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工場はフル稼働なのに、なんで街がこんなに静かなのか

中国の話をしたい。先週「金利を下げても誰も借りようとしない国」って話をしたけど、今日はもう一段、中国経済の面白い構造を掘り下げていきたいと思ってる。

昨日(6月30日)、中国で景気の体温計みたいな数字が出た。製造業の景況感を調べた指数が50.3。前の月の50.0から少し上がったんだ。

50という数字が「元気か、元気じゃないか」の境目で、50を超えてると「まあまあ元気」ってこと。一見良さそうに見えるよね。でも、この数字の中身をのぞいてみると、「あれ、これって本当に回復なのかな」って首をかしげたくなる話が出てくるんだ。

輸出だけが元気、という不思議な状態

今回の改善、実は輸出だけが引っ張ってるんだ。なんで輸出が急に伸びたかというと、アメリカが7月下旬から中国への関税をさらに強化する予定で、それを見越した「滑り込み発注」が起きてるんだ。「値上がりする前に今のうち買っておこう」っていうアメリカのバイヤーが、一気に注文を入れてきた。

これ、実はスーパーのタイムセールに似てる。「明日から値上がりします」って告知されたら、今日一気に買いだめするよね。その「買いだめ」が工場の受注になって、数字を押し上げてる。でも、セールが終わったら需要は一段落する。今回の改善も、その「一時的な駆け込み」の影響が大きいっていう見方が多いんだ。

それに、今回の輸出を牽引してるのはAI関連の製品が中心。AI向けの計算機みたいな機器が、前年比で6割も増えてる。これはAIブームの恩恵をしっかり受けてる部分ではあるんだけど、「一部の先端製品だけが伸びてる」って状況でもある。

一方で、国内は静まりかえってる

ここが今日いちばん伝えたいところなんだ。

輸出の数字とは裏腹に、中国の国内は全然元気がない。5月の国内の小売販売額(お店でどれだけモノが売れたか)が、前の年と比べてマイナスになったんだ。マイナスになるのは3年以上ぶりのことらしい。つまり、街のお店でお金を使う人が、去年より減ってるってことなんだよ。

しかも新築住宅の値段も、下がるペースがむしろ加速してる。前に「中国の人は資産の多くを家に持ってる」って話をしたよね。その家の値段が下がり続けてるから、みんな「自分の財産が目減りしてる」って感覚になって、ますます財布のひもが固くなる。工場の外では、人々がお金を使いたくない、使えないって状態が続いてるんだ。

これを一言で表すなら、「工場はフル稼働なのに、街が静かな国」って感じかな。外に向けては稼いでるけど、中では経済の血液が流れてないような状態なんだ。

見立て

この「外は元気、中は静か」っていう二重構造、実はとても不安定だと俺は思ってる。

なぜかというと、輸出って自分でコントロールできない部分が大きいからだ。アメリカが「やっぱり関税を強化する」と言えば輸出は止まるし、世界の景気が冷えれば注文も減る。AI向けの需要だって、波があることは先週火曜の記事で書いたよね。外からの風を受け続けることで何とか立ってるけど、風が止んだら……っていう怖さがあるんだ。

そして、内需(国内での消費)が育たない限り、この構造は変わらない。住宅の値段が下がり続けて、みんなが「財布を守ろう」と身をすくめてる状態では、政府がいくらお金を使いやすくしようとしても、なかなか消費には回らない。これは先週「金利を下げても効かない」と話した問題と、根っこで繋がってる話なんだ。

ただ、完全に悲観するわけでもない。中国政府は内需を支えるための政策を色々と打ってきてる。AI向けの補助金や、家電の買い替え促進策など。これらが効いてくれば、じわじわと状況が変わる可能性もある。今は「外の風頼み」から「自分の足で立つ」への移行期間、と見るのが俺の整理かな。

自分ならこう動く

俺が中国経済のこの構造から学んでることは、「数字の見出しだけ見て安心しない」っていうこと。

景況感の指数が「50を超えた、改善だ!」ってニュースが出ても、その中身が「一部の輸出だけ」だったら、それは本当の意味での回復じゃないかもしれない。相場のニュースも同じで、「上がった下がった」の数字より「なぜ上がったのか、それは続くのか」を考える癖をつけるほうが、ずっと大事だと思ってる。

チャートを見るときも、「この動きは本物のトレンドか、一時的な材料で動いてるだけか」を考えながら見てる。それを見分けるヒントが、こういう経済の背景にあることも多い。

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