🌸経営未来手帳・日曜日・(第74号) 完全保存版「未来ビジョンに潜むタイプ別の『失敗』と『突破口』」
🌸経営未来手帳・日曜日・(第74号) 完全保存版「未来ビジョンに潜むタイプ別の『失敗』と『突破口』」
(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
■はじめに
昨年、伊東市の前田久保市長がニュースで話題になりました。強い自己表現と独自のマイワールド全開の発言は、多くの市民を戸惑わせました。私はこの姿に「タイプ4の経営者が未来ビジョンを描くときの落とし穴」を感じました。
私がソニーのかつての社長、平井一夫氏の講演を聞いた時も、未来ビジョンを語る講演で、マイワールドな独自の感性に偏りすぎて、何を言っているのか全く理解できず、聴衆を置き去りにしたことがあります。タイプ4の未来ビジョンは「自分の特別性」や「自己表現」に傾いた瞬間、社会性を失い、組織を導く力を失うのです。
これは経営者だけでなく、チームを率いるすべての人に起こりうる落とし穴です。
特に経営者にとって未来ビジョンは単なる夢物語ではありません。組織の行動を方向づけ、社員を安心させ、社会とつながる「羅針盤」です。では、エニアグラムのタイプごとに未来ビジョンをどう描き、どう失敗しやすいのか、そしてどのようにすれば失敗を避けられるのかを整理してみましょう。
■未来ビジョンが歪む理由 → 成長方向の処方箋」
タイプ1(改革者型)
• 失敗する未来ビジョン:理想と規範ばかりで現実感を失い、社員が疲弊する。
• 突破口:成長方向タイプ7の「柔軟さ」を取り入れ、遊び心ある未来像を描く。
タイプ2(支援者型)
• 失敗する未来ビジョン:相手に尽くす理想像で収益モデルが曖昧になる。
• 突破口:タイプ4の「自己価値」を学び、自分自身の独自性をビジョンに組み込む。
タイプ3(達成者型)
• 失敗する未来ビジョン:数字や成功指標ばかりで人心が離れる。
• 突破口:タイプ6の「信頼」を取り入れ、仲間と共に描く未来像に変える。
タイプ4(芸術家型)
• 失敗する未来ビジョン:マイワールド全開で社会性を失う。
• 突破口:タイプ1の「秩序・現実性」を学び、独創性を戦略に昇華する。
タイプ5(研究者型)
• 失敗する未来ビジョン:知識と理屈にこだわりすぎて実行に移らない。
• 突破口:タイプ8の「行動力」を取り入れ、動く未来を描く。
タイプ6(堅実家型)
• 失敗する未来ビジョン:リスク回避に偏り、縮小均衡の未来になる。
• 突破口:タイプ9の「全体調和」を学び、安心を超えたビジョンを描く。
タイプ7(楽天家型)
• 失敗する未来ビジョン:アイデアは華やかだが、持続性がなく空中分解。
• 突破口:タイプ5の「集中と深掘り」を取り入れる。
タイプ8(挑戦者型)
• 失敗する未来ビジョン:力押しの未来で周囲が疲弊し、孤立する。
• 突破口:タイプ2の「人を活かす視点」を取り入れ、共に強くなる未来を描く。
タイプ9(調停者型)
• 失敗する未来ビジョン:調和に逃げ、未来像が曖昧で停滞する。
• 突破口:タイプ3の「ゴール設定」を学び、成果で安心をつくる。
私が経営支援をさせていただいたタイプ9の経営者は、最初は柔和で周囲との調和を大切にする方でした。しかし改革を進めるにつれて、囚われの方向であるタイプ6特有の症状が出始めました。調和を乱すという盾で自分を守り、改革は中止、最終的には石のように反応しなくなりました。
どのタイプであっても、改革という強いプレッシャーの中などでは、何らかの症状が現れます。しかし自分のタイプ特有の状況が客観的に理解できると、平常に戻る入口が出来ます。
■編集後記
タイプ6リーダーで素晴らしい人物の印象が残っているのは、財務省元財務官で加藤隆俊氏です。彼は為替の会議で日本の在り方を決める際、あえてタイプ7の役人を同席させ、マイナスな結論になりそうなタイプ6の傾向に傾きすぎないよう、タイプ7のポジティブな意見を聞きながら、バランスを取った決断していると本人から伺いました。
未来ビジョンは己を深く知り「短期的合理性」と「自己防御」を超えることで初めて力を持ちます。帝王学と言われるエニアグラムは経営者にとって優れた羅針盤です。
■今日の問いかけ
あなたの未来ビジョンは、自分の「満足欲求」に偏っていませんか?
そこに成長方向の視点を加えると、どう変わりますか?
■ネコのつぶやき
「ボクの未来ビジョンは、1日3回おやつタイム。…でも成長方向を考えたら、ダイエットも必要かにゃ」🐾
■おわりに
未来ビジョンを描くとは、自分のタイプの“満足欲求”を超え、成長方向の視点を取り入れることです。経営者にとって、それは単なる性格分析ではなく、失敗を避け、組織の未来を広げる実践的なリーダーシップの技術なのです。
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yasumura@biz-noukai.com まで。必ずお返事いたします。
■経営未来手帳の全記事はこちら
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n02fd172fe229
■本記事は2025年9月に配信した内容を編集して投稿しました。
■次回3月23日予告
「なぜ、組織には作曲家が必要なのか」
■付録

