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科学と人間生活 第10回:エネルギーの変換と利用 〜熱効率の壁と不可逆な時間、未来を創る再生可能エネルギー〜

皆さん、こんにちは。全15回にわたってお届けしている「科学と人間生活」の第10回の講義へようこそ。

前回の第9回では、「熱」の正体が目に見えない原子や分子の「熱運動」であること、そして私たちが物体を動かしたり、電気を流したり、ものを燃やしたりすることで、さまざまなエネルギーが最終的に「熱」として発生するメカニズムについて学びました。私たちの身の回りの現象は、形は違えどすべて「エネルギー」という共通のシステムで結びついていることが見えてきたのではないでしょうか。

今回は、そのエネルギーがどのように姿を変え、私たちがそれをどのように利用しているのかという「エネルギーの変換と利用」について深く掘り下げていきます。 自動車を走らせるエンジン、部屋を涼しくするエアコン、そして私たちの生活を根本から支える発電所。これらはすべて、エネルギーを別の使いやすい形へと変換する巨大な装置です。しかし、そこには大自然が定めた厳格なルールが存在し、私たちはそのルールの範囲内でしかエネルギーを利用することができません。今日は、エネルギー保存の法則から始まり、熱機関の限界、そして未来の地球を救うための再生可能エネルギーの可能性まで、現代社会が直面する最も重要なテーマを一緒に考えていきましょう。


1. エネルギーの変換と「エネルギー保存の法則」

まずは、私たちの身の回りで起きている現象をエネルギーの視点で見つめ直してみましょう。 例えば、机の上で分厚い本を指で勢いよく滑らせてみてください。本はしばらくスーッと動いた後、やがて止まってしまいますよね。動いている本は「運動エネルギー」を持っていましたが、止まってしまったということは、そのエネルギーはこの世界から消えてなくなってしまったのでしょうか?

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