第1回 「プロジェクトA」 ジャッキーチェンの映画感想
ここ数年のジャッキー作品のDVD、
ブルーレイでの商品化は
目を見張るモノがある。
長年夢見ていた日本語吹き替え版
(初期のTV版)日本劇場公開版等を収録、
石丸博也の吹き替えはもちろんのこと、
日本劇場公開版でないと
見れないNGシーンだったり、音楽だったり。
これが見たかったという内容のDVD、
ブルーレイとなっていて、とても満足のいく
商品となっているように思える。
そう、80年代に子供時代を
過ごしてきた筆者にとって、
ジャッキー映画は、エンタメのすべてだった
と言っても過言ではない。
その子供時代を、懐かしく思い出しながら、
今、50代になったおじさんの気持ちも含めて
ジャッキー映画の感想などを綴ってみたいと
思った次第である。
まぁ、前置きがかなり長くなってしまったが、
そういうわけで第1回は「プロジェクトA」。
文句なしの傑作!この作品を初めて見たのは
小学校3年生だったと思う。
TVで「酔拳」「蛇拳」「笑拳」「拳精」
「蛇鶴八拳」「少林寺木人拳」
「ヤングマスター」が放送され、
いよいよジャッキーの最新作が
劇場で公開されるということで、
とても楽しみにしていた。
TVでも特別番組が放送され、
それを録画したビデオを何度も見ては
「プロジェクトA」に対する期待度は、
高まるばかりであった。
実際に映画館で見たプロジェクトAは、
その期待通り、それ以上の
作品であったように思う。
ジャッキーすごい作品を作ってくれたなぁ
というのが、この作品の印象。
その当時は、まだよく知らなかった
サモ・ハンキン・ポー、ユン・ピョウが
出ていて、マース等の脇役も、
すごくキャラが立っている。
この作品は、今までのジャッキー映画では
ありそうでなかった群像劇になっている
ように思う。
基本的に見せ場は、ジャッキーのアクションが
ほとんど、いいとこ持っていってるけど。
サモ・ハンキン・ポー演じるフェイや
ユン・ピョウ演じるジャカーとの関係。
これが、ベタベタしてなくて、
男の友情が上手く描かれているように思える。
そして言うまでもなく激しい
アクションシーンの連続であるということ。
有名な時計台からの落下。
自転車でのチェイス。酒場での戦い。
ラストの海賊との対決。見応えたっぷりである。
海賊を退治するという話を軸として、
そこに様々な出来事が起こり、
それに上手く付随する形でアクション・
スタントシーンがあるので飽きないし、
中だるみもほとんどなく見ることができる。
今発売されているDVDで未公開シーンを
確認することができる。
これは、公開当時発売されていた
特集本とかに写真だけは掲載されていたり、
さっきふれたTVでの特集番組での
メイキング映像にもあったので、
その存在はなんとなくわかっていた。
ジャッキーは、撮影にかなりフィルムを
使っていたようで、1本の映画につき、
結構な未公開シーンがあるらしい。
ヤングマスターなどが、良い例だ。
いつか、そういったシーンも
全部網羅したソフトが
発売してくれると嬉しい限りだ。
これは、最近気づいたのだが、
「プロジェクトA」は、ジャッキー監督作品
としては明らかに毛色が違うように思う。
他にジャッキー監督作品の代表的なもの
と言えば「ポリス・ストーリー」
だろう。この作品とは雰囲気というか
演出・話のテンポ等が違うように感じられる。
もちろん、全く別のストーリーだから
違って当たり前なんだけど。
「ポリス・ストーリー」と
「プロジェクトA2」を比べてみると、
なんとなくわかるような気がする。
この2作品は、同じ雰囲気を感じさせる。
それはスタント、アクション物語の
流れ等の雰囲気がである。
「プロジェクトA」に関しては、
サモ・ハンキン・ポーの演出も
多々あったのではないか
ということが言われている。
先程の特別番組で、ジャッキーが
自分の演出をより良くするために
兄弟子にアドバイスを貰っていると
話をしていた。それは、ジャッキー監督より
サモハン監督が優れているということではなく、
お互いをリスペクトしあう中で、ジャッキー、
サモ・ハンの特性が上手く融合した
奇跡のような映画であるということ。
素晴らしい映画には、それに見合った
理由があるということだと思う。
あとジャッキー映画に
かかせないのが日本語吹き替え。
基本、ジャッキー映画はTVで
放送された物をビデオに録画して
それを繰り返し見ていたため、
ジャッキー映画と言えば
石丸博也の吹き替え派なのだが、
今作に関しては字幕派なのである。
父親が発売されていたプロジェクトAの
ビデオを買ってきた。
当時としては、かなり高額だったらしい。
多分、父親も高額出しても、
手元に置いておきたかったんだと思うが。
それを、ずっと見ていたので
字幕の方がしっくりくるのである。
今、ブルーレイに納められている
日本劇場版は、この当時に見ていた
ビデオと字幕も含めて全く同じ内容なので、
この劇場版を見た時は、
本当に言葉にならないくらい
嬉しい気持ちになった。
最後に「プロジェクトA」に
対するジャッキーの並々ならぬ思いを、
自分の妄想も含めて書いておきたい。
プロジェクトAは2年くらいかけて
撮影をされたらしい。
当時としては、かなり長い撮影期間だ。
その撮影の間に、「五福星」「キャノンボール2」
「ドラゴン特攻隊」の撮影に参加している。
今作以降も、ここまで時間をかけて
撮影された映画は、ないんじゃないかと思う。
それくらい、ジャッキーは、
この映画にかけていた。
すべてを注いでいたと思われる。
今作の前の作品「ドラゴンロード」が
興行的に失敗したらしい。
多分、日本では、そこそこヒットしただろうし、
TVでもジャッキー映画がゴールデンで
普通に放送されていたので、
ジャッキーが落ち目だという
印象は全くなかったが、
香港での実情は厳しいものがあったらしい。
クンフー物から現代物へと
変化しつつあった香港映画。
サミュエル・ホイ主演の「悪漢探偵」の
大ヒットで脱クンフー映画が流行りつつあった。
その中で、失敗から転落せずに
自分の個性をいかんなく発揮した。
しかも、今までのジャッキー映画の中で
スケールもアクションもスタントも
一段とアップした見事な映画を作ったことは、
本当にすごいなと思うし、それには、
彼を支えたサモ・ハンやユン・ピョウの
存在もあったように思われる。
この、「プロジェクトA」の大ヒットを受けて
日本でのジャッキーブームは、
ここから更につづくことになる。
公開された当時、この映画がマンガや
小説にもなっていたし、フィルムコミックも
刊行されていた。「あほ拳ジャッキー」という
ギャグ漫画もコロコロで連載されていて、
本当に当時のジャッキー人気は
凄まじいものがあった。
日本全国の子供たちが、
この映画に熱狂していた。
当時のジャッキーの情熱が
いっぱいつまった「プロジェクトA」
私の中では、ジャッキー映画の金字塔である。
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