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【英語で】フィレンツェ 楽な発音へ変化

Q:英語でフィレンツェは何という?

A:Florenceです。

地名の違いシリーズ、今日はドイツ語圏を離れイタリアへ。イタリアの都市名は日本語と英語で、かなり異なることが多いですね。その一つが日本語でフィレンツェ、英語で Florence。

英語の Florence はフランス語の Florence から入ってきました。遡ればラテン語の人名 Flōrentiaで、これは花が咲く・栄えるという意味の flōrens、さらには花を意味する flōs から来ています。実は、英語のbloomやblossomにも遠くつながっている語です。


一方、日本語のフィレンツェはイタリア語の Firenze から入ってきました。発音もほぼ一緒ですのでわかりやすいですね。日本語での地名は、現地の発音に近い音をカタカナで再現、がデフォルトですもんね。

ただし、イタリア語ではフィレンツェの様にフィとツェの部分が強くなる(⚫️●⚫️)のに対し、日本語ではフィレンツェ(●⚫️●)という感じでしょうか。

 フィレンツェは、古イタリア語の Fiorenze から来ていますが、遡ればラテン語の Flōrentiae(=Flōrentiaの所格)で、同じ Flōrentia に辿り着きます。

ではなぜ同じラテン語から分かれた語が、フランス語では Florence になり、イタリア語では Firenze になったかというと、イタリア語は子音の連続を嫌う傾向があって、fl と並んでいる音の2個目の子音 l が、発音しやすい様に脱落したからなんだそうです。

確かにイタリア語はヨーロッパ語にしては珍しく、語末が母音で終わる単語が多いし、基本ローマ字読みできる母音の多い言語だから、私たち日本語話者にとってはなんとなく親しみやすく、発音がしやすいですよね。

さて、Florence/Firenze の由来である、ラテン語で花を意味する語 flos/florisがラテン語から分化していった各国語(ロマンス語族)でどうなっているかと言うと、

a list I had AI make

イタリア語以外、ぜーんぶ fl で始まっているのにイタリア語では fiore(フィオーレ)。我が道を行くイタ〜リアン!

他の単語でも見てみましょう。

以前の記事で挙げたことのあるフラスコ、すなわち英語では実験用のフラスコや枝編みで覆われた葡萄酒の瓶、サーモス(水筒型魔法瓶)などを指すflaskは、後期ラテン語で瓶を表す flasco から来ているんですが、ロマンス語族の各言語ではこんな感じ。

I had AI provide a list of words for flask in the Romance languages with their word origins, which actually was finalized after I cast doubts twice. 

こちらも他は fl もしくは fr の連続子音を使っているロマンス語族言語の中、イタリア語だけが fiasco(フィアスコ)。我が道を行くイタ〜リアン。

A flask is a narrow-necked glass container used in a laboratory to hold reagents or samples. It also means a narrow-necked bulbous glass container, typically with a covering of wickerwork, for storing wine or oil. I had the picture above created by AI.

ちなみに、frascoとなっているスペイン語、ポルトガル語、ガリシア語の語源を、最初AIはラテン語のfrascumとしていたのですが、調べてもそんな単語はありません。その後も間違い情報を出してきたので、2回ツッコミまして、最終的に出してきたのが上のリスト。正確性は上がっているとは思いますが、気になる点を見つけた人は必ずご自分で調べてみてくださいね。

それにしても、元は flascō というラテン語なのに、frascoになっているスペイン語、ポルトガル語、ガリシア語。 r と l の混同は日本語やアジア諸語を母国語とする人だけじゃなく、スペイン語やポルトガル語などヨーロッパ言語を話す人にも見られるのか…?と思いきや、どうやら l が r に変わったというのではなくて、l が脱落した後に、r が追加されたということの様です。

 

さて、イタリアには行ったことがありませんので旅の小話はありませんが、イタリア大好きな後輩がハネムーン先からトップ画像の様な絵葉書を送ってくれたことがあったので、イタリアと言えばこの景色がいつも思い浮かびます。

フィレンツェの絵葉書に必ず写っているドゥオモ。イタリア語で Duomo di Firenze、英語で Florence Cathedral と呼ばれますが、Duomo とは街を代表する大聖堂を指す語。正式名は Cattedrale di Santa Maria del Fiore、英語で Cathedral of Saint Mary of the Flower とのことで、「花の聖マリア大聖堂」という意味ですね。

花の街 Firenzeの語学蘊蓄でした!


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