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【第2回】タイの知財はここまで来ている!AIとデジタルが変える知財実務の最前線

はじめに──紙文化の国かと思ったら、AI先進国だった話

「東南アジアの国って、書類文化がまだ根強そうだよね」
数年前の私が、恥ずかしながらそう思っていました。もちろん、タイも例外ではないだろうと。

ところが、今回の調査で判明したのはその真逆
特許審査にはAIが導入されており、著作権登録にはブロックチェーン技術まで活用されている。

それだけではありません。申請手続きの80%以上がオンライン化されているというから驚きです。
タイの知財は、まさに**“紙の国”から“デジタルIP先進国”へと進化**していました。

今回は、そんな「知財のデジタル化とAI活用」の実態と、その背景にある国の意図、そして日本企業にとってのチャンスをお伝えします。

出典等の記載は、現在ありませんが、後日追加していきたいと思います。

📚 過去の記事はこちら
- [第1回:タイの知財は今こうなっている!法改正と国際基準への適合とは]


✅ この記事でわかること

  • タイの知財分野で進むデジタル化とAI導入の実態

  • どんな技術が実際に使われているのか

  • それにより変わった出願・審査の実務

  • 日本企業にとっての具体的メリットとは?


📚 目次

  1. なぜタイは知財のデジタル化に本気なのか?

  2. 知財オンライン申請の実態と成果

  3. 特許審査におけるAI導入──効率化の裏側

  4. 著作権分野でのブロックチェーン活用とは?

  5. 日本企業が今こそ活用すべき理由

  6. まとめ:タイで知財DXはすでに始まっている


1. なぜタイは知財のデジタル化に本気なのか?

理由は単純で、効率化と国際的信頼の獲得です。

知財庁(DIP)は、出願数の増加と審査官不足に直面していました。アナログ手続きでは対応しきれない。
さらに、国際連携(WIPO/ASEAN)を進めるうえで、電子的な運用は必須条件。

その結果、2020年以降、制度の「デジタル化」が国家レベルの優先課題として扱われるようになったのです。


2. 知財オンライン申請の実態と成果

特許、商標、著作権のすべてにおいて、申請手続きのオンライン化が完了しています(2021年DIP報告)。

  • 2020年時点のオンライン申請率:35%

  • 2023年時点:80%を突破


3. 特許審査におけるAI導入──効率化の裏側

特許審査において、類似技術の検索や分類をAIが自動で行う試験運用が始まっています(2022年開始)。

とくに医薬品関連の特許において、これまで1年以上かかっていた審査が半年以内に短縮された例もあります。

審査官の負荷軽減、判断の平準化、スピードの向上。AI導入によって、タイの知財は「追いつく側」から「追い越す側」へと変わりつつあります。


4. 著作権分野でのブロックチェーン活用とは?

2023年から、ブロックチェーンを活用した著作権登録の試験導入が始まりました。

  • 改ざんができない記録方式

  • 数週間かかっていた登録が数時間で完了

  • 音楽・映像・デジタルアートが対象

これにより、アーティストやクリエイターがより安心して権利を申請・保有できる環境が整ってきました。


5. 日本企業が今こそ活用すべき理由

このデジタル化の波は、外国企業にも開かれています
実際、オンライン申請は英語対応されており、日本からでも手続き可能です。

  • 出願コストを抑えられる(時間・人件費の削減)

  • 現地に常駐しなくても審査進行が追える

  • 登録完了までのタイムラグが短縮される

特に中堅企業やスタートアップにとっては、「攻めの知財戦略」を展開するための絶好のインフラです。


6. まとめ:タイで知財DXはすでに始まっている

「タイ=紙文化」というイメージは、もう過去のものです。

今のタイは、AIやブロックチェーンを活用して、世界水準の知財実務インフラを構築しつつある国です。

国の未来像とリンクしたこの動きに、企業側がどう向き合うか。
それが、今後の競争力を左右すると言っても過言ではありません。


▶ 次回予告

第3回は、「模倣品の進化と企業の対応」について。
商標だけでなく、設計や技術、そしてデジタル分野へ広がる“模倣の波”にどう対処すべきかをお届けします。


プロフィール
神戸市生まれ。国立大学大学院工学研究科修了後、化粧品メーカーに就職。製剤開発者として、キャリアをスタート。多くの特許を発明者として出願し、知財の世界に興味を持ち弁理士資格を取得。5年間のアメリカでのビジネス経験を活かし、現在は、ブランドマネージャー、子会社取締役、弁理士事務所(個人事業主)として、技術とビジネスを融合して、売れる商品づくりの挑戦中。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

急変するタイの知的財産戦略」シリーズは、これからもタイの現状を、できるだけわかりやすく発信していきたいと思っています。

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