ぷらぷらり日記 2025.11.26 手塚治虫記念館周辺
兵庫県と大阪府の境目にあたる川西市・伊丹市・宝塚市の3つの市のうち、全国的な知名度が最も高いのは宝塚市でしょう。
宝塚歌劇団の本拠地であり、漫画の神様こと手塚治虫先生が幼少期から青年期まで過ごした場所としても広く知られています。
しかしながら、我は北大阪の民。川西市や伊丹市はこれまでに何度も訪れていますが、いちばん距離の遠い宝塚市となると、あまり馴染みがない。
ならば行ってみよう。

というわけで、やってきたぜ宝塚大劇場。
駅から徒歩10分ほどのところ。武庫川に沿って、縦に長い白い建物が聳える。とはいっても、ガチガチに外壁で囲まれているため、大劇場の本体がどのようなものなのか、外からはよく見えませんが。
さりげなく街に溶け込んでいるので、ここがかの全国的に有名な大劇場であることは、一見ではわからないかもしれません。

大劇場の周囲は散歩道になっており、『ベルサイユのばら』の銅像が。
同作は、1974年から現在に至るまで半世紀に亘って上演されており、宝塚歌劇団の代表作にして、最大のヒット作。
原作の漫画は1973年に完結しているものの、その後も作者の池田理代子先生により、新たなエピソードが書き下ろされているそうだ。
池田理代子先生は声楽家としても活動されており、ヴィジュアル系バンドのLAREINEの楽曲にコーラスで参加されたこともあります。
2000年2月当時のソニーミュージックのプレス記事(よくそんな古いの残っていたな……)によると、池田先生はLAREINEのボーカルのKAMIJO氏の姿を見た途端に「オスカルだ!」と創作意欲を掻き立てられたという。
完全に余談だけど、LAREINEの『冬東京』という曲は、ヴィジュアル系で宝塚を体現した名曲として、界隈では高く評価されている。

宝塚大劇場の耽美な世界に紛れ込んで、阪急電鉄の創業者である小林一三さんの銅像も。
少女歌劇をこの宝塚の地で始める計画を立てたのは小林氏のようで、もともと温泉地であった宝塚に、観光客を誘致する目的だったらしい。
かつては宝塚ファミリーランドという遊園地があり、実は自分もかなり小さい頃に行ったことがあるような気もする。エリア内には温浴施設もあったそう。
現在は「若水」という温泉つきホテルと「ナチュルスパ宝塚」という温泉つきフィットネスジムがあるくらいで、あまり温泉街として推している雰囲気はありません。

『ジャングル大帝』のレオの銅像がある一帯は広場になっており、両脇に「宝塚市立文化芸術センター」と「手塚治虫記念館」が建っています。
「宝塚市立文化芸術センター」は駅前のランドマーク的なスポットらしく、基本的にずっと屋上の庭園が解放されているとのこと。

といっても、実質的に3階くらいの高さだし、そもそもこの地帯が山の麓なので、周囲を見晴らす感じではありませんが、山がくっきりと見えます。
有料で貸し切りもできるそうですが、たぶんバーベキューとかはダメだろうし、街中なので音のうるさい演奏会なども難しそうだし、展示は屋上じゃなくてもできるし、あまり使い途は思い付かない。

センター内では地元の方々による絵画や書の展示が行われており、撮影も可能でした。
『チェレプニン音階を五度圏の図にして見た時に思いついたこと』だそうです。タイトルの字面がなんだか高尚すぎてよくわかりませんでしたが、あとで「チェレプニン音階」と「五度圏」を画像検索すると意味がわかりました。いや、自分が音楽に関して無知なだけか……?

さて、手塚治虫記念館に入りましょう。
自分は生まれた頃からドラえもんが友達だったので、ドラえもんの生みの親である藤子・F・不二雄先生についてはそれなりに知っているつもりなのですが、その藤子・F先生が生涯に亘って尊敬し続けていた、現代の漫画の礎を築いた手塚治虫先生に関しては、はっきりいって全くの不勉強です。
読んだことがあるのは、『きりひと讃歌』(なぜ他の有名作をすっ飛ばしてこれを選んだのか今となってはよくわからない)と、晩年のエッセイ『ガラスの地球を救え』のみ。
ただ、たぶんどちらも手塚先生の王道からは外れているような気がする。特に『ガラスの地球を救え』については、地球温暖化の懸念や、都市開発によって自然が失われていくことへの問題提起が書かれていて、もはや漫画はほとんど関係ないしなあ。
館内のモニターでは、氏の生前を知る方々が、氏との思い出を述べられていたのですが、藤子不二雄先生の漫画に出てくる「ラーメン大好き小池さん」のモデルとなった鈴木伸一さんも登場。
いつこの動画を撮ったのかは不明ですが、この時点ですでに80歳は超えていらっしゃると思われる。そうは見えんが。矍鑠とされていて、実に若々しい。
ちなみに、基本的に鈴木さんらが手塚氏と会食する際はいつも奢ってもらっていたが、ある時に手塚氏が財布を持ってくるのを忘れたことがあり、その時だけは自分が飲食代を出した。手塚治虫さんにお好み焼きを奢ったことがあるのが僕の自慢、という内容だった。

ウィルキンソン炭酸水ばかり売っている自販機。ウィルキンソンの起源は宝塚市です。
日本の発祥なのになぜに横文字なのかというと、このウィルキンソンが涌き出る鉱泉をたまたま発見したのが、その頃に日本に定住していたイギリス人だったそうで、ウィルキンソンとはそのイギリス人の名前なのだそうです。
さっきちょっと触れましたが、もともと宝塚は温泉地であることから、それを観光に利用しようという計画が各所から出ていたようです。
炭酸鉱泉を発見したことでヤマをひとつ当てたウィルキンソンさんも、後年にホテル事業に手を出して、「タンサンホテル」なるものを開業したもよう。しかし、そのホテルは長くは持ちませんでした。
その原因というのがまた、鉄道の路線が宝塚まで開通し、いつでも行けるようになったことで、わざわざ泊まりがけで行くこともなくなり、温泉地の宝塚をかつてほどプッシュしにくくなったから、というものらしい。
皮肉にも、鉄道が発達していることによって、私はその日の午後に思いついたノリで宝塚に辿り着けちゃっているのだが。

さて、今日のシメはここで。JR宝塚駅の隣の中山寺駅から徒歩10分ほどの、名湯「宝乃湯」。
限りなく有馬温泉に近い源泉が楽しめる、とのこと。褐色の濃ゆい温泉が味わえます。ただ、岩づくりで起伏が多いのと、足下がぜんぜん見えないので、うっかり誰かの足を踏みそうでこわい。
しかし、その効能はたぶん確かだ。事実、ここに入って向こう2日くらい寝覚めが非常に良かった。3日目の朝に「あ、なんか切れたわ……」というのを実感したしな。
ほぼ露天スペースなので、内湯は実質的にひとつしかありませんが、この内湯がクソデカくてなんとなくテンションが上がる。もちろんやってはいかんが、なんか泳ぎたくなる。泳ぐクソガキとかいるんだろうなあ。

宝塚駅の近くのラブホ「HOTELエレガンス」。
2004年に改装されているそうですが、全改装ではなかったようで、右側だけやたらと古めかしい。スチームバスが全室に完備されていることが売りのようですが、これいつの時代に造られた看板なんだ……?
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サウナはたのしい。
