熊本地震について、子どもを持つ親として思うこと
熊本で大きな地震が起きました。
最大震度7。
その数字を見た瞬間、思考が止まりました。
被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今も不安な時間を過ごされている方が、たくさんおられると思います。
家の中が片づかないままの方。
避難されている方。
眠れない夜を過ごしている方。
子どもを抱きしめながら、余震に怯えている方。
離れて暮らす家族の安否を心配している方。
ニュースの画面越しに見るだけでは、本当の怖さも、しんどさも、生活の大変さも分かりきることはできません。
だからこそ、簡単に「大丈夫ですか」とも言えない気持ちになります。
大丈夫なわけがない。
そう思うからです。
震度6強を経験しても、震度7は想像できない
私は東日本大震災のとき、一年近くボランティア活動に参加した経験があります。
そのときに、震度6強の余震を体験しました。
強い揺れでした。
立つことはできず、建物の音や、物が激しく動く音が体に残りました。
揺れがおさまったあとも、
「また揺れるかもしれない」
という不安が、しばらく消えませんでした。
それでも私は、震度7を体験したことはありません。
震度6強を知っていても、震度7を分かったつもりにはなれません。
どれほど怖かったのか。
どれほど長く感じたのか。
その場にいた方にしか分からない恐怖があると思います。
だから、被災地の方に対して、分かったようなことは言えません。
ただ、あの揺れの怖さを少しだけ知っているからこそ、今、熊本で過ごされている方々の不安を思うと胸が痛みます。
子どもがいる家庭の怖さ
子どもがいると、災害の怖さはまた違う形で迫ってきます。
自分一人なら、何とか動けるかもしれません。
でも子どもがいると、まず子どもを守らなければいけない。
抱きしめる。
避難する。
水や食べ物を確保する。
トイレのことを考える。
眠れる場所を探す。
子どもが泣けば、周りに迷惑をかけていないかも気になる。
でも子どもだって怖いのです。
泣いて当然です。
不安になって当然です。
いつもと違う場所で眠れないのも、親から離れたがらないのも、当たり前だと思います。
親も怖い。
でも、子どもの前では落ち着いていなければと思う。
そのしんどさは、想像するだけでも苦しくなります。
子どもを安心させようとしながら、自分も本当は泣きたい。
そんな親御さんもいるのではないでしょうか。
日常が一瞬で変わる怖さ
地震の怖さは、揺れそのものだけではありません。
それまで普通にあった日常が、一瞬で変わってしまうことです。
いつもの家。
いつもの道。
いつもの学校。
いつもの寝る場所。
それが急に当たり前ではなくなる。
大人にとってもつらいことですが、子どもにとっても大きな不安だと思います。
寝る場所がいつもと違う。
お風呂に入れない。
ごはんもいつも通りではない。
大人から見れば小さなことでも、子どもにとっては世界が変わってしまったように感じるかもしれません。
災害は、建物だけでなく、心の中も揺らします。
生活を戻すこと。
心を戻すこと。
子どもが安心して眠れる夜を取り戻すこと。
そこまで含めて、長い時間がかかるのだと思います。
「頑張ってください」と簡単に言えない
被災地に向けて、何か言葉を届けたい。
でも、「頑張ってください」と簡単には言えません。
もう十分頑張っている方がたくさんいるからです。
眠れない中で頑張っている。
片づけながら頑張っている。
家族を守りながら頑張っている。
子どもを安心させようと頑張っている。
だから私は、まずはどうか安全を最優先にしてほしいと思います。
無理に片づけようとしないでほしい。
危ない場所には近づかないでほしい。
眠れるときに少しでも眠ってほしい。
子どもが不安定になっても、親のせいではありません。
親自身が余裕をなくしても、それも当然です。
非常時に、いつも通りの親でいられなくてもいい。
命を守ることが、何より大事だと思います。
離れている私たちにできること
被災地から離れていると、何ができるのか分からなくなります。
直接助けに行ける人ばかりではありません。
でも、何もできないわけではないと思います。
正確な情報を見ること。
不確かな情報を広げないこと。
必要な支援を確認すること。
できる範囲で募金や支援をすること。
そして、時間が経っても忘れないこと。
災害は、発生直後だけ注目されます。
でも本当に大変なのは、その後の生活です。
片づけ。
避難生活。
仕事。
学校。
子どもの心の不安。
日常を取り戻すまでには、長い時間がかかります。
だから、今だけ心配して終わりではなく、これからも気にかけ続けることが大事なのだと思います。
子どもを守るために、自分の家のことも考える
今回の地震を見て、子どもを持つ親として、自分の家のことも考えました。
もし今、大きな地震が来たら、娘をどう守るのか。
家の中で危ない場所はないか。
避難するときに何を持つのか。
家族が離れているとき、どこで連絡を取るのか。
水や食べ物は足りているのか。
子どもに、どう説明するのか。
考えなければいけないことがたくさんあります。
怖がらせるためではなく、守るために話す。
地震が来たら、まず頭を守る。
危ないものに近づかない。
パパやママの話を聞く。
そんなことを、日常の中で少しずつ伝えていきたいと思いました。
災害は、いつどこで起きるか分かりません。
だからこそ、自分の家族を守る準備にもつなげたいです。
熊本の皆さまへ
今、熊本で不安な時間を過ごされている皆さま。
どうか、まずはご自身とご家族の安全を最優先にしてください。
小さなお子さんがいるご家庭では、いつも以上に大変な時間を過ごされていると思います。
親として、どうにか安心させたいと思うほど、自分の心もすり減っていくと思います。
親も怖くて当然です。
不安で当然です。
それでも子どものそばにいること。
手を握ること。
「大丈夫」と言えなくても、一緒にいること。
それだけでも、子どもにとっては大きな安心になるのだと思います。
被災された皆さまが、少しでも安全な場所で過ごせますように。
必要な支援が、必要な方に届きますように。
子どもたちが、少しでも安心して眠れる夜を取り戻せますように。
そして、熊本の皆さまの日常が、一日でも早く戻りますように。
離れた場所からではありますが、心よりお祈りしています。
