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モンゴルの空は果てしなく広かった ⑥

2024/Jul./11 THU.


ホテルでの朝食

7:00のアラームで起床。良く寝た。取り敢えず、お腹の調子は万全とは言えないが、昨日みたいなことはない。
このホテルには朝食が付いているので、それほどお腹が減っているわけでもないが、部屋が乾いていたからか、とにかく喉が渇いたので、飲み物を目的に1階のレストランに下りる。まずは薄いピーチジュースのようなものを立て続けに2杯飲む。そして、食べ物を覗くと、ビュッフェ方式で色々な物が並んでおり、ソーセージ、目玉焼きやパンなど一般的な朝ごはんの内容だが、なぜだか炊き込みご飯とパスタがあり、それらが食べたくなってきたので、いただく。

スフバートル広場から国立競技場へ移動

さて、今日は国家ナーダムの開会式の日。そもそもナーダムとはモンゴル語で祭りという意味なのだが、ここでは相撲、競馬、弓射といった伝統的な競技が行われる大会である。6月や7月にはモンゴル中の町や村で小さなナーダムも開かれるらしいのだが、その大本山がここウランバートルで開催される国家ナーダムである。もちろんモンゴル一の規模を誇っており、ここの各競技で優勝することは大変な名誉なのだそう。ちなみにこのナーダムは2010年にはユネスコ無形文化遺産に登録されたほどのビッグイベントである。その大会は毎年革命記念日にあたる7月11日から13日まで開催され、相撲は2日間、競馬は3日間、弓競技は10日から2日間という予定になっている。私は、このナーダムという年1回のモンゴル最大のお祭りに合わせてモンゴルにやって来た訳なので、観戦三昧をする予定。

まずは本日の朝から、スフバートル広場で馬印を国から受領するセレモニーが行われ、9:00からはそこを起点にパレードがスタートするそうなので、それを見に行ってみる。
スフバートル広場は、ホテルから少々遠いのか難点だが、今日は曇空でTシャツ1枚で、30分くらい歩くにはちょうどよい。
スフバートル広場に着くと、チンギス・ハーン像の前に人垣ができているので私もそこに加わる。柵の前には、昨日と同じく赤と青の制服を身に纏った人が整列していて、何かの催しが始まりそう。

楽団の演奏が始まり、9:00から騎馬隊が入場。だが、妙に間が長いセレモニーで、何かが起こるわけでもない。9:30になって、チンギス・ハーン時代の扮装をしたこの騎馬団の隊列が馬印を持って出発。みんな、この騎馬隊の後ろに続くので、私も続く。ただ、前に進むのは馬なので、こちらが早歩きしても置いていかれるばかり。そして、こんな華麗なパレードでも馬は遠慮なく落とし物をするので、後ろに続く者は注意が必要。警察が止めている車道をみんなでぞろぞろ歩いて、メイン会場となる国立競技場まで数km進む。

国家ナーダムの開会式のチケットを求めて

革命記念日にあたる今日11日は、ここ国立競技場で開会式が行われる。このナーダム祭は、モンゴル人にとって最大のイベントであり、特に開会式のチケットを取ることは、モンゴル人にとっても至難の業であるらしく、一旅行者の私に安々回ってくる物ではなく、もちろん私はそれを手にしていない。

そこで競技場に着いたら、いくつかあるゲートで係員に"チケットはないか?"と聞いてみる。が、どれも"No "との返事。まあ、そうだろう。では、中に入る唯一の手段はダフ屋からの購入しかない。ただ競技場周辺はやたらポリスが多いからか、なかなからしき人が見当たらない。しばらく人間観察をしてみると、ようやくらしき人を発見。そこでその人を捕まえて聞いてみると一声400,000Tgとか350,000Tgとか言う。一瞬、一桁聞き間違えたかと思ってしまった程で、こちらの予算とは桁が違う。
これは困ったと競技場の周りをウロウロしている間に時刻は11:00を過ぎ、会場では開会式が始まった様子。私がチケットを探していると知った旅行社の人が、余りチケットを200,000Tgまで下げて提示してきたが、それでも10,000円もする。高い。
ちなみに他の人に聞いた所、なんと今晩の22:00からこの開会式と同じ内容のイベントが開催されるらしく、それなら定価で買えるよと言われ、www.ticket.mnを見せてくれたが、確かにそれだと100,000Tg以下で購入できる様子。ただ、開会式が2回あるってどういう事。しかも夜、遅いし2回目を見たいとは思わない。
結局、チケットを手にできないまま、中が少しだけ見えるゲートから多くのモンゴル人といっしょに覗き見る。時折、そのゲートから出入りするキャストがいるので、それらの写真を撮る。逆にスタジアムより近くで見えるので結構、迫力満点。

ちなみに11:40に先程のダフ屋に聞くと 100,000Tgまで下がったが、残りの2/3の時間のために払う金額じゃないと思い、購入はやめておく。
で、スタジアムのまわりを回っていると、パブリックビューイングをやっている場所があった。なんだ最初からここで見ればよかった。テレビ局の中継を流しているだけみたいだが、大スクリーンで開会式全体の様子がわかる。この時間は直射日光が厳しいので、3000Tgの冷たいコーラ買ってそれを飲みながら人工芝の上に座り見入る。

この映像で見る限り、この国立競技場は芝生の植わった広いセンターを、クレイのトラックが楕円形に囲む言わる陸上競技場形式でそれを取り囲むスタジアムの観客席は、さすが国家の大イベントだけあり超満員。
芝のセンターに大きな立体的なステージが設けられており、そこを中心に派手なパフォーマンスが繰り広げられている。なんでも、今年のナーダムの開会式のテーマが"母なる地球 - 平和な存在"で、ミュージカル形式で演出されている。
何組かの歌手が登場する。華やかな歌謡曲の歌い手も登場すれば、意外なラップ調のグループもおり、歌は盛りだくさん。また、まるでオリンピックの開会式みたいな舞踊団が大挙して乱入しダンスを披露する。更に騎馬隊は、チンギス・ハーン時代の軍装で鎧兜に身を包み、旗指物を誇らしげに抱えて疾駆する。 こうして、モンゴルを代表する数々の伝統的なショーが繰り広げられ、見応えがあった。

12:40、2時間弱の開会式が終わったようで、スクリーンが別会場の競馬の様子に切り替わった。そして、ここもスタジアムから出てきた人で混雑してきたので、私はここを一旦抜け出し、市内観光に行くとする。

市街を一望できるザイサン・ドルゴイ記念碑

ウランバートルの市内にある観光スポットは歩いて回れる場所が多いのだが、今から目指すザイサン・トルゴイ(英語:Zaisan Tolgoi、モンゴル語: Зайсан толгой)記念碑という場所は市内から8km程離れたウランバートルの南側の小高い丘の上にあるため、徒歩だと少し辛い。このため、バス停まで歩き、y52番のバスがやって来たのでそれに乗車。

バスは丘の麓で降りる事になるので、記念碑までは麓から歩いて登る必要がある。ただ、楽する方法があり、隣接しているショッピング・モールのエレベーターを使って7階まで上がり、そこから繋がっている渡り廊下を使ってショートカットすると、幾分、階段を上る段数が減るというので、もちろんそのルートを使う。
その渡り廊下はガラスブリッジと言い一部、底面にガラスを使っており、下を覗ける仕様。それを渡り終え、さぁ、階段を登ってこの先の記念碑まで向おうとすると、その階段に柵が設けられており進入禁止マークが掲げられている。工事中みたいだ。あら、せっかくわざわざやって来たのに。残念。この丘の頂からは、四方八方に広がるウランバートル市街を見渡せるという事でここからの絶景を楽しみにしていたのに…

先程まで死ぬほど暑かったのに、空がゴロゴロ鳴り黒い雲が近づいており、今にも降りそうなので、通り雨を避けるために、コンビニのCUに入る。ここには日本のミニストップみたいに店内にイートインスペースがあるので、そこの椅子に腰掛け買ったばかりのローカルのコーラを飲みながらしばし休憩。こうやって休めるのはありがたい。

老若男女が参加する弓射競技

その後、国立競技場付近に戻り、2ブロックほど離れた場所で行われている弓射の会場に行く。チケットチェックは無く、見学は無料な様子。ここの競技場は、3列程の客席と1棟の小さなスタジアムによって、コの字型に囲まれており、私が最初座ったのは後者。結構、席は一杯である。が、弓矢が置いてあったり、矢を扱いていたりする人もいるので、見学というより選手の準備場所にもなっている様子。よくよく、その道具を見ると弓は木製、矢も天然の物で作られている。
このスタジアム部分は屋根があるからイイものの、また雷が鳴り、雨が降ってきたが、この雨の中、年代別であろう子供の部の表彰式が始まった。実際の競技自体は見れなかったが、民族衣装を身にまとったかなり小さい子もメダルと賞状をもらっている。

まだ、空はゴロゴロ言っているが、次は大人の部が開始。まずは男性である。オリンピックのアーチェリー競技とは違い、この弓射は、一人ずつではなく、選手一同が横一列に並んでランダムに撃つ。標的は75mも離れた場所に積まれた革張りのコップである。コップを数十個使い、縦に二段、横に長く積み並べてあり、その真ん中の縦の列が赤く塗ってあり、その赤い部分に命中すれば高得点、それ以外のコップに命中しても、得点の様である。
選手は自分の立ち位置に従って近くのそれに向かって射ち込む。ただ、びっくりさせられるのは、その標的近くに審判員がいること。飛んでくる矢を見て避けているが、誰がいつ射撃するかわからないから、当たってしまう事もあるんじゃないかとヒヤヒヤ心配してしまう。

続いては女性の部。撃つ位置が男性より10m程前からになる。皆デールという民族衣装に身を包んでいるが、地味だった男性の衣装に比べ、女性の衣装は華やかで絵になる。ただ、また雨が降って来ちゃった。そこで選手は傘を差し始めたが、これだとあまり絵にならない。と、思ったらゲリラ豪雨顔負けの土砂降りになってしまい一時中断。しかし、20 分程で止んだようで再開。
正直、私の目が良くないというのもあるが、このスタジアム部分からは標的に当たったかどうかは見えず、また、選手自体も喜んだりもしないのでよくわからず、淡々と競技が進む。いや、正確に言うと、選手の集中力が途切れないくらい程度のボリュームでこまめに場内実況放送をしてくれているのだが、もちろん全部モンゴル語。全くわからない。

せっかくなので、至近距離の横から見える席に移動して見学する。ここからは弓を放つシュッと言う音が聞こえる。これは老若男女が弓矢の腕を競う競技だが、意外と言っては失礼だが、年配の方が多い。この競技、いつ終わるかわからないが、随分、長い間、見学し、たくさん写真も撮ったのでこれで十分と思い、ここを去る事にした。

おはじきのようなユニークなシャガイ競技

次はシャガイ・テントで、シャガイという競技が行われている様なのでそれを見に行こう。テントというので、国立競技場の周りを回り、テントらしき物がある度に覗くが、子供用の遊び場だったり、食べ物を売っているベンダーのテントで、目的の場所が見付からない。結局、国立競技場の周りを2周くらいしてしまったが、ボランティアと書いてあるTシャツの人を見付けたので、その人達から場所はサッカー場の近くと聞き出し、ようやく探し当てた。

そこは仮設テントでは無く、常設で小さな観客席もある屋根付きの場所だったが、果たしてそれは先程まで見ていた弓射会場のすぐ横だった。ここへも入場は無料な様子。
で、シャガイとは何かだが、モンゴル語で“家畜のくるぶしの骨”の意味で一般的に遊びや占いで使われる物なのだそう。ここではそれを使った射撃競技が行われている。情報はそれだけである。

で、実際見ていると、おはじき的なもので、発射台を使って指で2、3cmほどのそのシャガイとやらをはじき、3〜4m程先に並べてある、赤と白のシャガイに当ててその得点を競う競技みたい。全部で10箇所くらいの競技スペースがあるが、多くの人が取り囲んで、変な発声で応援している所もあれば、競技者と審判しかいない寂し気な所も。一応、カメラ中継もやっているが、失礼だがいささか地味な競技だ。これが相撲、競馬、弓射に続く、ナーダムの1つの競技になっているのが不思議。
そんなんを見ていると時刻はもう19:00を過ぎている。これら競技がいつまで続くか知らないが、お客さんはたくさんいるが、そろそろ私は帰ろう。

屋台村での即席ラーメンの夕食後、ホテルへ

もう、夕食を考えねばならない時間。ちなみに朝、ホテルを出てから、トイレに駆け込む事態には陥っていない。ようやく、私のお腹も少しは収まった様だ。

何かがあるだろうと街中のソウル通りまで出てみたが、飲食店は確かにあるのだが、今日は祝日のためか開いている店が少ない。するとStreet Foodと書いた屋台村があり、そこに足を運ぶとやっている様子。中には10軒程のベンダーが並んでおり、夕食にライスが食べたい私は、フライドライスと書いてある店をあたったが、生憎、2軒とも売り切れとの事。あらら。仕方なく韓国風ラーメンをオーダーする。ただ、出て来た物は卵を落としただけのホント即席ラーメンだった。これで10,000Tgは高くない?けど、いつも食べ慣れている物だけあり、美味かった。
ホテルへと歩いて戻れば、もう20:50。思ったより遅い時間だ。そして、各種充電を仕掛けたらとっととシャワーを浴びる。
プログラムによると23:00から広場で花火が上がるらしく、6階の北向きの私の部屋から見えるかもしれないと思い待っていたが23:00を過ぎても一向に上がらない。窓を開けてみると雨が降っている。この雨のため、中止なのかな?なんか、うまくいかなかった日だったが、こんな日もある。さぁ、寝よう。

と、ウトウトしていたら、パンパンという音がし始めた。ん、花火だ。多分0:00だ。オフィシャルサイトに出ているプログラムの時間って宛にならないな。雨が降り続く中、花火が上がっているが、日本の花火とは異なり、単発で種類も少ない。これが15分程続きずっと見ていたが、眠いので、再び、眠りに就こう。


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