【東京エッセイ】ラストノートはサンダルウッド
香水の残り香のこと。
最後の顔とも言われている。
トップノート。ミドルノート。
その後。
サンダルウッドは白檀とも言われていて、リンネの植物の種にも記載されている。
その昔、僕はとある香水をつけていたことがあった。
ラストノートがサンダルウッドだった。
今はもう、その香水はつけていない。
ただ思うのは、人伝に聞くに、それは僕の特徴のひとつだったらしい。
香りは勿論のこと、服装を含めて、僕を形作るもののひとつだったのだろう。
枯淡にいる僕に香りは無い。匂い自体が無い。
それはまるで空気そのもので、謂わば陽炎のようなものだろう。
