【日本史ゆる解説①】日本に「人類」が上陸!文化がはじまる〜縄文時代〜
日本史の幕開け
意外と最近?
遡ること約700万年前━━━人類がこの地球に誕生し、人は長い年月をかけて数々の文明を築いてきました。
約260万年前には、アフリカ大陸で石器が使われていた形跡もあります。
つまり、人類の文明というのは、目が眩むほどの長い年月を積み重ねているものなのです。
と、たいそうなことを述べましたが、日本列島に人類が到達したのはたったの約3万8000年前とされています。
いやめちゃめちゃ最近やないかい。
と思わずツッコミが入ってしまうのは、宇宙が、地球が、ありえないくらいの膨大な時を過ごしているからなんだと思います。
ドラえもんの映画で、『映画ドラえもんのび太の日本誕生』というものがあります。
のび太が、まだ誰もいない日本列島に家出するという話なんですが、彼らが行き着いたのは7万年前です。
つまりあと3万年は、日本列島には人の営みなどなく、膨大な自然しか存在していなかったということになります。
手始めにみなさんの時間感覚を狂わせたところで、「日本史」のスタートラインに立とうと思います。
まず、この原始古代という範囲では、なぜか信じられないほどたくさんの遺跡の名前を覚えさせられます。
理由は簡単で、この頃はまだ文字がないので、遺跡からものを判断するしかないんですね。
ですので、遺跡そのものの名前というよりは、どこで何が発見されたのか、ということの方が歴史という学問においては重要な気もします。(受験生の皆さんへ。こうは言いましたが、試験には名前も出ますので、頑張って覚えましょうね。)
偶然が天才を呼ぶ
有名な登場人物として、相沢忠洋が挙げられると思います。
この人自身は縄文人ではなく(当たり前ですが)、1940年代から1989年に亡くなるまで活躍した考古学者です。
岩宿(群馬県)の関東ローム層と呼ばれる赤土から石器を発見し、日本にも先土器時代(※)があったということを提唱したということで有名ですよね。
※縄文の前、土器が出現する前の時代。それまで、日本には先土器時代は存在しなかったとされていた。
しかし、石器発見時、彼はいわゆる「素人」でした。
どうやら、本業は行商人の考古学オタクだったらしいんです。
そこで、色々と掘ってみていたら、なんだこれ?と石器を発見。
「これはどうやら自然にできたものではないぞ!」
大興奮の相沢。
大学教授が改めて研究してくれて(当時この発見は学会でも批判を浴びていたため、この教授はとてつもないファインプレーをかましています)、日本にも旧石器時代があったということが証明されたわけです。
すごい話ですよね。
大発見は近所で見つかる?
さらに、こんな例もあります。
大森貝塚。一度は聞いたことがあるかと思います。
貝塚とは、古代の集落のゴミ捨て場のようなものです。
これを発見したのは、アメリカの動物学者のモースです。
もはや日本人でも考古学者でもなくなりました。
彼が貝塚を発見したのは、なんと鉄道に乗っている時。
大森駅のあたりで、崖に貝殻が積み重なっているのを見つけたのです。
「おい、あれはなんだ」
「はあ、ただの崖ですけど...」
「いやあれは人工物に違いない。調べよう!」
これで発掘を進めた結果、集落の一部であることが判明したそうです。
周りに住んでいた日本人にとっては日常の風景ですから、そんな歴史があるものだなんて微塵も思わなかったのでしょう。
ですが、このように歴史は意外と身近に潜んでいるらしいですね。
イメージ通りの旧石器人、引っ越しをやめた縄文人
さて、このように現代人をも惹きつける縄文人ですが、彼らの大きな特徴は何よりも定住を始めたということです。
簡単にいうと、引っ越しをしなくなったということです。
それまでの人類は、獲物を追いかけながら、テントを張ったり、洞窟に潜んだりと、移動して暮らしていました。
そのころの主食は、マンモス、ナウマンゾウなど。みなさんが想像する旧石器人ほぼまんまと言っても過言ではありません。

この頃は、氷期と呼ばれる時代で、とにかく寒かったので、植物なんてほとんどありませんでした。
肉、肉、肉、といった生活。
しかし、氷期が明けると、ブナやコナラといった森林が発達して、わざわざでっかいマンモスたちを追いかける必要がなくなったのです。
それから彼らは大人数で集落を作り、どんぐりを拾ったり犬に狩りをさせたり魚を獲ったりして生活するようになりました。
おしゃれの始まり
そしてこの変化が、日本列島に最初の文化を生み出します。
おしゃれな壺を作ったり、かわいい人形を作ったり、翡翠のアクセサリーをつけたり...
それぞれ縄文土器、土偶と呼ばれていますね。

正直、生活するには必要のないものばかりです。
たとえば土器は、普通に考えれば、ゴテゴテであればあるほど料理がしにくくなります。
一方で、同時に石器も鋭利なものへと進化するなど、必要な進化もありました。
これが「文化」です。
なんだかかっこいいでしょ。
この時代から、日本人をはじめとした人類の様子がガラッと変わってきます。
何万年も動物としてウホウホしていたのに、ここから三万年ちょっとで、スターバックスでMacBookで作業する丸の内OLが誕生するんです。
ロマンありますよね。
こうして、日本列島で人類が歴史を刻み始めるのです。
参考文献
武田恒泰『国史教科書 第7版 検定合格 市販版 中学校社会科用』(令和書籍、2024)
次回掲載予定記事
(6/13(水)掲載予定!)
【日本史ゆる解説②】意外と物騒なコメ作り〜弥生時代〜
※イラストは自身で作成しております。
