見出し画像

評価の数値が「測るたびにブレる」3つの原因と、明日からの対策

「先週は12秒だったのに、今日測ったら15秒。あれ、悪化した……?」

評価をしていて、こんな経験はありませんか。実は、患者さんの状態が変わったのではなく、測り方が揃っていないだけということがとても多いんです。

私は理学療法士として18年、回復期・外来・訪問でさまざまな評価を行ってきました。患者さんに合わせた評価ができるよう試行錯誤してきた中で、「数値がブレる原因はだいたい3つに集約される」と感じています。新人さんがつまずきやすいポイントでもあるので、ひとつずつ共有します。

原因① 声かけ(教示)が毎回違う

これが一番大きいです。

たとえばTUGで「できるだけ速く歩いてください」と言うか、「普段の速さで歩いてください」と言うかで、秒数は平気で2〜3秒変わります。MMTでも「思いっきり押し返して」と「軽く抵抗して」では結果が別物です。

対策は、同じ患者さんを複数のスタッフで担当しているなら、まず担当者間で文言を揃えることです。施設全体で統一するのが理想ですが、立場によっては声をあげにくいこともある。まずは自分の担当チームの中だけでも揃えておくと、再評価の精度がぐっと上がります。

私が新人の頃、まさにこれで失敗しました。先輩と私で教示の言い方が微妙に違っていて、再評価のたびに数値がズレていた。先輩は「できるだけ速く」、私は「普通の速さで」——それだけで2〜3秒は変わります。患者さんが良くなっているのか悪くなっているのか、判断できなくて本当に困りました。

今は「合図で立って、歩いて、戻って、座ってください」と毎回必ず同じ文言で伝えています。

原因② 開始・終了のタイミングがあいまい

TUGなら「立ち上がりの開始=合図の瞬間」なのか「殿部が座面から離れた瞬間」なのか。ここが測る人によってズレると、それだけで誤差が生まれます。

対策は、院内で計測の基準点を決めて統一すること。「殿部が離れた瞬間にスタート、完全に着座した瞬間にストップ」のように、言葉にして共有しておきましょう。

原因③ 条件(履物・補助具・環境)を記録していない

裸足か靴か。杖ありか、なしか。廊下で測ったか、居室で測ったか。これらを記録に残さないと、次に測る人が同じ条件を再現できません

「TUG 14秒」だけのメモでは、後から見返しても比較になりません。秒数の横に、条件をひとことでいいので必ず添えましょう。

まとめ:数値より「条件をそろえる」が先

評価は、上手に測ることより毎回同じ条件で測ることのほうが大事です。条件さえそろえば、たった1分の検査が患者さんの変化を正確に語ってくれます。

新人のうちは「正確に速く測らなきゃ」と焦りがちですが、まずは条件の統一から意識してみてください。再評価の数字が、ぐっと信頼できるものになります。


📥 評価シートを無料で配布しています

測定条件まで記録できる TUG評価記録用紙 を無料でダウンロードできるようにしました。印刷してそのまま臨床で使えます。👉 https://note.com/ptotst_next/n/nd4e20314010d

FBS・FRT・10m歩行の用紙も無料配布中。MMT・ROM・5STS・片脚立位も順次公開します。

🔗 ブログもやっています

評価方法の詳しい解説は、ブログ「理学療法士の働き方スタイル」にまとめています。👉 https://ptotst-next.com

いいなと思ったら応援しよう!