15歳のよよかちゃんが見せた“彼女の未来”(音楽のはなし)
序章:世界が驚いた15歳のスティック
先日、YouTubeである映像を見た。
15歳の日本人ドラマー・よよかちゃんが、なんとカナダの伝説的バンド RUSH のギタリスト、アレックス・ライフソン本人と共演していたのだ。
曲は「Limelight」──筆者にとってRUSHの中でも特別な1曲であり、“一番を決められない”ほど愛している名曲だ。
画面の中でアレックスがギターを構え、よよかちゃんがドラムスローンに座る。その瞬間、何かとんでもないことが始まる予感がした。
1. 15歳がRUSHを叩くという奇跡
RUSHは単なるロックバンドではない。
彼らの音楽は、テクニックと哲学、リズムと思想が融合した「知的なロック」の象徴だ。
特にこの「Limelight」は、ドラマーのニール・パート(Neil Peart)による緻密なリズム構成と、アレックスのギターが織りなす浮遊感が特徴。
つまり、この曲を「叩く」とは、単にテンポを刻むことではなく、RUSHという世界観そのものを再現することを意味する。
そして、その難曲を、まだ15歳の少女が淡々と、しかし情熱的に叩いていた。
ドラムがリズムを導くたびに、彼女の中に“ロックの魂”が宿っているのを感じた。
見た目はあどけない少女だが、音の世界では完全に「プロミュージシャン」だった。
2. ギタートラブルと、よよかちゃんの冷静さ
映像の中で印象的だったのは、途中でアレックスのギターにトラブルが起きた瞬間だ。
淡々とビートを刻みながら、目線は前を見据え、まるで「音楽を守る」かのように叩き続けていた。
この姿勢こそ、本物のミュージシャンだ。
ステージ上で起きた不完全な瞬間を、美しく整える。
それは“トラブル対応”ではなく、“音楽を信じる力”そのものだった。
3. 「Limelight」が持つ哲学と、次世代の継承
RUSHの「Limelight」は、華やかなスポットライトの中で生きることへの葛藤を歌った曲だ。
「人に見られること」「期待されること」「孤独と誇り」──その複雑な感情を音で表現している。
15歳のよよかちゃんがこの曲を選び、そしてステージ上で堂々と叩く姿は、その哲学をまさに体現していた。
彼女はまだ学生でありながら、世界中のロックファンが見守るステージに立ち、光を浴びながらも決して浮つかない。
その落ち着きと集中力は、もはや“若手アーティスト”ではなく“表現者”だった。
そして筆者は思った。
ニール・パートがこの世を去った今も、彼のリズムは確かに受け継がれている。
それを証明するように、よよかちゃんは15歳の手でRUSHの魂を叩き出していた。
4. 世代を超えるハードロックのDNA
1970〜80年代のハードロックは、単なる音楽ではなく「生き方」だった。
ギターのディストーション、タイトなドラム、ベースのうねり──それらは若者たちの情熱と反骨の象徴だった。
しかし、よよかちゃんの演奏には、その原始的な熱があった。
RUSH、Led Zeppelin、Deep Purple──彼女が影響を受けてきたロックの巨人たちの魂が、スティックを通して生きていた。
音楽は“古い”ものではなく、“永遠に更新される文化”なのだと改めて気づかされた。
5. これからの「ロックの継承者」として
よよかちゃんは、単なる「天才少女」ではない。
彼女は、ロックという文化を未来に繋ぐ架け橋だ。
SNSで拡散される映像の向こうで、彼女は世界中の同世代にメッセージを送っている。
「ロックは、まだ生きている」──そう語るように。
彼女のドラムは、音楽学校の教科書的な演奏ではなく、“魂の演奏”だ。
一音ごとに表情があり、空気を切り裂くシンバルには意思がある。
リズムとは、感情そのもの。
そのリズムを、彼女は自分の人生で刻んでいる。
6. 結び──光の中で生きる覚悟
「Limelight」の歌詞には、こうある。
Living in the Limelight
The universal dream
For those who wish to seem
──光の中で生きること、それは憧れであり、試練でもある。
よよかちゃんはその光の中心に立ちながら、決して眩しさに飲み込まれなかった。
彼女はまだ15歳。だが、その手に握られたスティックには、ニール・パート、そしてすべてのロックドラマーの魂が宿っていた。
世界が静まり返る中、彼女の一打が響く。
その音はこう語っているようだった。
※RUSHというバンドは、日本ではほんとーに知られていなく(あまり人気がなく)好きな人探すのが難しいバンドだが、海外ではスタジアムバンドで
30年以上前に来日した際は武道館でライブを行ったきり来日はしていない。海外ではスタジアムいま日本で行ったら、なんとか会館とかでしかできないと思います。そりゃー来ないよねって感じです。ドラマーの壮絶な人生を送ったニール パートは天国に行かれています。彼は人間国宝と呼ばれた人でした。RIP
🎵 よよかちゃん について
■ 生い立ちと名前の由来
よよか(本名:相馬世世歌)は、アマチュアバンド「かねあい」で活動していた父・相馬章文さん(地方公務員)と、母・相馬梨絵さん(記者)の長女として誕生。
名前の「世世歌(よよか)」は、“時代や世代を超えて世界で受け継がれる歌のような存在になってほしい”という願いを込めて名付けられた。
札幌で生まれ、1歳頃に石狩市へ移住。わずか1歳半からドラムに興味を持ちはじめ、4歳でライブ活動を開始。5歳で家族バンド「かねあいよよか」に正式加入し、ライブハウスや地域イベントなどで演奏を行っていた。
■ 世界に知られるきっかけ:8歳の衝撃
6〜7歳の頃、日本国内のドラムコンテストに挑戦するも入賞には至らず。
しかし「海外の方が評価される」というアドバイスを受け、2018年に女性ドラマーコンテスト「Hit Like A Girl 2018」18歳以下部門へ応募。
レッド・ツェッペリンの「Good Times Bad Times」を演奏した動画で、史上最年少(8歳)で週間チャンピオンとなる。
この動画がアメリカの公共ラジオNPRで取り上げられ、ツェッペリンのメンバーをはじめ世界中のミュージシャンから称賛を受け、一気に国際的な注目を集めた。
■ 国内外アーティストとの共演
その後、音楽プロデューサー亀田誠治に才能を見出され、
JUJU、いきものがかり、KREVA、MIYAVIなど国内のトップミュージシャンと共演。
2019年には海外アーティストとの共演も果たす。
SUMMER SONICではフォール・アウト・ボーイと同じステージに出演
シンディ・ローパー東京公演にも参加
8歳で世界に名を知られ、10歳になる頃にはすでに国際的なドラマーとしての道を歩み始めていた。
■ 世界が認めた“史上最年少TOPドラマー”
2021年1月、世界的ドラム専門サイト「Drummerworld」で、
“世界TOP500ドラマー”の一人として選出。
これは日本人として史上3人目、かつ最年少での快挙だった。
同年11月にはロサンゼルス滞在を経験し、「日本を超えるインスピレーションを得られる」と感じ、アメリカ移住を決意。
■ アメリカ移住と音楽活動の進化
2022年8月、シンディ・ローパーやディープ・パープルのドラマー、イアン・ペイスらの推薦を受け、アーティストビザを取得。
同年9月、家族とともにアメリカへ移住。芸術系の公立校でドラムを専攻し、音楽を理論的にも深めながら活動を本格化。
2023年にはオークランドからロサンゼルスへ拠点を移し、アメリカ西海岸のミュージックシーンに進出した。
■ アーティストとしての現在と未来
2022年には初のソロシングル 「Sparkling」 をリリース。
そして2024年10月11日、待望の**1stアルバム『For Teen』**を発表。
タイトルが示す通り、「10代のリアルな感情や成長」をテーマに、彼女自身の作詞・作曲による楽曲が収録されている。
