漫画の感想 - 天幕のジャードゥーガル

4 月に YouTube のオススメに出てきて、サムネイルで強く惹きつけられたアニメ作品の PV。

開始から 10 秒足らずで、漫画や映画をジャケ買いする時に必ず感じる、「これは観なくてはならない」という感覚が全身を包んだ。

7 月に放映開始だったから、もうそろそろ録画予約とか TVer のお気に入り登録しないとな、と考えていたら、なんとマンガアプリのオススメに出てきたので、うっかり第一巻を一気読みしてしまった。

なんだこれは。

新しい。ここまで新しいと感じたのは、およそ 10 年ぶりだ。

超能力バトルものでも、ロボットものなければ、もちろんなろうなんかでもない。

イランが舞台という点では、2005 年頃に読んだ「ペルセポリス」と共通している。「ペルセポリス」では、イラン革命に伴う激動の 1990 年代を懸命に生きる少女が主人公であった。一方、「天幕のジャードゥーガル」の舞台は 13 世紀のイランおよびモンゴルで、主人公は奴隷の少女である。

物語は史実に基づいて展開されるが、主人公のシタラは時代と身分からして、様々な艱難辛苦に襲われる。そんな彼女にとっての希望の光は、どこからともなく現れる白馬の王子様でも正義の味方でもなければ、もちろん突然に覚醒する超能力でもない。学問への情熱である。

強大な帝国の侵略という、抗いようのない状況下でも、シタラは自身が身につけた確固たる知識と教養を駆使し、難局を乗り越えようとする。

売れ筋テンプレートの使い回しみたいなマンガアニメしか売れない、いや相手にもされないこの時代に、よくぞここまで挑戦的で情熱に溢れた作品をコミックス化し、アニメ化まで漕ぎつけたものだ。

これほど素晴らしい作品であればもっと早く知っておきたかったが、アニメ放送開始の前に原作を読めたことはとても嬉しい。

悩ましいのは、原作マンガをどう少しずつ読もうかという贅沢なもの。一気読みがよろしくないのは承知しているのだが、巻の途中で読むのを止めることなどできないほどの、面白さなのだから。


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