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移住需要が空き家を救う—地方賃貸の新しい借り手の見つけ方

「田舎の空き家に借り手はいない」は、もう古い

相続した実家が、田舎にある。駅は遠く、人口も減っている。「こんな場所の空き家に、借り手なんているはずがない」——。

以前の私も、半分そう思っていました。けれど今、はっきり言えます。その常識は、変わりつつあります。

キーワードは、移住需要です。地方移住への関心の高まりと、Webで完結する募集手段の広がりによって、「地元では見つからなかった借り手」が、地域の外から現れる時代になりました。今回は、その潮流と、実際の借り手の見つけ方をお伝えします。

潮流① 「実家を貸す」が、一つの投資分野になった

象徴的なのが、書籍の世界です。

「空いた実家」は、そのまま貸しなさい 年間100万円の家賃が入ってくる最強の「実家再生」投資——こんなタイトルの本が出版され、話題になっています。空き家をリフォームで作り込むのではなく、実家をできるだけそのまま活かして貸す、という発想です。私が以前のコラムでお伝えした「リフォームではなく、残置物撤去と清掃で貸す」という考え方とも重なる内容で、参考になります。

業界の動きも同じ方向です。先日開催された賃貸住宅フェア2026でも、空き家を活用したビジネスをサポートするブースが非常に多く出展されていました。空き家は「困った資産」から「活かせる資産」へ——業界全体の見方が、確実に変わってきています。

潮流② 実体験 ― ECHOESで、県外から2組の申込み

私自身の実家(人口8,000人ほどの宮崎県郡部・築50年超)の話は、以前のコラムでもお伝えしたとおりです。

退去が出て「さすがに次はないだろう」と思っていたところ、Web募集の賃貸仲介をサポートしてくれるECHOESに登録して募集したところ、県外からの移住希望者2組から同時に申込みが入り、入居が決まりました。

ここで大事なのは、「なぜ決まったのか」です。答えはシンプルで、募集情報が地域の外に届いたからです。

地元の不動産会社の店頭だけで募集していたら、地元で家を探す人にしか届きません。しかし、移住を考えている人は、県外からネットで物件を探しています。Web媒体に載せた瞬間、商圏が「地元」から「全国」に広がる——これが、地方賃貸の新しい戦い方です。

潮流③ 自治体の「移住支援金」が、追い風になる

さらに見逃せないのが、自治体による移住支援です。地域によっては、移住者にまとまった支援金を出しているところがあります。

たとえば宮崎県都城市の「移住応援給付金」は、こんな内容です(令和7年度以降の制度)。

宮崎県都城市移住応援給付金

世帯で子ども2人なら、合計300万円。これだけの後押しがあれば、「地方で家を借りて暮らす」ハードルは大きく下がります。就業などの要件や、移住前の移住相談登録が必要といった条件はありますが、貸す側にとっても、こうした制度がある地域の物件は「移住者に選ばれやすい物件」になり得るのです。

支援制度は自治体ごとに内容がまったく異なります。お持ちの空き家がある市町村の移住支援策を、一度調べてみることを強くおすすめします。

実践 ― 移住需要をつかむ4つのステップ

潮流をふまえ、具体的な動き方を整理します。

ステップ1 貸せる状態に整える

大がかりなリフォームは不要です。残置物の撤去と清掃で「そのまま住める状態」にする。これが投資を抑えつつ貸し出す基本形です。

ステップ2 Webに載せて、商圏を全国に広げる

ECHOESのようなWeb募集をサポートするサービスや、ポータルサイトへの掲載を。あわせて、自治体の空き家バンクへの登録も有効です。移住検討者は、まず空き家バンクと移住支援サイトを見ます。

ステップ3 自治体の支援制度を調べ、募集に活かす

物件所在地の移住支援金・家賃補助・改修補助を確認。「この地域は移住支援金の対象です」という情報は、募集時の立派なアピール材料になります。

ステップ4 移住者目線の情報を添える

移住者が知りたいのは、間取りだけではありません。ネット環境、買い物・病院までの距離、地域の雰囲気、菜園の可否——暮らしの情報を写真とともに載せることで、遠方からの申込みの不安を減らせます。

「地元の常識」より「全国の需要」

地方の空き家と移住需要について、整理します。

  • 「実家をそのまま貸す」は、書籍や業界フェアでも注目される潮流になっている

  • Web募集で商圏は全国に広がる(実体験:県外から2組の申込み)

  • 自治体の移住支援金(都城市なら最大数百万円規模)が強力な追い風に

  • 残置物撤去+清掃→Web掲載→支援制度の確認→暮らし情報の発信、の順で

「田舎だから無理」と地元の常識で判断する前に、全国の移住需要に向けて情報を出してみる。それだけで、空き家の運命は変わり得ます。物件の状態確認から募集の組み立て、地域の支援制度の調べ方まで、実体験をふまえてお手伝いします。

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※移住応援給付金の金額・要件は都城市の公表内容(令和7年度以降の制度)に基づきます。就業要件や事前の移住相談登録など詳細な条件があり、返還規定もあります。各自治体の支援制度は必ず公式情報でご確認ください。

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