怪談百物語#84 早いよ
祖父が死んで、明日で四十九日。
だが明日は月曜日。
日曜の方が都合が良い。
なので今日法要を行うことにした。
寺に続々と親戚が集まる。
その中に黒いスーツに黒いネクタイを着けた祖父の姿があった。
「ちょっと早いんじゃないか?」
度肝を抜かれて動けない私達にそう告げると、祖父はすうっと消えた。
後から来た親戚には何も伝えずに法要が始まる。
祖父を見た親戚達と私は、目に見えて真剣に焼香をあげていた。
「あんた若いのに真面目ねえ。」
親戚にそう褒められた。
あの背中を丸めて不満を言う祖父の姿を見てしまうと、どうにも申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。
今後は日を合わせよう。
