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言葉は時代を映す鏡、グローバル社会で求められる日本語と英語のアップデート

海外での駐在生活を経て、現在はありがたいことに、ビジネスパーソン向けの研修で教壇に立つ機会を多くいただいています。

特にここ数年は、毎年5件以上の英語による大手企業での社員研修の機会に恵まれており、とある内容をビジネスマン向けに英語で伝えるという経験を通じて、私自身がとても大きな成長を実感させていただいています。

こうした貴重な場を企画し、いつも温かくサポートしてくださる人材開発部門や営業担当の皆様、真剣に耳を傾けてくださる受講生の皆様には、本当に感謝の言葉が尽きません。

皆様のおかげで、私は今もこうして新しい視点に出会うことができています。


英語の学び直しで見つけた不思議な変化

実は先日も、控えている8月の英語研修に向けて、英文の組み立て方を改めて一から学び直していました。

長年英語に触れてきたつもりでしたが、真摯に学び直してみると、とても興味深い、どこか不思議な現象に気づかされたのです。それは、私たちが使っている言葉そのものが、まるで意思を持つ生き物のように、今この瞬間も進歩を続けているという事実でした。

ビジネスの本質をお話しする研修のパートの中で、お客様の困りごとを解消する必要性について説明する文章を作ろうとしたときのことです。たとえば、マクドナルドに一人のお客様が入ってきたと仮定します。この場合、英語の表現としては、単数形の一人のお客様となります。

問題はその後に、そのお客様の状況を続けて説明したくなったときです。

彼にはこういう困りごとがあった、あるいは、そのお客様はこのような状況だった、と代名詞を使って英語を続けたいわけです。

私が何十年も前の学校教育、いわゆる中学校の授業で習ったときには、単数の単語なのだから、性別がわからないときは一旦男性の代名詞「彼(he/his/him)」で受ければいいと教わりました。

時代とともに変わる代名詞の常識

その後、会社員としてのキャリアが始まり、実際に海外で暮らして正式なビジネス文書を書くようになると、現地のルールは変わっていました。

今度は、彼または彼女 (he/she)というふうに両方の性別を書きなさいと指導されたのです。これが当時の正しい英語であり、世の中の新しいスタンダードなのだと言われて納得した記憶があります。

しかし、現在の英語圏のビジネスシーン全般に目を向けると、実はさらなる変化が起きていました。ここ10年ほどのビジネスの現場では、一人のお客様に対して、何度も彼または彼女という表現を重ねて言い続けることはしていません。それは読み言葉としても、話し言葉としても、非常に大きな負担になるからです。

そこで現在のビジネスシーンでは、あえて三人称複数の表現(they)を、単数の意味として使うことがスマートであるとされています。(単数のtheyという文法用語があるようです。)

ジェンダーの多様性に対する社会の感度が非常に高くなっている現代において、この使い方が正しいと広く認められるようになりました。驚いたことに、この表現は実は、英語圏の主要な辞書(オックスフォードやマーリアム・ウェブスター)や、ニューススタンド(ニューヨーク・タイムズなど)の執筆ルールでも、現在では「単数の they は文法的に完全に正しい」と公式に認められています。 

かつての常識に縛られている人から見れば、これは文法的な違和感を覚える変化かもしれません。

しかし、実際の世の中はもう一歩先へと進歩しています。例えるなら、これまでの言葉のルールが男女という二つのレーンしかない旧時代の道路だったとするならば、現代の言葉は誰もが自由に走れる、レーンのない広い滑走路へと生まれ変わったようなものです。

この新しいルールに則らなければ、現代のグローバルな会話のテンポにはついていくことができません。

私たちの日本語も更新できているか

このような学びを通じて、ジェンダーの多様性という考え方や、社会情勢の変化に伴って、言葉そのものがダイナミックに変わっていく姿を肌で感じました。そこでふと考えさせられたのが、私たちが普段使っている日本語の現状についてです。

英語の世界で起きているような、多様性を尊重する言葉の変化に対して、日本語は果たしてしっかりと追いついているでしょうか。日本語において、これまでの表現をそのまま使い続けることが、今の世の中の潮流に本当に即しているのか、立ち止まって考える必要性を感じています。

これは決して英語力だけの問題ではありません。私たちが日常的に使っている日本語の感覚そのものを、新しい時代に合わせてアップデートできているかという、自分自身への大切な問いかけでもあります。多様性を重んじる大きな流れの中で、私たちが昔習った言葉とは全く異なる表現が、実際のビジネス界の最前線では力強く使われています。この変化を知ることは、とても面白く、同時に新しい時代の到来を告げる心強いサインであると感じました。

だからこそ、自分の知識や感覚はきちんと更新されているだろうかと、常に自戒を込めて振り返ることが大切です。

皆様の周辺でも、いつの間にか言葉の感覚が変わったと感じるものは何かありませんでしょうか。研修の講師業やコンサルタントとして、こうした言葉の繊細な変化に常に注意を払いながら、これからも誠実にビジネスを続けていきたいと考えています。

改めて、私にこのような大切な気づきのきっかけを体現させてくれる、日々の研修の機会と、そこに関わるすべての方々に心からの感謝を申し上げます。


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関係の質研究所 上田 誠士 ありがとうございます!これまでの経験、学びを活かして、皆さんにメッセージを届けていきます。チップありがとうございます。次の記事もお楽しみに。