見出し画像

音のマジックここにあり、解明不可能な音の覚醒作用

テクノ好きに限らずエイフェックスツインが好きな人は多いだろう。
特に90年代後半から2000年ぐらいの彼の作品はどれも凄くて、日本でも彼から影響を受けて独自のスタイルを築いていったアーティストも多いように感じる。

作品毎に作風も多様で百面相のようなアーティストでもあるので、どの側面、どの盤を語るかによって全く違う内容にはなるが、ここではシンプルにエイフェックスツインの一曲、最も影響を受けた、衝撃を受けた一曲、というテーマで語ろうと思う。

確か、2000年ぐらいだったか、ある日、あるDJとプライベートで遊んでいた。
そして、場のテンションが最高潮の時に彼がかけた一曲が、エイフェックスツインの、"ウインドウリッカー"だった。

理屈を超えた音の快楽

この時の脳みそが溶けていくような音の快感を忘れることは出来ない。
音のマジックというのか、そういうものが確かに存在すると身をもって知った瞬間。

曲がいいとか、コード進行が、とか、リズムが渋いとか、そういう次元ではなく、第一にとにかく"音"そのものに脳みそを溶けさせるような魔法がかけられていて、とてつもない快感作用を放っていた。
"Uuuumm"、と悩ましげな声のサンプルを用いて、そのスピードをコントロールしながら独特な浮遊感のある音像を作り、それが時間感覚から解放させる。
そしてその声を細かく刻み予測の出来ないエディットを施して曲の高まりを演出していく。
そして、何度も言うがその声の響きの独特な音像が、どういうわけか、とてつもなく気持ちいい。

後出しでエディットのテクニックを分析することはできるが、この"音"がなぜこんなにも狂おしいほどに快感作用を呼び起こすのかは今もって謎だ。
まさに理屈を超えた音のマジックとはこういうことだと思う。

この時期のエイフェックスツインは、ジャンル的には所謂、ブレイクビーツとか、ドリルンベースとか、言われたりしたこともあって、キャリア全体で見ても全盛期だったと思うが、好みを別にしても一曲の技術的なクオリティ、変態性、芸術性、の高さというという意味では恐らく群を抜いているのではないか。
個人的にはそう思ってる。

エイフェックスツイン自身、恐らくこれを作った時はある種の魔法にかかっていて、この作風のものはこれ以降はなく、割と直線的に展開していく作風がメインで、この曲のように時空を捻じ曲げるかのように一曲の中で様々に音像が変化する曲はない。

クリエイター目線で見てもエディットの細かさや、それを予測のつかない繋げ方をさせつつ、それでいて破綻せずに成立させるテクニックも凄すぎる。

最近の作品はスタイルが固まってしまったように感じてあまり聴いてないけど、初期からdrukqsまでの流れは作品毎に全く予測できない展開をしていて、本当に神がかっていた。
アルバム単位で言うと、個人的にはアンビエントワークス2が一番好きだが、それについてはまたの機会で。

いいなと思ったら応援しよう!