🍸銀座の夜、グラスの中に溶けた"私の人生設計"
「10年後、どうなっていたい?」
この前、ネイルの常連さんにふいに聞かれたの。
その瞬間、私はなぜか黙ってしまった。
──答えが、浮かばなかった。
昔はもっとシンプルだった。
島を出て、東京に出て、
“キラキラした世界”で生きていくのが夢だった。
ネイリストになって、自分のサロンを持って、
週末は彼氏とカフェ巡りして、
30歳までには結婚して、横浜のマンションに住む──
そんな“人生設計”を、
ノートの片隅に書き留めてた18歳の私。
でも今の私は、
銀座と六本木の間にあるお店で、
“ぱぶ嬢ちゃん”として、夜に溶けてる。
🌃気づいたら、東京の夜が「目的地」になってた。
「いつか卒業する場所」だったはずなのに、
今ではここが、一番自分らしくいられる場所になってる。
グラスの中の氷が少しずつ溶けていくみたいに、
私の“普通”だった未来も、
気づいたら音もなく消えてた。
ブランドバッグも、
高級ホテルのシーツも、
会員制ラウンジの会話も──
それなりに慣れて、
それなりに楽しめるようになったけど、
でもどこかで、いつも思ってる。
「この先に、なにがあるんだろう」って。
👠パパ活で得た現金より、
“未来への確信”が欲しかった夜がある。
「若いうちしかできないでしょ」
「今のうちに貯めておいた方がいいよ」
そんなアドバイス、
正論すぎて刺さらない。
だって、目の前のお客様からの指名、
今日のLINEの既読スルー、
ホテルでの会話や、
微妙な間の埋め方──
その“今”をこなすだけで、毎日精一杯なんだ。
未来のことを考える余裕なんて、
正直、そんなにない。
🍸「このままじゃダメ」って思いながら、
じゃあ“どのままならいいのか”が、わからない。
人生設計って、計画でしょ?
でも、計画通りに生きられるほど、
この世界は優しくないって、もう知ってる。
あの日、ネイルのキャンセルが3件連続で入ったとき。
夜の仕事で仲良かった子が急に辞めたとき。
3ヶ月だけの関係だったパパが、
何も言わずにいなくなったとき──
“予定”とか“設計”なんて、
儚くて脆くて、あっという間に崩れる。
🖤じゃあ、私はなにのために、
この街で、今日もグラスを傾けてるんだろう。
理想の人生を諦めたわけじゃない。
でも、それを“今”と引き換えにするには、
夜の居心地が、ちょっとよすぎたのかもしれない。
お客様から褒められたワンピース、
パパが買ってくれたアクセサリー、
その全部が“今の私”の輪郭を作ってくれる。
「自分を生きてる」って思える瞬間が、
ちゃんとここにもある。
🍾でも、
いつまでここにいていいんだろう?
女の価値って、
“若さ”と“新しさ”で測られることが多い。
この街では、
昨日までの私じゃ、今日の戦場では通用しない。
年齢を重ねることが怖くなる。
体調を崩すことがリスクになる。
1週間、SNSを休んだだけで忘れられそうになる。
「このままでいい」って思った瞬間に、
全部が崩れそうな、怖さ。
🍷そんなとき、私は決まって、
銀座のバーにひとりで行く。
誰もいないカウンター。
カクテルと、静かなピアノのBGM。
グラスの中で氷が溶けていく音を聞きながら、
私はいつも、
“人生を練り直すフリ”をする。
──だけど、何も変わらない。
何度だって考えるけど、
この街を離れる選択肢は、まだ出てこない。
銀座の夜は、魔法みたいに甘い。
でもそれは、
気づかないうちに、
自分の人生設計すら“甘やかして”しまう魔法でもある。
👇このあと、有料部分では──
私が“人生設計”を手放しかけた夜、
本気で将来を考えたある人との出会い、
そして「このままじゃダメ」と初めて決意した瞬間のことを、
静かに、でも赤裸々に綴ります。
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