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こう言うと、子どもにちゃんと伝わるんだ、と思ったこと

子どもに何かを伝えるとき、なかなか伝わらないことがあります。

「早くして」
「ちゃんとして」
「危ないからやめて」
「もう寝る時間やで」

何度言っても動いてくれない。
こちらはだんだん焦ってきて、声も大きくなって、最後には怒ったような言い方になってしまう。
子育てをしていると、そんな場面がよくあります。

でも最近、ふと思いました。

子どもが聞いていないのではなく、こちらの言い方が子どもに届きにくかっただけなのかもしれない、と。

同じことを伝えているつもりでも、言い方を少し変えるだけで、子どもの反応が変わることがあります。

「あれ、こう言うと納得するんや」

そう思う瞬間が、子育ての中にはあります。

「早くして」より「まずこれしよう」

朝の準備で、ついつい言ってしまう言葉があります。
「早くして」

でも、子どもからすると「早くして」は、かなり分かりにくい言葉なのかもしれません。

早く、何をするのか。
どれくらい急ぐのか。
今すぐ何をすればいいのか。

大人は分かっているつもりでも、子どもにはぼんやりしています。
ある日、いつものように準備が進まず、「早くして」と言いかけました。

でも少し言い方を変えて、
「まず靴下はこか」
と言ってみました。

すると、意外とすんなり動きました。

そのあとも、
「次は水筒持って」
「最後に帽子かぶろう」
とひとつずつ言うと、いつもより進みました。

子どもは急ぐ気がないのではなく、何からしたらいいか分からないことがあるのかもしれません。

「早くして」より、「まずこれしよう」
の方が伝わる。

分かっているようで、忘れていたことでした。

「危ない」より、理由を伝える

公園や道を歩いているとき、つい言ってしまいます。
「危ない!」

もちろん、本当に危ないときは大きな声で止める必要があります。

でも、毎回「危ない」だけだと、子どもには何が危ないのか分かりにくいことがあります。

走ったら危ないのか。
車が来ているから危ないのか。
段差があるから危ないのか。
手を離すことが危ないのか。

ある日、道で娘が少し先に走ろうとしました。

いつもなら、
「危ない!走らない!」
と言っていたと思います。

でもその日は、
「車が来る道やから、ここは手をつなごう」
と言ってみました。

すると、少し納得したように手を出してきました。
ただ止められるより、理由が分かる方が受け入れやすいのかもしれません。

「なぜ今それをするのか」
そこが分かると、子どもの中で意味がつながるのだと思いました。

「ダメ」より「こうしてほしい」

子どもに注意するとき、大人はつい「ダメ」と言います。

「走ったらダメ」
「投げたらダメ」
「触ったらダメ」

もちろん、ダメなことはあります。

でも「ダメ」だけだと、子どもは次に何をすればいいのか分からないことがあります。

怒られたことは分かる。
でも、どう動けばいいのかが分からない。
だからまた同じことをしてしまう。

最近は、できるだけ「してほしい行動」を言うように意識しています。

「走ったらダメ」ではなく、「ここは歩こう」

「投げたらダメ」ではなく、「それは置いて渡して」

「大きい声出さない」ではなく、「小さい声で話そう」

もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
でも、子どもにとっては「何をしたらいいか」が分かる方が動きやすいのだと思います。

大人でも同じです。
「ちゃんとして」と言われるより、具体的に「これをこうしてほしい」と言われる方が分かりやすい。

子どもなら、なおさらなのかもしれません。

「あとで」より「これが終わったら」

子どもに話しかけられたとき、手が離せないことがあります。

料理をしているとき。
仕事をしているとき。
洗濯物を干しているとき。

そんなとき、つい言ってしまいます。
「あとでね」

でも子どもにとっての「あとで」は、いつなのか分かりません。

1分後なのか。
10分後なのか。
寝る前なのか。
もしかしたら忘れられるのか。

あるとき、「あとでね」ではなく、「このお皿洗ったら見るね」
と言ってみました。

すると娘は、納得して少し待ってくれました。

そしてお皿を洗い終わると、
「終わった?見て」
と来ました。

ちゃんと覚えていました。

子どもは待てないのではなく、いつまで待てばいいか分かれば待てることもあるのだと思いました。

「あとで」ではなく、
「これが終わったら」
「ごはんのあとに」
「時計の針がここまで来たら」

そう伝えるだけで、安心するのかもしれません。

「なんでできないの」より「どこで困ってる?」

子どもが何かをできないとき、親はつい焦ります。

なんでできないの。
さっき言ったやん。
もう何回目。

そう言いたくなる日があります。

でも、子どもはわざとできないわけではないことが多いです。

本当に分からない。
途中でつまずいている。
やり方を忘れている。
気持ちが追いついていない。

そんなこともあるのだと思います。

「なんでできないの」と言うと、子どもは責められているように感じます。

でも、「どこで困ってる?」
と聞くと、少し表情が変わることがあります。

靴下がうまくはけない。
服の前と後ろが分からない。
片づける場所が分からない。
最初の一歩が分からない。

大人から見れば小さなことでも、子どもにとってはそこで止まっている。

そこに気づけると、怒る前に手伝えることがあります。

子どもは、納得したいのかもしれない

子どもは、大人の言うことを何でも聞きたいわけではありません。
でも、納得したい気持ちはあるのだと思います。

なぜ今やるのか。
なぜ止められたのか。
何をしたらいいのか。
いつまで待てばいいのか。
どこを手伝ってほしいのか。

そこが分かると、子どもなりに受け入れようとすることがあります。

子どもにも、ちゃんと理由があります。
気持ちがあります。
自分なりの順番があります。

だから、ただ命令するより、分かる言葉で伝えること。
それが大事なのだと思いました。

「早くして」ではなく、「まずこれしよう」
「危ない」ではなく、「車が来るから手をつなごう」
「ダメ」ではなく、「こうしてほしい」
「あとで」ではなく、「これが終わったら」
「なんでできないの」ではなく、「どこで困ってる?」

ほんの少し言い方を変えるだけで、子どもが納得してくれることがあります。

そしてそのたびに思います。
子どもに伝えるって、声を大きくすることではないのだと。

もっと分かりやすくすること。
もっと具体的にすること。
子どもの目線まで降りてみること。

うまくいかない日はあります。
怒ってしまう日もあります。

でも、次にまた言い直せばいい。

子どもに伝わる言葉を、親も少しずつ探していけばいい。

そう思うと、子育ては少しやさしくなる気がします。



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