🌸経営未来手帳・金曜日(第72号)完全保存版「なぜ、歴史は同じ問いを繰り返すのか」――技術の進歩と、人間の成熟の“取り残される速度差”
🌸経営未来手帳・金曜日(第70号)完全保存版
「なぜ、歴史は同じ問いを繰り返すのか」
――技術の進歩と、人間の成熟の“取り残される速度差”
(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
金曜日は「未来へつながる物語」をお届けします。
歴史や文化のエピソードを通じて、週末に心に残るインスピレーションをお伝えします。
■はじめに
最近、二人の思想家の言葉が私の中で重なりました。
Albert Einstein
「原子の力はすべてを変えた。ただし人間の思考だけは変わっていない。」
Reinhold Niebuhr
「人間は正義を望むが、権力を手にすると自我に支配される。」
時代も分野も違うのに、二人は同じ構造を指摘しています。
“技術は進歩するが、人間の成熟は追いつかない”という事実です。
そして私は思うのです。
歴史は、形を変えながら 同じ問いを何度も人類に突きつけているのではないか、と。
■歴史が繰り返すのは「人間が変わらない」から
火薬
機関銃
核兵器
インターネット
AI
文明を揺るがす技術が登場するたびに、
人類は必ず同じ問題に直面します。
「この力を、私たちは扱いきれるのか」
しかし、恐れ・支配欲・承認欲求・集団対立といった
人間の根源的な構造はほとんど変わりません。
だからこそ、
戦争
権力闘争
恐怖政治
暴走
といった現象が、時代を超えて繰り返されるのです。
■技術の進歩が速すぎるとき、文明は揺れる
産業革命は社会を豊かにした一方で、
労働者の搾取や都市の混乱を生みました。
核兵器は戦争を抑止した一方で、
冷戦という危機を生みました。
そして今、AIが同じ問いを投げかけています。
「人間の未熟さは、技術の力を制御できるのか」
私はここに、静かな不安を感じます。
人間は、自我を理解・向き合うほど成熟していない。
その未熟さが、技術の暴走を引き起こすのではないか。
乗りこなせない高級スポーツカーで大事故を起こすように。
歴史を見れば、
人類は“痛い目”を経験して初めて学ぶ”
というパターンを繰り返してきました。
では、AIの時代も同じ道を辿るのでしょうか。

■それでも、歴史は少しずつ前に進んできた
私は完全に悲観しているわけではありません。
人類は愚かさを繰り返しながらも、
少しずつ成熟してきたのも事実です。
奴隷制度
植民地主義
女性参政権
かつて“当たり前”だったものが、
今では否定されています。
つまり、
個人は変わりにくいが、文化は変わる。
制度
倫理
価値観
これらは、時間をかけて進化してきました。
AI時代に必要なのは、
技術そのものではなく、
人間理解と自我の扱い方なのだと思います。
■エニアグラムが示す「成熟のヒント」
エニアグラムは、人間の自我構造を扱う学問です。
人間は
完全には悟れない。
しかし、自分の癖には気づける。
この立場は、AI時代において非常に重要です。
自我を消すのではなく、
自我を理解し、扱う。
これこそが、
技術の進歩に追いつくための“人間側の進化”です。
AIの時代に問われるのは、
技術ではなく人間理解です。
そして、関係性。
人と人は勿論、人とAIとの関係性
経営とは、
技術を扱う仕事ではなく
人間を扱う仕事だからです。
■編集後記
私は最近、こう考えるようになりました。
人間は、自我を完全に乗り越えることはできない。
しかし、自我を理解することはできる。
そしてその理解こそが、
技術の暴走を防ぐ唯一の道なのではないか、と。
■今日の問いかけ
あなたはどう思いますか。
技術の進歩と人間の成熟の“速度差”について、
どんな不安や希望を感じるでしょうか。
■ネコのつぶやき
「人間って、道具はすぐ進化させるのに、自分の心は後回しにするにゃ」
■おわりに
AIの時代に必要なのは、
技術への恐れではなく、
人間そのものへの理解です。
経営者として、
自分の自我を理解し、
組織の自我を理解し、質の高い関係と
文化を育てること。
それが、未来を守る“人間側の進化”だと私は思います。
■経営未来手帳の全記事はこちら
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n02fd172fe229
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■次回3月21日予告
「なぜ、松下翁は『任せて、任せず』と言ったのか」
