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歌って、飲んで、少しだけ孤独を忘れる――「ドキュメント72時間 西成 カラオケ居酒屋で歌えば」感想

NHKの「ドキュメント72時間」で放送された「西成 カラオケ居酒屋で歌えば」を見た。
舞台は大阪・西成にある、朝9時から開いている24時間営業のカラオケ居酒屋。カラオケは1曲100円。朝から酒を飲み、歌い、知らない人同士が同じ空間を共有している場所だった。

番組の中で面白かったのは、カラオケの点数によってサービスがある仕組み。96点以上ならおつまみ無料、99点以上ならボトルサービスなど、みんな高得点を狙って歌っている。単なる居酒屋ではなく、ゲーム感覚というか、“通いたくなる工夫”がちゃんとあるのが印象的だった。

そしてやっぱり強烈だったのが「西成モーニング」。
朝9時から酒とゆで卵、そしてカラオケ。普通の感覚だとちょっと驚くけれど、西成という街ではそれが自然に存在している。その独特の空気感がすごく面白かった。

この番組を見ていて感じたのは、ここが単なる飲み屋ではなく、“居場所”なんだろうなということ。
誰かと深く話さなくてもいい。知らない人たちがいる中で、ただ歌って帰るだけでもいい。歌わずに人の歌を聴いているだけでもいい。そういう距離感って、実はかなり心地いいのかもしれない。

しかも1曲100円という気軽さもいい。
高級でもオシャレでもないけれど、ふらっと寄れて、少し気持ちを発散できる場所があるというのは、すごく大事なことなんだと思った。

一方で、少し切なかった場面もあった。
日雇い労働者向けの宿泊施設に泊まっている人が来店していたのだが、お酒を飲み過ぎてしまい、言葉も回らない状態で入店を断られてしまう。常連なのかもしれないけれど、寂しそうに帰っていく後ろ姿が妙に印象に残った。

自由に飲める場所だからこそ、飲み過ぎると逆に居場所を失ってしまう。
楽しい空間である一方で、アルコールとの距離感の難しさみたいなものも感じた。

自分自身への戒めも含めて、「飲み過ぎ注意」というメッセージもどこかにある作品だった気がする。

でも最終的には、こういう“誰でも受け入れてくれる場所”が街にあることの大切さを感じた72時間だった。

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