行き当たりばったりも悪くない、カミーノ5日目
エステーリャからロス・アルコスまで。約20km。
この日は、ワインが出る蛇口に会うのを楽しみにしていた。
歩き始めて数km。
道が分岐するところで、前を歩く男性3人組に「こっちだよ!!」と言われ、何も考えずについていったのがよくなかった。
そのまま進むと、歩けど歩けど目的の街にはたどり着かず、ひたすら山道が続く。
おかしいなと思った頃には、もう遅かった。
地図を見ると、歩いている山道のすぐ下にIracheの街があった。
見たかったワインの蛇口には、もう出会えないとわかった。
結構へこんだ。
でも、ここから戻るのもしんどいし、軌道修正も難しい。
またカミーノに戻ってくる機会があると信じて、そのまま山道を進むことにした。
日本の山のような道に、少しだけホッとする。
気を取り直して、歩いて、朝ごはんを食べて、また歩く。
この日は20kmと短めの行程。
歩き終えたあとは、アルベルゲのある街でゆっくり過ごしたい。街も、食も、楽しみたい。そう思っていたはずなのに、気づけば必死に歩いていた。
休憩していると、さっき追い越したばかりの、美しいふくらはぎのおじさまがわざわざ近寄ってきて、「ゆっくり、ゆっくり」と声をかけてくれた。
たしかに、今日は早い時間に歩き始めて、時間には余裕があった。
ゆっくり歩いてもよかったのに、それが見えていなかった。
少し反省。
「楽しむ」ことを忘れないように。
「心に余裕」を持つように。
そんな当たり前のことを意識しながら歩き、予約していたアルベルゲに到着。
この日はドミトリーだけど、二段ベッドではないタイプ。ダブルブッキングのトラブルはあったものの、無事にベッドは確保できた。
そしてこの日は、早めに到着できたこともあり、初めてコミュニティディナーに参加できることになった。その前に街を少し歩いて、セルベッサとピンチョスも楽しむ。
初めてのコミュニティディナーは、8人、7つの国のメンバーでテーブルを囲むにぎやかな時間だった。
わいわいと話しながら、オスピタレロが作ってくれた料理をいただく。
その中で、こんな言葉をもらった。
「カミーノでは前だけを見て歩きがちだけど、ときには後ろを振り返ってみて。そこにも素敵な景色が広がっているから」
彼女はスペイン出身ではないけれど、このアルベルゲを借りて、ピルグリムのために働いているという。
自身の経験を経て、今は支える側としてカミーノに関わっている。
カミーノとの関わり方は、人それぞれ。
ピルグリムの歩き方も、それぞれだ。
荷物を預けて身軽に歩く人もいれば、すべて自分で背負い、限られた時間の中で長距離を歩き続ける人もいる。
ディナーのあとは、一緒だった韓国人の男性と話したり、荷物配送サービスの手配を手伝ったりして過ごした。
とても良い一日だった。
このカミーノで、自分がいちばん大切にしたいことは何だろう。
サンティアゴまで辿り着くことなのか。
もう一度、考えてみようと思う。
今回歩いた道の記録(YAMAP)
