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社会心理学:第5回 態度と態度変容 — 心の構えとその変化のメカニズム

社会心理学:第5回 態度と態度変容 — 心の構えとその変化のメカニズム


1. はじめに:私たちの行動を縛る「心の構え」

これまでの講義では、【第1部:社会心理学の基礎と「自己・他者の認識」】を通じて、人間の脳が情報を処理する際の「省エネ戦略(社会的認知)」や、他者の印象形成、自己を管理・演出する心のメカニズムを学んできました。

今回から、講義は【第2部:対人関係と社会的影響の心理】という新たなステージへと進みます。その出発点となる第5回のテーマは、私たちが社会的な環境に対して抱く心の構え――「社会的態度(Social Attitude)」と、それがどのように変化するのかを解き明かす「態度変容(Attitude Change)」です。

私たちは日常的に、「あの人の政治的スタンスは好きになれない」「環境問題には高い関心がある」「あの新商品は絶対に買いたくない」といった、様々な対象に対する「態度」を表明しています。

ここで、皆さんに1つの奇妙な日常のシチュエーションを想像していただきましょう。

日常の思考実験:矛盾を抱えた喫煙者

ここに、「タバコは肺がんのリスクを激しく高め、健康に悪い」という医学的な事実を100%理解している喫煙者がいるとします。彼は健康で長生きしたいと強く願っています。しかし、彼は今日もタバコに火をつけ、深く煙を吸い込んでいます。このとき、彼の心の中ではどのようなドラマが起きているでしょうか。自分の「健康でいたい」という願いと、「タバコを吸っている」という矛盾した行動の狭間で、彼は非常に不快でモヤモヤとした精神的ストレス(ストレス、不協和)を感じているはずです。この不快感から逃れるため、彼の脳は次のような極端な言い訳を必死に捏造し始めます。「タバコを吸うことでストレスが解消されるから、むしろ精神的には健康にいい」「タバコを吸っていても長生きした人はたくさんいるから、医学データは絶対ではない」

この喫煙者のように、私たちは「自分が正しいと信じていること」と「実際の行動」の間に矛盾が生じたとき、その矛盾を解消するために、自らの「態度(心の構え)」を都合よく書き換えてしまう強い心理的メカニズムを持っています。

根性論や純粋な論理的説得だけでは、人間の心はなかなか変わりません。なぜなら、人間の態度の裏側には、論理を超えた「一貫性を保ちたい」という強烈な本能や、情報を処理する際の手抜きのルートが隠されているからです。

本日は、社会心理学の金字塔である「認知的不協和理論」、3者関係のバランスを測る「バランス理論」、そして現代のマーケティングや広告心理学の基盤である「精緻化見込みモデル(ELM)」について、徹底的に解剖していきます。私たちの「心の構え」がどのようにハックされ、変化していくのか、その驚くべきダイナミズムを読み解いていきましょう。

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