見出し画像

小学生と学ぶ英語史#9 “I”

第9回は "I"
はい、「ワタシ」です。

『英語語源ハンドブック』では巻末「テーマ別」の項目の中で「人称代名詞」としてまとめられていますが、小学生にはアルファベット順で紹介していこうと思います。

「自分」を表す "I" は印欧祖語(英語にとって’おじいちゃん’ 言語)では *eg で、ラテン語やギリシア語の ego と元は同じ語でした。
(ego /íːɡoʊ/ は「自我」とか「自尊心」という意味で英語にもなっています。egoist 「エゴイスト」は「自己中の人」です。)

1000年以上前の古英語では、iċ /ik, itʃ/ と2文字でしたが、中英語以降に /k, tʃ/ の音が落ち、さらに /i/ の音が /iː/ と長くなりました。さらに今から500年くらい前になると /iː/ の音が今度は /ai/ へと変化しました。

これは「大母音推移」と呼ばれており、1400年代後半から150~200年くらいかけてゆっくりと音の変化が表れたことを指しています。
アクセントのある長母音が(アー)→(エー)→(イー)とだんだん口が閉じ(アイ)になりました。また(オー)→(ウー)と口が閉じ(アウ)になったのです。

綴りも iċ から /k, tʃ/ の音が落ちたことにより、ċ がとれて i になりました。
しかし、小文字の i だけでは、前後の単語にくっついて「ワタシ」が埋もれてしまうことから、i は常に大文字で書くようになりました。

おまけに、小文字 i の上の点も昔はなかったのです。
中世では手書きの際に n, m, uは縦棒だけで書かれていました。
例えば mi, im, nn, nu, un, uu はすべて縦棒4本が並んでいたのです!
ですから i であることがわかるように点をつけるようになったのです。

最後に、自分を指すときのジェスチャーですが、上のイラストのように「手のひら全体を胸に当てる」か「親指で自分の胸の辺りを指す」ようにしましょうね。
「人差し指で顔の辺りを指す」と「顔になにかついてる?」といった感じになってしまいますので注意。




いいなと思ったら応援しよう!