ピーター・バラカンさんの、ほとんど密会。
年に一度の「会」だそうだ。
集う面々は、ラジオの通。
そして、バラカンさんの通。
その一員の末端に加われたようで、何だか嬉しい。年齢層は高め。
昨年度は先輩からお誘いを受けたのだが、周りでコロナ罹患者が出てしまい、やむなくキャンセルした経緯がある。今年はボクにとって参加リベンジとなる。

十三の「シアターセブン」は、「第七藝術劇場」の一階下にある、普段はミニシアターとして利用されているホールだ。時々イベントでも利用されている。派手派手しさは全くなく、まさに密会風。夜中開催であれば、まさに密会の様を呈したであろう。
司会のような方の案内もなく、舞台の真ん中にセットされたMacに、開始時間になるとバラカンさんがトボトボと歩み寄り、自然と始まる感じ。終わり方も同じよう。
今回のテーマは「ニューヨーク」。
まさに、セットのない、カメラのない、カメラアングルのない、NHKの「未来へのプレイリスト」思いつくまま版、のようだ。
「思いつくまま」は失礼だが、ご本人曰く、2時間という時間枠に対して4時間分のプレイリストを作ってきたそうだから、場合によっては、その日とはまったく違うセットリストが出来上がったに違いない。
ピーター・バラカンさんをラジオでご存じの方は、放送を聴いていて分かるかと思うが、誠実さが衣を着て歩いているような、そのまんまの方だった。音楽が好きでたまらない人だった。
愛してやまない人。
そして、分かち合いたい人なのだ。
音楽というものを、芸術として、エンターテインメントとして、そして歴史としてシェアしたい人。
「伝承者」が近いかもしれない。
決して知識をひけらかす感じを受けない、知識の伝授。
湧き出てくる関連事項。エピソード。
聞いている側も飽きないし、もっと聞きたいという気持ちにさせてくれる。
じゃあ、トーク力が抜群なのかというと、話芸の巧みさで人に聞かせるタイプでもない。知識量が多いからこそ、聞く側が「もっと聞きたい」と思ってしまう魅力を持つのだ。
正直、話もあっちこっちに行きがちだが、それこそが魅力。楽しいのだ。
音楽以外に脱線した話の方がオモシロかったりもする。
時間が惜しいので音楽の話に専念してほしい気持ちと、もっと脱線してほしい気持ちと、半々だったりする。
心なしか、聴く側にも一定の連帯感のようなものが漂っていた気がする。
バラカン信者か……。
いやいや、変な宗教ではなく、バラカンさんを尊敬しつつ、どこか親近感も持っている大人たちの集まりだった。
次もまた行きたい。
早く行きたい。
