日本語の誤用にご注意を
言葉の意味は時代とともに変化するものですが、本来の意味を知ると「そうだったのか!」と驚くものが多いですよね。
『敷居が高い』と同じように、現代で一般的に使われている意味と、本来の意味が異なる言葉をいくつかピックアップしました。
さて、あなたはこれらの言葉をいくつ知っていて、どの言葉をどう間違えていましたか?
1. 敷居が高い
誤用: 高級すぎたり、上品すぎたりして入りにくい。
本来:相手に不義理をしたり、迷惑をかけたりして、その人の家に行きにくい。
2. 情けは人のためならず
誤用: 情けをかけることは、その人のためにならない(甘やかすことになる)。
本来: 情けをかけておけば、めぐりめぐって自分に良い報いが返ってくる。
3. 役不足(やくぶそく)
誤用: 本人の実力が足りず、その役目をこなせない。(※それは「力不足」)
本来: 本人の実力に対して、与えられた役目が軽すぎる。
4. 確信犯
誤用: 悪いことだと分かっていながら行う犯罪や行為。
本来: 自分の信念に基づき、「正しいこと」だと信じて行われる犯罪。
例えば、政治的な信念や宗教的な理由から「これは正しい行ないだ」と信じて法を犯す場合を指します。単なる「ずる賢い悪事」とは意味が異なります。
5. 破天荒(はてんこう)
誤用: 豪快で、大胆不敵な様子。めちゃくちゃな振る舞い。
本来: 前人未到の境地を切り開くこと。誰も成し得なかったことを初めて成し遂げること。
6. 憮然(ぶぜん)
誤用: 腹を立てている様子。ムッとしている。
本来: 失望してぼんやりしている様子。意外なことに驚き、呆然としている。
7. 姑息(こそく)
誤用: 卑怯な。正々堂々としていない。
本来: その場しのぎ。一時逃れ。
8. 煮詰まる(につまる)
誤用: 行き詰まって、アイディアが出なくなる。
本来: 議論や相談が十分になされ、結論が出る状態に近づくこと。
料理の「煮込み」が進んで完成に近づくイメージが本来の意味ですが、現代では「息が詰まる」ようなニュアンスで使われることが増えています。
9. 逆鱗(げきりん)に触れる
誤用: 目下の人や友達を激しく怒らせる。
本来: 目上の人(上司、先生、親など)を激しく怒らせる。
龍の顎の下にある、一枚だけ逆さに生えた鱗(逆鱗)に触れると、龍が激怒して人を殺すという中国の伝説が由来です。王(目上の人)の怒りを指す言葉です。
10. 奇特(きとく)
誤用: 変わった人。風変わりな人。
本来: 言動が殊勝(しゅしょう)で、感心な様子。
「あんな仕事を引き受けるなんて奇特な人だ」と言う場合、本来は「なんて立派で感心な人なんだ」という褒め言葉です。
11. 爆笑(ばくしょう)
誤用: 一人の人が、大声で激しく笑う。
本来: 大勢の人がドッと笑う。
漢字の通り、その場にいる集団が弾けるように笑うことを指します。
以前こちらでも少し解説しましたね(*´ω`*)
苦笑(くしょう):戸惑いや不快感がありつつ仕方なく笑う「にが笑い」
「困惑の笑い」
失笑(しっしょう):笑ってはいけない場面で、おかしさのあまり思わず吹き出してしまうこと。多くの人が「笑いも出ないほどあきれる(冷笑)」と勘違いしています。
爆笑(ばくしょう):大勢の人が一斉にどっと笑うこと。2018年以降の辞書(広辞苑第7版など)では「一人で大笑いする」意味も記載され始めました。しかし、年配の方やビジネスシーンでは「人数が違う」と冷ややかな評価を受ける可能性があるため、注意が必要です。
間違えやすいので注意しましょう。冷笑されます。
A・大根足(だいこんあし)
現在は「太い足」を揶揄する言葉として使われることが多いですが、本来は「色が白くて美しい足」を指す褒め言葉でした。
由来: 昔の大根は、今のような太い円筒形ではなく、もっと細めで真っ白なものでした。その抜けるような白さを、女性の健康的で美しい足に例えたのが始まりです。
変化: 時代とともに、大根の品種改良が進んで「太いもの」が一般的になったことや、美意識の変化によって、「白さ」よりも「太さ」に注目が集まるようになり、現在のような意味に変わってしまいました。
B・大根役者(だいこんやくしゃ)
演技が下手な役者のことを指しますが、なぜ「大根」なのかについては、大根の「食あたりしない」という性質が関係しています。
由来: 大根は消化が良く、どう食べても「あたること(食中毒)」が滅多にありません。ここから、「当たらない(人気が出ない、ヒットしない)」役者のことを、洒落をきかせて「大根」と呼ぶようになりました。
別説: 他にも、大根の身が白いことから「素人(白人=しろうと)」にかけた説や、下手な役者が顔を白塗りしすぎる様子から、といった説もあります。
おまけ:他にもある「大根」の比喩
大根はその万能さや身近さから、他にも面白い比喩に使われます。
大根を削る(だいこんをけずる): 物事を少しずつ、しかし着実に進めること。
大根の毒(だいこんのどく): 大根には毒がないことから、転じて「全く害のない人」や「お人好し」を指す隠語として使われた時期もありました。
大根役者の「あたらない」という由来は、皮肉でありながらも、どこか日本らしいユーモアを感じさせますね。
さすがに私も全部知っていたわけではないのですが、『敷居が高い』と聞くたびに、「なにか相手に不義理でもしたのかな?」とか、煮詰まってる割には結論がでてこないなとか思ってました。大根足が『色が白くて美しい足』を指す褒め言葉から、「太い足」を揶揄する言葉に変わったのにはそういう経緯があったのですね……(*´ω`*)
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