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本当の友達に出会う旅

第一章 笑顔の少女

「美保ちゃん、また明日ね!」
「うん、またね!」
小学生の美保は、いつも笑顔だった。
勉強も運動も得意で、誰とでもすぐ仲良くなれる。
転んだ友達がいれば真っ先に駆け寄り、泣いている子がいればそっと手を差し伸べる。
先生からも友達からも愛される、明るい女の子だった。

けれど、その笑顔の奥には、小さな寂しさがあった。

家へ帰ると、両親の言い争う声が聞こえてくる。
楽しいはずの夕食も、重たい空気に包まれることが少なくなかった。

学校でも、仲良く笑っていた友達が、別の友達の悪口を話している姿を見かけることがあった。

幼い美保には、それがとても悲しかった。
「どうして、人は笑っていたのに、急に悪口を言うんだろう……。」

ある日の放課後。

校庭の隅から、小さな鳴き声が聞こえてきた。
「ニャー……。」
声のする方へ駆け寄ると、一匹のシャム猫の子猫がうずくまっていた。
体は泥だらけで痩せ細り、ふらふらと立ち上がろうとしても、すぐに倒れてしまう。

病気でふらふら

美保は夢中で子猫を抱き上げた。
「大丈夫。もう一人じゃないよ。」
子猫は安心したように、小さく目を閉じた。
動物病院で診てもらうと、栄養失調と病気で衰弱していることが分かった。
「あと少し遅かったら助からなかったかもしれません。」
獣医さんの言葉に、美保は子猫をそっと抱きしめた。
家族で話し合い、その子猫を迎えることになった。

美保は優しく笑って言った。
「今日から、あなたの名前は忠太郎。」

それから毎日、美保は学校から帰ると真っ先に忠太郎のもとへ向かった。
「ただいま、忠太郎!」
ミルクをあげ、お薬を飲ませ、小さな体を優しくブラッシングする。

少しずつ元気になった忠太郎は、美保の後ろをちょこちょこと歩き回り、おもちゃを追いかけて遊び、時にはカーテンによじ登って美保を慌てさせた。

宿題をしていると机の上に乗ってきて鉛筆をつつき、本を読んでいると膝の上で丸くなる。

美保が笑うと、忠太郎も嬉しそうに「ニャー」と鳴く。

夜になると、美保は布団を少し持ち上げる。
「忠太郎、おいで。」
忠太郎は当たり前のように布団へ入り、美保の腕の中で小さく丸くなった。
ゴロゴロ……。
安心したように喉を鳴らす音を聞いていると、美保も穏やかな気持ちで眠りにつくことができた。

両親のけんかが聞こえる夜もあった。
学校で悲しい出来事があった日もあった。

そんなとき忠太郎は、何も聞かず、何も責めず、ただ静かに寄り添ってくれた。

美保は思うようになった。
「忠太郎は、私の家族。」
そして少し照れながら、こう付け加えた。
「ううん……一番最初の、本当の友達。」

その言葉を聞いた忠太郎は、小さく「ニャー」と鳴いた。

まるで、「これからも、ずっと一緒だよ。」
そう約束してくれたようだった。

この日から、美保の「本当の友達に出会う旅」が、静かに始まった。


ずっと一緒

第二章へ(=^ェ^=)

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