モンゴル紀行 4日目5日目
4日目
雨風の音で浅い眠りであった。
朝は自然と日の出前に目覚め、外でぼーとすることに。
遠くの丘の上を眺めると一人旅女性が日の出を見ようとスタンバイしていた。なんてアクティブな人だ。
話は変わるが雄大な草原は基本動物の糞まみれだ。
4日目にもなるとホヤホヤのフレッシュな糞以外は踏んでも気にならなくなるし、糞をみるだけで山羊、羊、牛、馬、ラクダのどの糞かすぐに分かるようになる。
そしてなぜか日本でお腹を下しがちな僕がモンゴルに来て一度も糞が出ていない。動物の糞の見過ぎで自分もした気になっているのか、決して綺麗とは言えない衛生環境下で過ごしているので本来は腹を下しそうなのだが。
朝飯はお粥風のミルクにお米をいれたものだった。お米は塩味があるものと食べるもんだと刷り込まれているので、全く口に合わずごめんなさいをした。
モンゴルには伝統的なお酒として、馬乳酒というものがある。これは遥か昔から飲まれているお酒で、字の通り馬の乳を原料として、絞った乳をひたすら発酵させる。アルコール度数は低く、遊牧民たちは赤ちゃんにも飲ませるらしい。
その馬乳酒を歩いて10分ほど先にある隣のゲルで飲ませてくれるということで、お邪魔した。
ゲルに入り挨拶をすると、その家のお母さんが部屋の片隅に置いてある大きな青いバケツに入っている白い液体を桶で掬い出しヤカンに流し込んだ。白い液体を見た瞬間に馬乳酒であることはわかったが、ヤカンに入れたということは流石に無造作に放置されたミルクは衛生的に良くないので煮沸するのだろう、そう思った。
しかし、結果として煮沸されることなくヤカンから大きめの茶碗に並々と馬乳酒が注がれた。
一連の流れをバッチリと見ていたので僕には分かる。「あれを大量に飲んだらヤバいことになるぞ」と全身全霊の自分が問いかけてくる。
一口だけで終わらそうと口に含む。
めちゃくちゃ酸っぱく若干のアルコールを感じる。ただ、美味しいものではない。
すると一緒に日本から来てる友人が、「こいつモンゴル来てから大便一回も出てないです」とニヤニヤした顔でゲルの中の人たちに伝えた。
案の定、嫌な予感は的中し「馬乳酒はお腹にいいから全部飲んだ方がいい」と目をキラキラさせながら言われ、なかば強制的に馬乳酒を飲み干した。その時ばかりは友人に対し、けつの穴から指を突っ込んで奥歯をガタガタ言わせたろかと思った。
これで腹を下して便が出たらまぁいいかと考えたが、結局その日も糞が出ることはなかった。
ホームステイ先の夫妻にお別れを告げ、ウランバートルまでの中間地点にあるゲルキャンプへ向かう。道中は草原に飽きているのと昨日あたりからおそらく38度近くの熱が出ていることは認識していたのでひたすら寝ていた。
5日目
ウランバートルへ戻る日。
つまり、ようやくシャワーを浴びれる日である。
首都に入れば街になり草原も見納めになるため、この日ばかりは移動中に外を眺めるようにした。
5日目ともなると、日本が恋しくなり始める。
車を走らせること4時間、ウランバートル市内にはいる。ただ、渋滞がひどく前に進まず、ホテルまではさらに1時間かかった。
実際に体感しないと伝えらないのだが、「危ない、ぶつかる」という感覚が常に襲われるレベルで車と車の間を通り抜けていく。運転のテクニックレベルは世界一かもしれない。日本人はここウランバートルで運転はまずもって無理だろう。
無事にホテルに到着し、何日かぶりのシャワーを浴びた。水圧が弱く日本のホテルだったらイライラするレベルであったがそんなこと気にならないほどに最高だった。
こうして当たり前の幸せに触れることも旅の醍醐味である。
明日は首都ウランバートルを観光する。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!