経済観測(2026年2月8日)
前々回の投稿から約半年余りの経済情勢を概観し、今後の方向性を考察する。前回の投稿で振り返った歴史的な背景も踏まえて最新情勢を考えてみたい(フレームワークは参考文献参照)。
■情勢の概要
政府発表や報道、シンクタンクのレポート、参考文献などから最新の情勢を見ていく。
▢主だった経済指標を振り返る
・ドル円レート
この約半年余りの推移から確認しよう。まずは、前々回の投稿から年初までの動きを見る。直近6ヵ月の最新データ(2026年1月2日現在、25年7月2日~)は以下の通りである。

半年前までは円高傾向だったが、参院選(7月3日公示・20日開票)で自民・公明の与党が過半数割れの大敗をすると、約4ヵ月ぶりに一時1ドル150円台を付けた。FRBと日銀が政策金利の据え置きを決めて金利差が意識されたことや、日銀が早期に追加利上げしないとの観測が広がったことが要因とされる。この頃には、トランプ関税への警戒感からドルを売る動きは目立たなくなった。
その後、しばらく140円台後半で推移していたが、石破茂首相が退陣表明(9月7日)をして自民党総裁選(9月22日告示・10月4日開票)に入ると振幅し、高市早苗氏が新総裁に選出(10月4日)されると、一時期1ドル152円台後半を付け、株高・債券安(長期金利上昇)が同時に進む「高市トレード」が観測された。金融緩和の継続や拡張的な財政政策が意識されたからとされる。
高市氏の総理大臣任命・内閣発足(10月21日)後も円安が進み、就任後初の所信表明演説(10月24日)で「責任ある積極財政」が打ち出されると振幅しながら加速した。その後も止まらず、11月20日には1ドル157円台後半を付けた。債券市場では、高市政権の経済対策が物価高を助長し、財政悪化を招きかねないとの警戒感から国債が売られ、長期金利(10年物国債利回り)が一時1.835%まで上昇した。
11月21日、片山さつき財務相は為替介入を辞さない構えを示して市場をけん制したが、その後も、拡張的な補正予算案に煽られるように円安が続いた。台湾情勢を巡る高市氏の発言に端を発した中国政府の対応も、懸念材料となった。この流れは、補正予算案の閣議決定(11月28日)後も続き、25年度の当初予算案の閣議決定(12月27日)後も変わらなかった。
次に、この1ヵ月ほどの動きを見る。直近1ヵ月(2月7日現在、1月7日~)の推移はこのようになっている。

1月9日、読売新聞電子版が「高市首相が23日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った」と報じ、その他のメディアも追随した。円は売られ、13日には一時1ドル159円台と1年半ぶりの円安ドル高水準となった。日経平均株価は史上最高値(5万4000円台)を更新。債券市場では国債が売られ、長期金利(新初10年債)が上昇し、26年11ヵ月ぶりの高水準となった。
こうした状況について、メディアは「高市トレードの再来」と報じ、「積極財政が期待されて株が買われる一方で、財政不安から円や国債が売られた」という論調だが、これについては後述する。
14日、片山さつき財務相は、再び為替介入を辞さない構えを示した。21日前後の「トリプル安」は介入を巡る不安定さが要因とされるが、結局、沈静化している。
しかし、その直後、事態は急転する。23日、為替市場で日米通貨当局がレートチェック(為替介入の準備行動)の観測が浮上したと伝わり、円が急伸した。27日に1ドル152円台前半を付けてピークアウトしたが、こうした中、31日、高市首相が衆院選の遊説で円安容認と受け取られる発言をした影響で、円安傾向を助長してしまった。2月に入っても円安が進んでいる。
他の通貨はどうだろうか。この約半年余りの推移を俯瞰してみると、ユーロはドルに対して7月、10月~11月と減価してそれぞれ回復傾向だったが、今年に入って再び減価傾向となっている。ポンドは7月、11月と減価してそれぞれ回復し、今年に入ってやや減価傾向となっている。円と比較すると、ユーロもポンドも振幅が一定で、ファンダメンタルズに回帰しながら推移しているといった印象だ。この点、円は一貫して減価が進んでおり、加速状況に危機感を覚えざるを得ない。ドルと同じように、レートを見るとこうなる(1月20日現在、2025年7月20日~)。


ユーロに対しても、ポンドに対しても、円安が著しい。ファンダメンタルズ(次項参照)からの乖離具合からしても、金利差の縮小傾向(後述)からしても、異常な状況と言える。
・購買力平価から見た為替レート
市場レートは投機に影響されるため、実体経済の状況を反映した回帰レート(ファンダメンタルズ)を確認しておく必要がある。今回も、購買力平価を使って参考値を確認する。
1)絶対的購買力平価
ビッグマックの購買力平価(2月8日現在)は1ドル78.43円
英エコノミスト誌による「ビッグマック指数」の最新データ(2026年1月公表分)によると、ビッグマックは、日本では480円、アメリカでは6.12ドルだ。これを等しくする為替レート(480/6.12)は、1ドル78.43円となる。しかし、実際の市場為替レートは1ドル158.54円だった。購買力平価と比べて50.5%も円安ということになる。この過小評価率を「ビッグマック指数」と呼んでいるが、2月8日現在の市場為替レート(1ドル157.20円)にあてはめると、50.1%も過小評価されていることになる。
IMFとOECDによる購買力平価(2月8日現在)は、1ドル84~94円程度
様々な商品・サービスを考慮した購買力平価として、IMFとOECDの最新データを確認しよう。IMFは実績値で1ドル93.67円(2025年10月)、OECDは1ドル83.90円(2024年)となっている。2月8日現在の市場為替レート(1ドル157.20円)にあてはめると、40.4%~46.7%程度の円安となる。今回も、ビッグマック指数ほどではないが、過小評価されていることを確認できた。
2)相対的購買力平価
BIS(国際決済銀行)が算出している実質実効為替レート
本稿執筆時点(2月8日)の最新データ(2026年1月31日 Real effective exchange rates - Broad indices)は、67.7となっている(2020=100)。2020年から67.7%の水準まで購買力が低下したことになる。
・短期金利(政策金利)
物価高が続く中、日銀の金融政策決定会合では、昨年1月に0.5%程度へ引き上げられてから据え置きが続いた。トランプ関税や賃上げの状況を見極めたいというのが理由だ。12月18日~19日の金融政策決定会合で一転して0.75%程度に引き上げられることが決まり、1995年以来の水準とされた。長期金利は2.020%と約26年10ヵ月ぶりの水準となったが、高市首相の財政拡大を懸念した国債売りと重なる形となった。
中立金利より低い水準であることから今後も引き続き利上げの余地があることが示されたが、これは前回の投稿で確認した緩和的な状況とも整合する。今後は、利上げによる抑制効果が、国債売りによる金利上昇で減殺されてしまうことが懸念されている。
アメリカとの金利差はどうだろうか。日銀が段階的に正常化しつつあるのに対して、FRBは緩和に向かっている。そのため、金利差が縮まり円高要因になっている。
この間のFRBの状況を概観しよう。トランプ氏側の圧力が問題となっているが、9月17日のFOMCで雇用悪化を警戒し、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を4.0~4.25%とし、0.25%引き下げた。FMOC参加者は年内残り2回の会合で、通常ペースの2回分に当たる0.5%の利下げを見込んだ。予想通り、10月29日の会合でフェデラルファンド(FF)金利を3.75%~4.0%とし、0.25%引き下げた。12月10日の会合も、予想通り、フェデラルファンド(FF)金利を3.5%~3.75%とし、0.25%引き下げた。理由は、引き続き、雇用情勢を下支えするものとされた。また、2026年の利下げは通常ペースの「1回」と予測された。
ユーロ圏、イギリスとの金利差も縮小傾向である。ECB(欧州中央銀行)は昨年6月、政策金利を0.25ポイント引き下げ、2.15%にすると発表。9月、12月と据え置きが続いている。イングランド銀行は12月、0.25ポイント引き下げ、3.75%にすると発表。2025年に入って4度目の利下げとなった。
・長期金利
この約半年余りの推移は以下の通り(2月8日現在、25年7月15日~)。

上昇傾向であることが確認できるが、今一度、背景を振り返っておこう。
長期金利は2024年3月のYCC撤廃後、量的引き締め(QT)への移行とともに市場実勢に委ねられるようになっている。まず、同年7月の金融政策決定会合で、8月以降、長期国債の買い入れ額を毎四半期4,000億円程度ずつ減額し、26年1〜3月期には月額3兆円程度にするという具体的な計画が決定・公表された。25年6月17日の会合では、26年4月以降は四半期ごと2,000億円程度へ減額ペースを緩める方針が示された。その一方で日銀は、市場が不安定になるような場合には柔軟に対応する態度も示している。
短期金利(政策金利)の段階的引き上げは、将来の金利上昇を市場に意識させることで長期金利の上昇に影響していると言えるが、先述の通りまだ緩和的なので、効果は限定的と推測される。以上が上昇傾向の基本的な条件であるが、最近、インフレ懸念や財政リスクの高まりから、タームプレミアムの上昇が観測されるようになっていることも、基調的な上昇圧力になっていると言うことができる。
この約半年の情勢を振り返ろう。メディアは次のように報じた。
・7月15日、参院選で財政拡張が懸念され、一時、1.595%を記録(約17年ぶりの水準)。
・8月21日、追加利上げ観測や財政リスクへの懸念から、一時、1.610%を記録(16年10ヵ月ぶりの水準)。
・11月20日、高市政権の経済政策への懸念から円と同時に売られ、一時、1.835%を記録(約17年半ぶりの水準)。
・12月1日、早期利上げの警戒感や高市政権の財政拡大路線への懸念から、一時、1.875%を記録(約17年半ぶりの水準)。
・12月4日、同様に、1.935%を記録(終値 約18年半ぶりの水準)。
・12月19日、政策金利が0.75%程度に引き上げられることが決まり、高市政権の財政拡大路線への懸念から、2.020%を記録(終値 約26年10ヵ月ぶりの水準)。
・12月23日、今後の利上げ観測や高市政権の財政拡張路線への懸念から、一時、2.100%を記録(約26年10ヵ月ぶりの水準)。
この間、高市政権の財政拡張路線は、経済対策 → 補正予算 → 当初予算(2026年度予算)へと争点が移ったが、市場関係者がリスクとして捉え続けていることが分かる。年内の追加利上げ、今後の利上げ観測も意識された。
2月6日取引では、日本10年国債利回りが2.230%であるのに対して、米10年国債利回りが4.209%となっている(三井住友信託銀行マーケット情報参照)。米国と比較して低い状況が続いているが、政策金利と同じように金利差が縮小しつつある(前々回の投稿参照)。これだけ見ると円高要因だが、今後、政策金利の縮小がどのように意識されるか、国内のインフレ、財政リスクがどう評価されるかが焦点になるだろう。中立金利との比較では、まだ低いと推察される(前回の投稿参照)。
・日経平均株価
この約半年余りの推移から確認しよう。まずは、前々回の投稿から年初までの動きを見る。直近6ヵ月の最新データ(2025年12月30日現在、25年7月3日~)は以下の通りである。

全体的に上昇傾向である。前々回の投稿時から、しばらくバブル期の最高値を若干上回る水準で推移していたが、7月以降、日米の関税交渉合意に好感するなどして最高値を更新し始めた。石破茂首相が退陣表明(9月7日)をすると、財政拡張的な政策が進む可能性が意識されて買われた。トランプ関税の不透明感が低下し、FRBの利下げ観測が高まり(利下げ決定後は安心感が広がり)、米ハイテク株が上昇した影響も強くなった。
この傾向は自民党総裁選の期間中続き、高市早苗氏が新総裁に選出(10月4日)されると、先述の「高市トレード」が観測された。高市氏の総理大臣任命・内閣発足(10月21日)後、財政拡張路線が現実化し、所信表明演説(10月24日)で打ち出された「責任ある積極財政」に対する期待で買われたとされた。
一見、分かりづらい情勢だ。財政への期待で株が買われる一方、財政リスクが懸念されて国債が売られるというのはどういうことなのか?長期金利が上昇しているが、円安が進んでいるのはなぜなのか?日米金利差が縮小して円高になりそうなのになぜ円安が進んでいるのか?これについては後述する。
10月31日、アップルやアマゾンなどの米主要ハイテク企業の好決算を受けて、年内のピーク(5万2,411円34銭)を記録した後、11月17日、日中関係の悪化懸念からインバウンド関連株が軒並み売られるなど伸び悩みや調整局面が見られたが、4万8,000円台~5万円台の高水準を維持した。
今年に入っても最高値を更新し続けている。次に、この1ヵ月ほどの動きを見る。直近1ヵ月(2月6日現在、1月8日~)の推移はこのようになっている。

1月13日、高市首相の衆院解散検討の報道を受け、史上初の5万3,000円台を付けて「高市トレードの再来」とされた。翌14日、2日連続で最高値を更新した(5万4,341円23銭)。1月21日前後に「トリプル安」の兆候があり、その後も5万3,000円台~4,000円台で推移するが、2月3日、円安ドル高の進行で買われ、1月14日以来、約3週間ぶりに過去最高値を更新した(5万4,720円66銭)。
今回もバブル期の水準と比較しよう。本稿を執筆している2月8日現在の日経平均株価(5万4,253円68銭)は、1989年12月29日(3万8,915円87銭)の約1.4倍となっている。これに対して、ダウ平均株価($50,115.67)は1989年12月29日の終値($2,753.20)の約18.2倍、S&P500($6,932.30)は同日の終値($353.40)の約19.6倍になっている。ユーロ圏は遡及可能なEuro Stoxx 50を使うと、2月8日現在、5,998.40ポイントとなっており、1989年の終値である1,098.49ポイント(年次、1991年12月31日=1,000)の約5.5倍である。どの指標も前々回の投稿時より上昇しているが、欧米との差が大きく広がっている状況が続いている。
・賃上げ率
前々回の投稿以降の最新データを確認しよう。まず、2025年春闘の賃上げ率は5.52%で、前年(5.33%)に比べ0.19ポイント増となっている(「令和7年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況を公表します」 参照)。
しかし、これは労働組合が組織されている大企業を中心とした数値で、価格転嫁や定期昇給が多く反映されてしまい、経済全体の賃上げ率より上振れしてしまう可能性があるということだった。そこで今回も、中小企業が含まれる名目賃金上昇率(総支給額上昇率)の最新データ(毎月勤労統計調査 2025年11月分結果確報)を確認しよう。一般的に名目賃金は「現金給与総額(規模5人以上)」を見ていく。11月は、313,531円で前年同月比1.7%増だった。前回の投稿以降はこのようになっている。

前年同月比では上回り続けているが、春闘の賃上げ率を下回り続けている。6月~7月の上昇は春闘賃上げの反映、夏季賞与の影響、9月~10月の上昇は、中小企業など、春闘に参加しない企業・業種の賃金改定の影響が考えられる。
・消費者物価
前々回の投稿以降も上昇傾向である。最新データ(2026年1月23日総務省公表「2020年基準消費者物価指数全国 2025年12月分」)から振り返りたい。
変動の大きい生鮮食品を除く総合指数(コアCPI・2020年=100)は112.2で、前年同月と比べて2.4%上昇した。報道資料から前回投稿以降の推移を振り返ると、このようになっている。

食料品の価格上昇が比較的高い水準で、物価全体の上昇圧力となった。背景には、原材料費の高止まりや輸入物価の影響、米類を中心とした食料品価格の高水準維持があると考えられる。また、エネルギー価格は、ガソリンの暫定税率廃止(11月13日から補助金拡充、12月31日廃止)の影響を受けつつ推移し、9月には下支えの効果も見られた(マネックス証券,2025/10/24)。10月以降は、サービス価格の上昇も物価全体を押し上げる要因となっているという分析もある(同上,2025/11/21)。
今後は、電気・ガス料金支援(2026年1月~3月)が再開されると、前年同月比が「2%を割り込む可能性」があるという(ニッセイ基礎研究所, 2025/12/19)。10月以降、食料品の値上げが鈍化しているが、この傾向が続くことも予測されている(同上,2026/1/23)。この点について日銀は、1月26日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、26年度の見通しを「1.9%」としている。
総合指数(CPI)を前年同月比はこのようになっている。一般的に「消費者物価上昇率」と呼ばれるものだ。最新データ(12月分)を確認すると、前年同月比2.1%の上昇だった。

緩やかに低下しているが、3%近傍で高止まりしている。10月からの低下は、食料品価格の鈍化が一因だが、それでも、日銀が目標としている2%を上回っている。
2025年平均のデータも公表されていたので確認しよう。生鮮食品を除く総合指数(コアCPI・2020年=100)は111.2で、前年同月と比べて3.1%上昇した。2013年以降の推移はこのようになっている。

2020年までが4.5%。2020年から2025年までが11.2%上昇している。アベノミクスの期間、緩やかに上昇し、コロナ禍で停滞したが、その後の上昇が大きいことが分かる。総合指数(CPI)を前年比はこのようになっている。

2019年から21年にかけて、消費税率10%への引き上げとコロナ禍の影響で低下したが、22年から23年にかけて輸入インフレが生じた。この要因として、世界的なインフレ(コロナ後の供給制約、ウクライナ情勢による原材料・資源価格の高騰)、急激な円安(日米金利差の拡大)、企業の価格転嫁が考えられる。24年になるとエネルギー補助金(電気・ガス料金支援)の効果もあり、ピークアウトした。25年に入ると主に国内要因で上昇した。先述の通り、食料品価格が高止まりしているほか、サービス価格の上昇やエネルギー価格も押し上げ要因になっている。
アベノミクスの期間中では、2014年、消費税率8%への引き上げの影響で上昇し、原油価格の下落や個人消費の低迷もあって減速した後、2018年、原油高と円安による輸入インフレが生じて上昇した。しかし、22年以降の上昇率は、これらを上回る水準で推移している。
・実質賃金
前々回の投稿以降の最新データを振り返る(毎月勤労統計調査 2025年11月分結果確報・事業所規模5人以上)。「消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化したもの」を見ていくが、前年同月比はこのようになっている。

11月分は1.6%減となっており、11ヵ月連続のマイナスとなった。先述の通り名目賃金は上昇傾向だが、賃上げが影響する6月~7月、9月~10月もインフレが上回っていることを示している。その結果、消費者の実質的な所得・購買力は低下し続けている。
・GDP(国内総生産)/消費支出
本稿執筆時点(2月8日)のデータ(2025年12月8日内閣府公表「2025年7-9月期・2次速報」)を確認すると、前回の投稿時点で公表された四半期の実質GDP成長率は、2025年1-3月期が前期比で0.4%だった。その後、4-6月期は0.5%、7-9月期は▲0.6%で推移している。コロナ禍の前後から振り返るとこのようになっている。

2019年10-12月期、消費税率10%への引き上げと台風19号などの自然災害の影響で落ち込み、2020年1-3月期、落ち込みからの反動でプラス成長した。2020年4-6月期、新型コロナによる緊急事態宣言やサプライチェーン寸断の影響で大幅マイナスを記録し、2020年7-9月期、宣言の解除や落ち込みからの反動、政府の経済対策の影響で大きく伸びた。その後、徐々にゼロ近傍で推移するようになった。日銀が1月26日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、26年度の前年度比の見通しを「1.0%」としている。
一方、実額の推移はこうなっている(単位は10億円、2020暦年連鎖価格)。

コロナ禍前の水準を取り戻しつつ、緩やかに増加している状況を確認できる。
GDPの5~6割程度を占める家計最終消費支出はどうだろうか。今回の速報でも、2025年7-9月期のGDP実額に占める割り合いは実質で50.5%となっており、同水準を維持していることが確認できる。
まずは、四半期の実質GDP成長率(前期比)と比べるとこのようになっている。

ほぼ同じ動きで推移しているが、2021年1-3月期、2回目の緊急事態宣言で消費が抑制され、外需・投資がGDPを下支えする構図となった。2021年10-12月期は逆に、緊急事態宣言の解除とそれに伴う行動制限の緩和によって消費が伸びたが、外需が弱含みするなどGDP全体は抑えられた。
続いて、四半期の実質実額はこのようになっている(単位は10億円、2020暦年連鎖価格)。

コロナ禍前の水準を取り戻せていない状態が続いている。実質GDPは回復傾向にあるものの依然として停滞しているが、この下押し圧力が基本的な原因になっていると考えることができる。
今回も各需要項目について、コロナ禍前からの変化率を確認しよう。最新データ(2025年12月8日内閣府公表「2025年7-9月期・2次速報」)の四半期GDP実額(実質)から、2019年4-6月期と2025年7-9月期を比較するとこのようになる。

実質GDPが1.1%増だが、今回も増加しているのは実質民間企業設備(3.7%増)、実質政府最終消費支出(10.4%増)、実質純輸出(30.6%増)となり、実質家計最終消費支出(1.0%減)をはじめ、多くの需要項目がコロナ禍以前の水準を取り戻せていないことを確認できた。民間内需の落ち込みを、主に政府消費支出・外需の増加で補っている構図は変わらないが、今回は外需の伸びが際立っている。
以上を総括すると、依然としてスタグフレーション的な状況が続いていると考えることができる。
今回のインフレは、2022年から23年にかけて生じた輸入物価の上昇に端を発している。生産年齢人口減・人材投資の遅れといった供給制約がある一方で、今回のデータでも、家計最終消費支出をはじめとした民間内需の落ち込みが続いていることが観察された。実質GDP成長率は0%±1%未満で推移しているが、消費者物価上昇率は日銀が目標としている2%を上回っている状況が続いている。したがって、スタグフレーション的な特徴を示していると言える。
名目賃金上昇率は比較的高い水準で推移しているが、消費者物価上昇率が上回っているため、実質賃金上昇率はマイナスで推移している。これは、消費支出が伸び悩む原因になっていると言える。
また、あらためて次項で分析するが、23年4月から12月にかけて、円ベースの輸入物価が前年同期比でマイナスになり、24年に入ると再びプラスに転じたが、25年4月から再びマイナスになった。この間、国内物価の上昇が続いている。そのため、プラスの期間は、輸入物価上昇分が販売価格に転嫁される影響が強まり、マイナスの期間は、名目賃金上昇分が販売価格に転嫁される影響が強まっていると推察される。コストプッシュ・インフレが、輸入インフレ、ホームメイド・インフレと比重を移しながら現れている状況であり、企業はその時々で、マークアップ率を考慮した販売価格を決めていると考えられる。
・GDPデフレーター
前項ではスタグフレーション的な状況が続いていることを確認したが、GDPデフレーターの推移を振り返ることによって、輸入物価が国内物価へ与える影響を考えてみたい。本稿執筆時点(2月8日)のデータ(2025年12月8日内閣府公表「2025年7-9月期・2次速報値・統計表一覧」)の「四半期デフレーター原系列(前年同期比)」はこのようになっている。

一つ目の上昇は2019年から2020年にかけてだが、これは、2019年10月の消費税率10%への引き上げと、その後のコロナ禍の影響である。
二つ目の上昇は2022年10-12月期から現在まで続いているが、これは今、私たちが直面している物価上昇の影響を示している。まず、企業が、急激な円安に伴う輸入物価の上昇を国内の販売価格に転嫁したことから始まったと考えられる。2023年7-9月期まで大幅に急上昇しているが、これは輸入物価が下落しているにもかかわらず、企業が国内の販売価格を変えなかった影響が考えられる。輸入はGDPの控除項目なので、下落しているのに国内価格が変わらないと、GDPデフレーターが上昇することになる。
ピークアウト後は2024年7-9月期に2.7%まで低下したが、一つ目のピーク時より高い水準であり、上昇ペースが減速したと解釈するのが適切だろう。この時は、名目賃金上昇分の価格転嫁が支配的になっていたと考えられる。その後の上昇は、これに加えて、輸入物価、食料品価格の再上昇が影響していると考えられる。
こうした状況は、輸入デフレーターと家計最終消費支出のデフレーターを見ると明確になる。同じく、最新データの「四半期デフレーター原系列(前年同期比)」を確認するとこのようになっている(家計最終消費支出の数値は、グラフを比較しやすいように10倍している)。

タイムラグがあるのは、輸入物価が国内の販売価格に転嫁され、一般消費者が負担するまで時間がかかっているからと考えられる。輸入デフレーターは2021年から2022年にかけて上昇しているが、少し遅れて家計最終消費支出デフレーターが上昇している。この差が、国内価格に反映されるまでの時間であると考えられる。
注目すべきは、2022年秋頃からの輸入デフレーターの急落ほど家計最終消費支出デフレーターが減速せず、比較的高い水準で推移していることである。メニューコストやマークアップ率の維持などが原因として考えられる。輸入デフレーターは2024年4-6月期をピークに再び上昇傾向だったが、25年4-6月期、7-9月期と再びマイナス圏まで減少した。25年の家計最終消費支出デフレーターが再び上昇しているが、食料品価格の上昇と相まって影響していると考えられる。
・ULC(単位労働コスト)
ユニット・レイバー・コスト(ULC:Unit Labor Cost)とは、実質GDP1単位を生産するために必要な労働費用(賃金)を示す経済指標のことで、「名目雇用者報酬 ÷ 実質GDP」で算出される。労働生産性と人件費のバランスを表し、国のコスト競争力やインフレの先行指標として利用され、実質GDP1単位よりも賃金支払い額が上回れば上昇する。最新データ(2025年12月8日内閣府公表 統計表一覧(2025年7-9月期2次速報値))から計算するとこのようになる。

この場合の生産性とは労働生産性のことを言うが、コロナ禍の時にピークアウトしてから、2022年以降のインフレで再上昇し、24年以降はコロナ禍のピークを超えて上昇し続けている。これは、労働生産性が低下し続けていることを意味する。23年以降の春闘は物価高対策の側面が強いが、生産性が低下しているのに賃上げしていることになる。その結果、賃上げ分を価格転嫁して更なる物価上昇(インフレ圧力)を引き起こしていることになり、政府や日銀が唱える「賃金と物価の好循環」を目的とした賃上げになっていないことが分かる。実質賃金の低迷、スタグフレーション的な状況の原因と言うことができ、この数値の継続的な上昇は、「賃金と物価のスパイラル的悪循環」を示していると考えることができる。
■総評(情勢分析・方向性の考察)
経済指標の構造変化が進んだ
この約半年余りの情勢を振り返ると、高市政権に対する期待感や警戒感から、ドル円相場・日経平均株価・長期金利(国債価格)の関係性や構造が大きく変化してきたことが分かる。
まず、ドルだけでなく、ユーロやポンドに対しても、異常なまでに円安が進んでいる状況を確認できた。ファンダメンタルズからの乖離度合いが進む一方なのだ。金利差から円高圧力が加わっていると言えるが、それでもこれだけ円安が進むとなると、高市政権を巡る不確実性が相当強く意識されていると言わざるを得ない。
長期金利は市場実勢に委ねられつつある状況だ。高市政権への警戒感から上昇圧力が加わり、タームプレミアムの上昇も観察された。しかし、それでもなお、現状では日米で開きがあり、日銀が国債を保有することで低く押さえつけられている。
日経平均株価は基本的に高水準で推移している。これは長期金利が相対的に低いことから説明できるが、短期金利(政策金利)が0.5%程度と低かったことからも説明できる。インフレ率が3%程度だとして、名目金利(政策金利)を0.5%程度とすると、実質金利はマイナス2.5%程度になる。12月に0.75%程度に引き上げられたことはインフレ抑制の観点からは評価できるが、実質金利はマイナス2.25%程度となる。0.75%は、中立金利と比較して緩和的ということだった。しかし、株価へ上昇圧力を加えていることに変わりがない。
株高を支えている要因は、その他、輸出型大企業を中心に、円安による収益期待があることだろう。上記の円安傾向がこの状況を助長している。低い実質金利が円安を招いて、株高を支えている側面も否定できない。そして、企業の側から言えば、マークアップ率を維持するために人件費上昇分を価格転嫁している可能性があり、これよる利益増を期待して買いが入っているという側面もあるだろう。トービンのq理論の観点から言えば、適正に評価されているかは分からない。
こうしたことを踏まえて、経済情勢に補足する。積極財政への期待から株が買われ、財政懸念から円や国債が売られるという「高市トレード」が観測された。一見矛盾しているように感じるが、この問題は次のように考えると分かりやすいだろう。株式市場で財政支出が期待され、関連株が収益期待で買われる一方、為替相場では実質金利が低下するとの見通しから円安になる。しかし、債券市場では、財政が悪化すると意識されて国債が売られ、長期金利が上昇する。信認低下が円売りも促す。
この信任低下がさらに進むと「トリプル安」に変質する。金利急騰や円売りが意識され、株安につながるというロジックだ。高市政権になってから、このように見える局面は2回ほどあった。1回目は、11月19日前後である。経済対策が財政悪化を招くとの懸念からそうなった。2回目は、今年の1月21日前後だ。衆院選に向けた政治情勢を背景として急激に円安が進み、長期金利も急上昇した。いずれも介入圧力で収まっているが、一時的な沈静化に過ぎない。
日本でも「トラス・ショック」が起こるのか?
こうした中、日本でも「トラス・ショック」を危ぶむ声がある。今回の衆院選では、消費税減税の見通しを受けて欧州の金融機関やメディアが警戒感を示した。確かに、今後もそのような可能性はあるだろう。しかし、ここでは、当面、そうなりそうもない現実的な理由を三つ挙げたい。
一つ目は、先述の通り長期金利が上昇していると言っても、日銀がまだ多くの国債を買い支えており、アメリカと比べて低く抑え込まれているということである。今もなお公的債務残高はGDPの2倍を超えるとされ、金利が上昇すると利払い費が財政の圧迫要因になるので、金融正常化に向かいつつ調整が入る可能性がある。
二つ目はイギリスとの事情の違いである。年金基金による債務連動型運用(LDI、Liability Driven Investment)が日本では行われていない点や、対外ポジションの差を指摘するレポートがある(2025年11月28日三井住友DSアセットマネジメント白木久史)。
三つ目は、対外的な取り決めのようなものである。G7およびG20では、国際金融の安定性を維持するため、為替相場について長年共有されている基本的な原則やコミットメントが存在する。それだけでなく、日米の財務当局間で、市場の安定や経済政策の調整を目的とした常時の意思疎通(いわゆるホットライン)が確立されているとされる。
本来の物価高対策とは?
今回、ULC(単位労働コスト)を分析することによって、実質賃金の継続的な低下傾向やスタグフレーション的な状況が続いている原因を確認することができた。すなわち、生産性が低下しているにもかかわらず、賃上げをして価格転嫁を続けていることが、この数値の継続的な上昇に表れている。したがって、生産性を向上させて付加価値(粗利益)を増やし、それを原資に賃上げしない限り、「賃金と物価のスパイラル的悪循環」から抜け出せないと言うことができる。
今後も労働人口減が予想され、人手不足から賃上げ圧力は続くだろう。こうした状況では、付加価値増を賃金に反映する政策こそが、本来の物価高対策であるはずだ。しかし、これまでの高市政権は、こうした政策に向き合うことはなかった。この点について言えば、実質賃金増を掲げた石破政権時代の方が、「労働生産性向上と賃上げの両立を図る」といった点で誠実だったと言える。
一方で、2022年以降のコストプッシュを起点としたインフレは、家計の収奪を加速させているといった側面がある。価格転嫁という形で家計から企業へ所得が移転しているだけでなく、インフレ税という形で政府にも移転しているからだ。低金利が続くと、政府債務が家計に移転するという指摘もある。
「高圧経済」は実情に合わない
高市首相は政権当初から、アベノミクスを継承しているとする見方があった。首相就任後の所信表明演説で「責任ある積極財政」を掲げる一方、日銀の独立性が損なわれるのではないかと疑われる発言をしたことは、かつて、「日銀は政府の子会社」と言い放った故・安倍元首相のような既視感があった。サナエノミクスを唱えていることが象徴的だが、日銀に圧力を加えながら財政出動をしようとしているのなら、失敗が検証済みのアベノミクスと変わりない。城内実・成長戦略相が唱えた「高圧経済」は、こうした文脈と無関係ではないだろう。
しかし、この政策は、一時的な景気浮揚効果は望めるものの、今後の日本経済の実情に合っていないと言える。なぜなら、労働市場に供給制約があり、完全雇用に近い状態で需要を喚起することになるので、結局は、コストプッシュを起点としたインフレを招き続けることになるからだ。それを補填するために更なる赤字国債を発行し続ければ、財政状況が悪化し続けることになるだろう。
財政政策のラインナップからも同じことが言える。給付付き税額控除、ガソリン税暫定税率廃止、ガス電気措置は一時的な浮揚効果しか見込めない。財源が必要である限り、日本経済全体として可処分所得が増えず、所得の再分配を促すだけとの指摘がある。今回の衆院選で各党が掲げる消費税減税も同じだ。ガソリンは価格が低下しているのになぜ暫定税率を廃止するのか疑問視する声もあった。
結局、今の状態でこのようなラインナップで需要を喚起しても、インフレを招き寄せるだけである。生産性の低下という根本原因に手を加えない限り、一時的に好転しても、再びインフレに苦しむことになるだろう。
それでは、どういう方向性が考えられるのだろうか?
次期政権が政策転換すべきこと
今回の衆院選だが、本稿執筆(2月7日)時点では、自民党が単独過半数を大幅に上回る勢いと報じらている。高市政権が継続する可能性が見えてきた情勢だ。仮にそうならなかったとしても、次期政権がまずは着手すべきことを三つ述べてみよう。
まず第一に、財政支出の的を絞るべきである。先述の通り、減税、補助金、給付金といった需要喚起策は、一時的な景気浮揚効果しか見込めない。供給制約があり、完全雇用に近い状態で財政を拡大しても、インフレを招くばかりで成長しない。次項で述べるが、民間の活動を支援する分野に的を絞って財政支出するべきである。
第二に、市場との信頼感の醸成である。消費税減税は財源を示さないと、かえって円安が進むリスクがある。信頼感がない状態で減税が実施されれば、利回りの上昇圧力を加速させる可能性がある。社会保障への目配りも重要だ。今まで以上に介護サービスの質の低下などを招く恐れがあり、国内経済の持続性に悪影響を及ぼすだけでなく、市場からもリスク要因と捉えられかねない。
第三に、高市首相は「財政健全化の目標」を見直し、「政府債務残高の対国内総生産(GDP)比の引き下げ」に切り替える方針を示したが、従来の「プライマリーバランス(PB)黒字化」に戻すべきである。いくら「名目経済成長率>国債利回り」の関係を作り出したとしても、あくまで名目であることに注意しなければならない。分母が名目GDPになるので、インフレでかさ上げされることになり、今後のインフレを正当化させる要因となりうる。財政の実情を見えにくくして、財政悪化を先送りし続けることにつながりかねない。
サプライサイドを起点とした政策を
次期政権が次に着手すべき政策は何か。短期的には、賃上げを奨励することをやめることが考えられるが、極めて困難な課題だ。本筋の生産性向上にアプローチするためには、サプライサイドに手を加える必要があるだろう。現状では供給制約があるので、労働市場の構造改革を推し進めるのだ。
具体的には、人材への教育投資、業務効率化を促すデジタル化、雇用の流動化を促す規制緩和、労働力移動を支える制度改革、エッセンシャルワーカーの人材支援、低賃金構造の是正などが考えられる。民間がこうした分野に取り組めるよう、仕組みを変え、財政支出をしていく。この政策では、今回の衆院選で争点となった外国人労働者の処遇も関係してくるだろう。
同時に、トランプ関税への対応として、製造業による輸出からサービス業による輸出へと比重を移す政策も有効だろう。ただし、昨今のインバウンド消費は円安インフレを昂進させている側面があるので、当面は何らかの措置が必要かもしれない。
日銀には公的債務残高や民間の金利負担(住宅ローン金利・中小企業向け融資)への目配りをしつつ、更なる金融正常化を推し進めることを期待したい。異常な円安を収めて、コストプッシュを起点としたインフレを鎮静化させ、民間における収益性の高いプロジェクトへの投資を促す効果が見込まれる。
以上を通して資本装備率を増加させ、時代のニーズにあった技術進歩や産業構造の変革を促す。潜在成長率が低い状況から脱却し、生産性を向上させて賃上げ原資を生み出していく。サプライサイドから需給バランスの取れた経済を実現させ、長期的にはディマンドプルによる好循環に転換させるという発想が重要だ。こうした政策は、財政健全化や脱炭素化、社会保障制度の持続可能性に良い影響を及ぼすと考えられる。
こうして企業が国内で採算が取れるようになれば、投資が海外へ向かう動きを国内へ回帰させる効果が期待できるかもしれない。利益剰余金(内部留保)の活用を促し、投資と貯蓄バランスの適正化につながる可能性も開ける。
最後に出口戦略について補足したい。先述の通り、財政不安から長期金利が上昇し、タームプレミアムの上昇も観察される。短期金利(政策金利)の引き上げはインフレ鎮静化が本筋だが、正常化を推し進めることで、このような不安定化を抑える効果も期待できるのかもしれない。結果的に、政府債務の家計移転を取り除くことにもなるだろう。
この関連で言えば、1月19日以降、ETF(上場投資信託)の売却が開始された。言うまでもなく、今や買い支える意味は失われている。株式市場の歪みを是正することにつながるだろう。
【参考文献】
1:野口 悠紀雄『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』
2:野口 悠紀雄『日銀の限界』
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