胸部CT画像における「tree-in-bud appearance」とは?鑑別は?
胸部CT、とくにHRCT(高分解能CT)を読影するうえで、「tree-in-bud appearance(ツリーインバッド)」は非常に重要な所見のひとつです。
一見すると小さな点や枝状陰影に見えますが、その背景にはさまざまな疾患が隠れています。
この記事では、tree-in-bud appearanceの基本から鑑別疾患まで、臨床に役立つ形で整理して解説します。
定義
tree-in-bud appearanceとは、末梢気道(細気管支)の病変を反映するHRCT所見です。

具体的には、以下のような状態を表します。
細気管支内に
粘液
膿
異物
腫瘍成分
などが充満することで、
小枝の先に芽(bud)がついたような形状として描出されます。
そのため、名前の通り「木の枝に芽がついたような像」として認識されます。
CT所見の特徴
tree-in-bud appearanceには、いくつかの特徴的な画像所見があります。
① 小葉中心性結節
肺小葉の中心に小さな粒状影が出現します。
これは細気管支の炎症や閉塞を反映しています。
② 分枝状陰影
細気管支に沿って、枝分かれするような線状・結節状陰影が見られます。
③ 末梢気道のびまん性描出
通常は見えにくい末梢気道構造が、病的に強調されて描出されます。
④ 肺門から末梢へ連続する分布
陰影は肺門側から末梢へと伸びるように分布することが多く、
気道に沿った病変であることを示唆します。
主な原因疾患
tree-in-bud appearanceは特異的な所見ではなく、さまざまな疾患で認められます。
ただし、「感染性疾患」が非常に重要です。

■ 感染性疾患(最重要)
活動性肺結核(特に重要)
非結核性抗酸菌症(NTM)
細菌性肺炎
ウイルス性気管支炎
びまん性汎細気管支炎
誤嚥性肺炎
ポイント
「tree-in-bud=まず感染を疑う」という思考が臨床的に重要です。
■ 非感染性疾患
腫瘍関連病変
気道播種性腺癌
リンパ路浸潤
腫瘍塞栓
ポイント
感染だけでなく、腫瘍性・炎症性疾患でも出現するため注意が必要です。
読影のコツ
tree-in-bud appearanceを見たときは、次の視点で考えると理解しやすくなります。

① 分布を見る
片側か両側か
上葉優位か下葉優位か
限局かびまん性か
例:
上葉優位 → 結核を疑う
下葉優位 → 誤嚥性肺炎を考慮
② 併存所見を確認
空洞形成 → 結核や感染を示唆
気管支拡張 → 慢性炎症
すりガラス影 → 急性炎症
③ 臨床情報と統合
発熱・咳・喀痰
免疫状態
既往歴(結核・誤嚥など)
画像単独ではなく、臨床との組み合わせが必須です。
まとめ
tree-in-bud appearanceは、末梢気道の閉塞・炎症を反映する重要なCT所見です。
小枝+芽のような分枝状陰影が特徴
主な原因は感染症(特に結核・NTM)
分布と併存所見が鑑別のカギ
一見小さな所見ですが、見逃すと重要な疾患を見落とす可能性があります。
日常読影でしっかり意識しておきたいサインです。
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