
「論文を読む前に概要をつかみたい」
「メールや説明文のたたき台を作りたい」
といった場面です。
医師にとってAIは、すでに単なる“おもしろツール”ではなく、日々の情報整理や文章作成を助ける実用的な道具になりつつあると感じます。
医学生はAIを「学習・試験対策」に使っている

医学生で特徴的だったのは、学習・試験対策です。
医師では学習・試験対策の割合は5.5%でしたが、医学生では31.7%でした。
かなり大きな差です。
医学生にとってAIは、検索ツールというより、
家庭教師
要約係
解説係
に近い使われ方をしているのかもしれません。
たとえば、
わからない医学用語を説明してもらう
講義資料を要約してもらう
試験問題の解説をしてもらう
CBT、卒試、国試対策に使う
レポートのたたき台を作る
といった使い方です。
わからないことをすぐに質問できる相手がいる、という意味では、AIは医学生にとってかなり便利な学習パートナーになっていると思います。
もちろん、AIの回答が常に正しいわけではありません。
医学教育で使う場合は、教科書、講義資料、ガイドライン、信頼できる医学情報と照らし合わせる姿勢が大切です。
AIを使っていない人も1割強いる

一方で、AIを使っていない人も一定数いました。
「使っていない」
「なし」
「使用していません」
などの明確な未使用回答は128件で、全体の約11.1%でした。
さらに、
「信用してよいかわからない」
「ハルシネーションが不安」
「あまり活用できていない」
といった慎重な回答まで含めると、148件、約12.8%でした。
医療分野では、これはかなり重要な視点です。
AIは便利ですが、誤った情報をもっともらしく出してくることがあります。
特に、診断、治療、薬剤、ガイドラインに関わる内容では、AIの回答をそのまま鵜呑みにするのは危険です。
医療者がAIを使う場合には、
AIを「答えを出す存在」としてではなく、「考える材料を整理する補助者」として使う
という意識が必要だと思います。
回答者は若手医師と高学年医学生が中心

今回のデータでは、回答者の中心にも特徴がありました。
医師では、1〜2年目が581件と多く、若手医師が中心でした。
医学生では、4〜6年生が多く、特に6年生が92件、5年生が59件、4年生が58件でした。
つまり、今回の結果は、医師全体・医学生全体を完全に代表するというよりは、
若手医師と高学年医学生におけるAI利用の実態
を反映している可能性が高いです。
この層は、AIへの抵抗感が比較的少なく、学習や日常業務に取り入れやすい世代なのかもしれません。
ChatGPT一強なのか?医療特化AIの時代なのか?

今回の結果を見る限り、現時点ではChatGPTが最も広く使われていることは明らかです。
医師でも医学生でも、ChatGPTは約43%で最多でした。
一方で、Gemini、OpenEvidence、Perplexity、NotebookLMなども一定数使われています。
つまり、現状は、
まずはChatGPT
画像生成やGoogle系の検索ではGemini
医療エビデンス確認ではOpenEvidence
検索・出典確認ではPerplexity
資料整理ではNotebookLM
というように、用途ごとに使い分ける流れが出てきていると考えられます。
今後は、「どのAIが一番よいか」ではなく、
何をしたいかによってAIを使い分ける
時代になっていくのだと思います。
まとめ

今回、医師・医学生1,158人を対象に、「使っているAI」と「使用目的」を分析しました。
主な結果は以下の通りです。
最も多く使われていたAIはChatGPT
ChatGPTは医師・医学生ともに約43%
Geminiは医学生でやや多い
OpenEvidenceは医師での利用が中心
医師は医学情報の整理、論文検索、文章作成にAIを使う傾向
医学生は学習・試験対策にAIを使う傾向
AIを使っていない人、慎重な人も1割強いる
AIは、すでに医師・医学生にとってかなり身近な存在になっています。
ただし、医療分野で使う以上、AIの回答をそのまま信じるのではなく、必ず人間が確認する必要があります。
これから重要になるのは、AIを使うかどうかではなく、
どのAIを、どの場面で、どこまで信頼して使うか
だと思います。
ChatGPT一強のようにも見えますが、医療特化AIや検索型AI、資料整理AIも少しずつ使われ始めています。
医師・医学生のAI活用は、これからさらに広がっていきそうです。
より詳しい集計表や、医師・医学生別の具体的な分析は、ブログ版にまとめています。
▼詳細分析はこちら
