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【ヨーロッパ高校生ひとり旅】南仏トゥールーズ5日目

人生初の海外詐欺体験と、赤煉瓦の街歩き



夜行バスでの到着と、最悪の朝

7月12日の朝、ついに南仏トゥールーズに到着した。
パリからおよそ9時間の夜行バス。もともと座席が狭い上に、よりによって隣の席の人がとても大柄だった。

肘掛けの境界線など存在しないかのように、こちらのスペースまで侵入してくる。おまけに冷房は効きすぎで、上着を着ても寒いくらい。結局ほとんど眠れないまま朝を迎えた。

疲れた体を引きずり、駅前のカフェで朝食を取ろうとした。だが、会計の時にカードが使えない。仕方なく現金で支払ったが、スマホを見ると面倒な通知が表示されていた。

「お客様のカード取引が一時利用停止されました。本日中の認証完了をお願いします。」


不覚にも、フィッシング詐欺に引っかかる

普通なら、この時点で怪しいと気づくだろう。だが、その時の僕は疲労と眠気で判断力が鈍っていた。何も考えずに、画面に表示されたURLをタップし、認証完了の操作をしてしまった。無意識に

そう、これは典型的なフィッシング詐欺。普段なら絶対に引っかからないはずなのに、よりによってこの自分が…。

異変に気づいたのは、その直後に届いたメールだった。「47,000円の商品購入を確認してください」。もちろんそんな買い物をした覚えはない。慌てて残高を確認すると、幸いデビットカードの残高が不足していたため決済は失敗していた。

不幸中の幸い、金銭的被害はゼロだが、カード情報は確実に抜かれてしまった。後からみてみるとURLも笑ってしまうほど明らかにおかしかった。


海外で一人、緊急対応

急いでカスタマーサービスに連絡し、状況を説明。だがここで新たな問題が浮上する。カードを止めてしまえば、この後のヨーロッパ旅で使えなくなる。カード社会のフランスで、それは致命的だ。

電話口で事情を説明し、今後の利用制限と不正防止の設定を行い、最低限使える状態に留めてもらった。ほっと胸を撫で下ろしつつ、「二度とこんな馬鹿なミスはしない」と心に誓った。

日本に帰ったら、カードの再発行をしなければ。


赤煉瓦の街・トゥールーズ

トラブルが一段落したところで、ようやく街歩きへ。
パリとは雰囲気が全く異なり、赤茶色の煉瓦造りの建物が立ち並び、街全体が温かい色合いに包まれている。観光客は少なく、地元の人々の生活がそのまま目の前に広がっていた。

野外のマーケットでは食材や雑貨が並び、別の通りでは老人たちがカフェのテラスでゆったりと談笑している。そんな光景を見て、南仏らしい穏やかさを肌で感じた。

トゥールーズの街並み

感動のジャコバン修道院

歩いていて偶然たどり着いたのが、ジャコバン修道院
13〜14世紀に建てられたゴシック様式の建物で、規模はそれほど大きくない。だが中に入ると、他の教会にはない特徴的なデザインに心を奪われた。

まず目を引くのは、ヤシの木のように広がる柱の形。そして、左右で色の異なるステンドグラス。

片側は赤、もう片側は青。その光が中央の十字架の位置で混ざり合い、不思議な美しさを生み出していた。後で知ったが、この色の対比にはキリスト教の中で重要な象徴的意味があるという。


壁画や天井画は色褪せていたが、それが逆に歴史の重みを感じさせる。教会の関係者に出身地を聞かれ「日本」と答えると、とても喜ばれ、色々と教えてくれた。ただ、フランス訛りの英語は半分も理解できなかった。


国際ワークキャンプへ出発

今回の旅の本当の目的は、観光だけではない。
ここトゥールーズから電車で1時間、さらに車で30分の山中で、国際ワークキャンプに2週間参加する予定だ。

作業内容は木造キャビン、つまり小屋を建てること。建築に興味のある僕にとって、フランスでの実践的な建築体験はまたとない機会だ。


集合時間は午後2時。トゥールーズで買ったサンドイッチを頬張りながら、キャンプ地の最寄り駅であるカストル駅行きの電車を待った。田舎町を走る数本しかない電車だと聞いていたが、想像以上に綺麗で、日本の特急列車のようだった。


高まる期待と、少しの不安

電車に揺られながら、これから始まる2週間のことを考える。
きっと参加者の中に日本人は一人もいないだろう。言葉の壁もある。作業の進め方も文化も全く違うはずだ。正直、不安もある。

でも、それ以上に「この2週間でどれだけのことを吸収できるか、一体何が待ち受けているのか」という期待の方が大きい。

窓の外に広がる南仏の景色を眺めながら、心はすでに新しい挑戦へと向かっていた。


次回予告
山奥のワークキャンプ地で始まる、新しい日々。
異国の仲間たちと、小屋づくりの毎日が幕を開ける――。

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