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「スローターハウス5」    本を道連れに旅に出る。

今回の旅の道連れは、カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』だ。若い頃に読んで以来、長い間本棚に眠っていた一冊である。

あらすじや解説なら、今はスマホですぐに調べられる。
「そういうことだ(So it goes.)」の意味も、
トラルファマドール星人の時間観も、
数分あれば知ることができる。

それでも、本そのものを旅に連れて行くのは少し違う。

新幹線のテーブルに本を置き、
缶ハイボールを開け、ページをめくる。

すると、情報ではなく体験として物語が始まる。

退屈な移動時間だったはずの数時間が、
いつの間にかビリー・ピルグリムと一緒に
時間をさまよう旅になる。

本は、目的地へ運んでくれるわけではない。
だが、ときどき自分を別の時間へ連れて行ってくれる。

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