フレンチトーストの記憶
母の妹である叔母さんは、30代前半で亡くなった。
ガンだった。
私は記憶にある中で、初めて死というものの悲しさを知った。
その叔母さんの子供、つまり私のいとこである私より一つ下の兄と4つ下の妹は、小学生の時に母親を亡くした。
母方の親戚は本当に仲が良く、今でもそれは続いている。
ただそのいとこ達とは叔父さんの再婚により、あまりこちらと交流したがらない新しいお母さんによって、あまり会う事ができなくなってしまった。
それでも私達はそのいとこ達が小さい頃は隠れていとこに会ったり、いつでも見守ってきた。
時が流れ、私は偶然その妹のいとこのインスタを見つけた。
田舎が同じである伯母はその叔父さんと交流があり、何となくいとこ達の状況は聞いていたけれど。
そのいとこの子供が産まれた頃から始まったインスタの中の子供は、小さい頃のいとこにそっくりで本当に可愛くて。
そこから、思いきってコメントしてみた。
それでやっと私達とつながった。
そんなインスタに今日あげられていたのはフレンチトースト。
「フレンチトーストは伯母(私の母)を思い出す。」
とのコメント。
フレンチトーストをいとこが食べたのは、小学生の頃。
フレンチトーストにそんな記憶の力があったなんて・・・
私達の中ではずっと
「卵パン」
と呼んでいて、おしゃれなフランスパンでつくられたものでも、インスタ映えするようなものではない。
食パンを卵と牛乳と砂糖につけて、フライパンで焼くだけのもの。
私でも作れるほどだ。
だけど私もずっと覚えている。
山盛りに次々とお皿にあげられる卵パン。
微妙に焦げてるもの、すごく味がしみているもの、最後はその卵たちが減ってあまりおいしくなくなること。
いとこ達の事を思うと一番悲しくなるのは、ある夜の事だ。
その叔母さんの看病を交代で母達がしていたため、私達いとこも雑魚寝していた。
みんな寝ていたと思う。
もしかしたら誰かも起きていたかもしれない。
仕事も忙しかった叔父さんが夜中に私達が寝ている部屋に入ってきて、兄であるいとこに言っていた。
「叔母さん達にいっぱい甘えるんだよ。」と。
妹の方はたしかにみんなに甘えていたし、悲しい感情を素直に顔に出していた。
一方で兄の方は何も言わず、悲しいそぶりを見せていなかった。
必死でその妹を守っていたのだろう。
それを叔父さんはきちんと見ていたのだ。
私は叔母さんが亡くなった時も、もちろん悲しかったけれど、いとこ達の事を思い出すとその場面が一番悲しい。
大好きだった叔母さんが、もう助からないと知ってしまった頃だったのもあるけれど。
こちらの企画、参加しそびれました😅
「さいご」が思いつかなかったので。
「さいご」ではないかもしれないけれど、私だけではなく、いとこの思い出の中にもあるフレンチトースト。
めちゃめちゃ食べたくなったけれど、私の中で食べる卵パンは昼食。
今日はもう夜。
今度の休みに食べようっと。
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