🌸経営未来手帳・月曜日(第65号)・完全保存版 「なぜ、組織構造を再構成するには『人間理解』からなのか――行動ではなく“変化”を測るOMという視点」
🌸経営未来手帳・月曜日(第65号)・完全保存版
「なぜ、組織構造を再構成するには『人間理解』からなのか
――行動ではなく“変化”を測るOMという視点」
(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
■はじめに
多くの企業で「組織改革」が語られます。
制度を変える、評価を変える、研修を増やす。
しかし実際には
制度は変わっても、組織はあまり変わらない。
なぜでしょうか。
理由はシンプルです。
組織は制度で動くのではなく、人間で動くからです。
したがって、本当に組織構造を変えたいのであれば
まず最初に必要なのは
人間理解です。
人間の深層構造を理解し、意識と行動が変化した時、
はじめて組織構造も変化します。
■組織が変わる基本構造
組織変革には、次の順序があります。
自己理解
↓
他者理解
↓
関係の質
↓
未来ビジョン
↓
行動
↓
成果(OM)
最初に変わるのは
制度でも仕組みでもありません。
人の理解です。
自己理解が深まると、他者理解が進みます。
他者理解が進むと、関係の質が変わります。
私が関わった公立中学では
○年○組の○○は・・・ではなく
「この生徒の性格タイプでは○なので
指導をこう変えよう」と教員が心理的な他者理解を行い
対応が共通言語になったときから、教員室が変わり
生徒の問題行動は激減しました。
共通言語ができると、指導の“揺れ”がなくなり、生徒が安心するからです。
関係の質が変わると、
未来のビジョンを共有できるようになります。
そしてそのビジョンが
具体的な行動を生みます。
また別の学校では、教員と共に、生徒の未来ビジョン
(3か月後の自分)を毎日、意識するワークを導入した結果
対象者の70%に行動変容が起こりました。
結果として成果が現れます。
ここで重要になるのが
OM(Outcome Measures)という考え方です。
■OMという概念
OMとは
Outcome Measures(成果指標)
のことです。
これはもともと医療分野で発達した概念です。
例えば病院では
・手術をしたか
・検査をしたか
ではなく
患者が回復したか
を評価します。
つまり
やったことではなく、変化したか
を測るのです。
■Input・Output・Outcome
成果測定は通常、次の3つで整理されます。
区分 意味 例
Input 投入資源 予算、人員
Output 活動量 研修回数
Outcome 実際の変化 離職率改善
例えば社員研修なら
Input
研修費100万円
Output
研修5回実施
ここまでは
多くの企業が管理しています。
しかし本当に重要なのは
Outcome
つまり
組織はどう変わったのか
です。
例えば
離職率
10% → 3%
ここまで変わって初めて
研修の意味があると言えるのです。
■KPIとの違い
企業ではよく
KPI(重要業績指標)
が使われます。
しかしKPIは
どちらかと言えば
プロセス管理
です。
例えば営業組織なら
KPI OM
訪問件数 売上
提案数 契約率
商談回数 顧客継続率
つまり
KPI=やること管理
OM=成果管理
という違いがあります。
■組織開発におけるOM
組織開発では、次のようなOMが使われます。
・離職率
・社員エンゲージメント
・部門成果
・行動変化
例えば
離職率は最も分かりやすい指標です。
また近年は
匿名デジタル調査により
組織エンゲージメント
も測定しやすくなりました。
さらに
動画学習の視聴回数
認定資格取得数
なども
行動変化の指標
として使うことができます。
■編集後記
多くの企業は
「研修をした」
「制度を変えた」
というところで満足してしまいます。
しかし本当に重要なのは
現実がどう変わったのか
です。
組織変革は
思想や制度ではなく
人間の変化
から始まります。
■今日の問いかけ
あなたの会社では
KPIばかりを管理していませんか。
それとも
OM(成果の変化)
を測っていますか。
■ネコのつぶやき
「研修をやっただけで満足してる会社、多いにゃ。
変わったかどうかが大事にゃ。」
■おわりに
組織構造は
制度ではなく
人間理解
から変わります。
そしてその変化は
OM(成果指標)
によって初めて確認できます。
組織改革の本質は
活動ではなく、変化です。
■感想をぜひお寄せください。
■次回(3月11日)予告
「なぜ、組織は変わらなかったり、変わったりするのか?」
■付録

